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この節では、児童生徒の家庭学習についての調査結果を述べる。具体的には、家庭学習の時間と学習の内容や仕方及び全教科平均正答率との関連について述べる。 |
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ア |
「学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日あたりどれくらいの時間、勉強しますか」について |
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学年が上がるごとに、学習時間は少しずつ増える傾向が見られる。しかし、勉強の時間が1時間より少ないと回答した児童生徒の割合を各学年ごとに見ると、小学5年45.6%、小学6年43.4%、中学1年44.4%、中学2年38.3%、中学3年37.0%であり、全体として家庭での学習が十分であるとは言えない状況である。また、「全く勉強をしない」または「30分より少ない」と回答した児童生徒の割合は、各学年において大きな変化は見られず、約15%という結果になっている。[図1]
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イ |
「土曜日や日曜日など学校が休みの日に、1日あたりどれくらいの時間、勉強しますか」について |
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普段の日と同様に、学年が上がるにしたがって、学習時間は少しずつ増える傾向が見られる。また、全ての学年に共通して、「全く勉強をしない」と回答した児童生徒の割合は、約10%という結果になっている。[図2]
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ウ |
「自分で計画を立てて勉強をしている」について |
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「している」「どちらかといえば、している」と回答した児童生徒の割合は、小学5年59.6%、小学6年60.9%、中学1年62.1%、中学2年49.2%、中学3年45.7%である。中学2年と中学3年については、他の学年に比べて、自分で計画を立てて勉強している生徒の割合が低くなっている。[図3]
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回答状況と全教科平均正答率との関連を見ると、全体的に自分で計画を立てて勉強している児童生徒ほど、平均正答率が高くなる傾向が見られる。[図4] |
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エ |
「学校の授業の復習をしている」について |
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「している」「どちらかといえば、している」と回答した児童生徒の割合は、中学1年がわずかに高くなっているが、全体的に各学年を比較して大きな変化は見られない。[図5] |
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回答状況と全教科平均正答率との関連を見ると、全ての学年において、学校の授業の復習をしている児童生徒ほど、平均正答率が高くなっている。[図6] |
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小学6年と中学3年における「学校の授業の復習をしている」「どちらかといえば、している」と回答した児童生徒の割合は、平成22年度と比べると、ともに高くなっている。[図7-1][図7-2] |
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オ |
「苦手な教科の勉強をしている」について |
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各学年を比較して全体的に大きな変化は見られない。[図8]
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回答状況と全教科平均正答率との関連を見ると、全ての学年において、苦手な勉強をしている児童生徒ほど、平均正答率が高くなる傾向が見られる。[図9] |
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小学6年と中学3年における「苦手な教科の勉強をしている」「どちらかといえば、している」と回答した児童生徒の割合は、平成22年度と比べると、ともに高くなっている。[図10-1][図10-2] |
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○ |
これからの指導に向けて |
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児童生徒の普段の日(月曜日から金曜日)の勉強時間については、1時間よりも少ないと回答している児童生徒の割合が、小学5年から中学1年までで4割を越え、中学2年と中学3年とで4割に迫る結果となっている。この事実は、小学校・中学校ともに課題として捉えるべきである。児童生徒への家庭学習に対する意識のもたせ方、宿題の出し方、保護者との連携協力の在り方など、家庭学習に関して日頃取り組まれている活動を見直し、改善を図っていく必要がある。また、中学2年生と中学3年生において、自分で計画を立てて勉強している生徒の割合が低下しているが、これも課題と捉え改善を図る必要があると思われる。中学校では部活動もあるため、小学校に比べると、全体的に家庭で過ごす時間は少ないことが考えられる。そのため、日々の家庭学習について、生徒が自分で計画を立てて勉強できるようにすることは、家庭での時間を有効に使う上でも、大切なことであると考える。 |