平成23年度佐賀県小・中学校学習状況調査Web報告書

Web報告書もくじⅣ  児童生徒意識調査の結果の分析


児童生徒意識調査の結果の分析
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2 学習動機

「将来の夢や目標をもっている」と回答した児童生徒は、小学校で8割、中学校で7割を超えている。しかし、学年が上がるごとにその割合が減少していることについては、課題と捉え、その要因を探り、改善に向けて取り組んでいく必要がある。[図1]

 

ここでは、「将来の夢や目標をもっているか」という設問を通して、児童生徒の将来に対する意識と全教科平均正答率との関連についての調査結果を述べる。

   
「将来の夢や目標をもっている」について
 
 

「当てはまる」 と回答した児童生徒の割合が小学5年69.2%、小学6年62.1%、中学1年61.5%、中学2年43.0%、中学3年38.5%となっている。「どちらかといえば当てはまる」と回答した児童生徒の割合を合わせると、小学校では8割を、中学校では7割を上回っている。全体として、学年が上がるにしたがって、将来の夢や目標をもっている児童生徒の割合が低くなっている。[図1]

 

回答状況と全教科平均正答率との関連を見ると、小学校、中学校において、「当てはまらない」と回答した児童生徒の平均正答率が最も低くなっている。[図2]

 
 

小学6年と中学3年における「当てはまる」と回答した児童生徒の割合は、平成22年度と比べると、わずかながら減少が見られるが、「どちらかといえば、当てはまる」と回答した児童生徒の割合を合わせて比べると、大きな変化は見られない。[図3-1][図3-2]

   
これからの指導に向けて
 

「将来の夢をもつ」ということは、自分の将来への見通しをもつことにつながり、児童生徒の学習意欲の向上にも効果が期待できると考えられる。このことから、将来の夢を児童生徒にもたせることは大切である。
従来の特別活動における進路指導に加え、キャリア教育の視点に立った継続的・系統的な指導が必要である。憧れの職業や人物像、目標を達成するための手段など、児童生徒が将来についてより具体的に考えられるようにするとともに、将来について希望がもてるように支援していくことが大切である。また、将来の夢や目標をもつことができても、そのことが、学校で学習していることと直接結び付けづらいために、学習意欲や学力の向上につながらないことも考えられる。児童生徒にとって、学習することが自分の将来に役に立ったり、自分の将来の可能性を広げたりするものであることが実感できるように、支援していくことが大切である。


最終更新日:  2011-10-07