平成25年度佐賀県小・中学校学習状況調査及び全国学力・学習状況調査を活用した調査Web報告書

Web報告書もくじⅣ 教師意識調査結果の分析


教師意識調査結果の分析
                                       教師意識調査の全てのグラフ(Ⅱ 教師像共通グラフへ)
4 学校組織マネジメントに対する意識

教育活動の具体的な内容について共通理解が図られていると回答したり、気軽に話し合える雰囲気があると回答したりした教師の割合は増加する傾向が見られた。[図1、図3]

教師の目的の共有化と教師間の連携や協力体制が充実している学校ほど、正答率が高くなる傾向がみられた。[図2-1、図2-2、図4-1,図4-2]

 

ここでは、学校組織マネジメントに対する意識について、教育活動方針の理解、方針や内容についての共通理解、職員間の雰囲気の状況から分析する。

なお、学校スコアによるグループ比較においては、小学校5年生と中学2年生の結果を基に考察することとする。

   
「あなたは、学力向上や生徒指導など教育活動の具体的な内容についての学校の方針を理解していますか」について
 

 

図1 学力向上や生徒指導など学校方針を理解している割合(経年比較)

 

平成25年度の調査結果において、学力向上や生徒指導など教育活動の具体的な学校方針について「理解している」「どちらかといえば理解している」と回答した教師に割合は、小学校が99.0%、中学校が97.7%であった。小学校と中学校を比較してみると、「理解している」と回答した割合は中学校が小学校より15ポイント上回っている。経年比較で見ると、「理解している」と回答した教師の割合は小学校、中学校共に増加している。図1]

     

  

図2-1  学力向上や生徒指導など学校の方針に対する理解度と教科別平均正答率(小学5年生)   図2-2 学力向上や生徒指導など学校の方針に対する理解度と教科別平均正答率(中学2年生)

 

この設問で、AグループとBグループの教科別平均正答率を比較すると、小学校においては、Aグループが全ての教科においてBグループの平均正答率を上回っている。中学校においては、Aグループの社会、数学、理科、英語の4教科がBグループの平均正答率を上回っている。[図2-1][図2-2]

   
   
「あなたの学校では、教育活動の方針や具体的な内容について、学校全体で共通理解が図られていると思いますか」について
 

 

図3 教育活動の方針や具体的な内容についての共通理解が図られている

        割合(経年比較)

  

平成25年度の調査結果によると、学校全体で共通理解が図られているかについて「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した教師の割合は、小学校が97.8%、中学校が92.9%であった。小学校と中学校を比較してみると、「そう思う」と回答した割合は、小学校が中学校を17.0ポイント上回っている。経年比較でみると、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した割合は、平成23年度から年々増加している。[図3]

     

  

図4-1  学力向上や生徒指導など学校の方針に対する理解度と教科別平均正答率(小学5年生)   図4-2 学力向上や生徒指導など学校の方針に対する理解度と教科別平均正答率(中学2年生)

この設問で、AグループとBグループの教科別平均正答率を比較すると、小学校においては、Aグループが全ての教科でBグループの平均正答率を上回っている。中学校においては、Aグループの社会、数学、理科、英語でBグループの平均正答率を上回っている。[図4-1][図4-2]

   
   
これからの指導に向けて
   
 

学校組織マネジメントに対する意識との関連

学力向上や生徒指導などの指導に当たる場合は、学校全体で指導の具体的な内容について共通理解を図ることが大切である。今回の調査から見ても、教師の目的の共有化と教師間の連携や協力体制が充実している学校ほど、正答率が高くなる傾向であった。今後、小学校、中学校共に学校組織マネジメントを充実させ、学力向上や生徒指導の具体的な内容について共通理解を図り、1つの目的に向かって全教師が共通した指導を行うことができるようにしたいと考える。


最終更新日:2013-10-21