平成24年度佐賀県小・中学校学習状況調査及び全国学力・学習状況調査を活用した調査Web報告書

Web報告書もくじⅣ 教師意識調査結果の分析


教師意識調査結果の分析
                                       教師意識調査の全てのグラフ(Ⅱ 教師像共通グラフへ)
4 学校組織マネジメントに対する意識

教育活動の具体的な内容についての学校の方針を理解していると回答した教師は9割を大きく上回っており、増加する傾向が見られる。[図1]

平成24年度の調査結果において、教育活動の具体的な内容についての共通理解が図られていると回答した教師は9割を上回っており、増加する傾向が見られる。[図3]  

 

この節では、教育活動方針の理解、方針や内容についての共通理解について問うことにより、教師の学校組織のマネジメントに対する意識を把握する。

なお、学校スコアによるグループ比較においては、小学校、中学校の最高学年である小学6年生と中学3年生の結果を基に比較することとする。

   
「あなたは、学力向上や生徒指導など教育活動の具体的な内容についての学校の方針を理解していますか」について
 

図1 学力向上や生徒指導など学校の方針を理解している割合(経年比較)

平成24年度の結果を見てみると、「理解している」「どちらかといえば理解している」と回答をした小学校教師の割合は99.6%であり、同じ回答をした中学校教師の割合は98.0%である。小学校と中学校のほとんどの教師が、学力向上や生徒指導など教育活動の具体的な内容についての学校の方針を理解していることが分かる。

経年比較で見ると、小学校、中学校共に「理解している」「どちらかといえば理解している」と回答した教師の割合に大きな変化は見られないが、「理解している」と回答してた教師の割合については、毎年増加する傾向にあることが分かる。[図1]

図2-1 学力向上や生徒指導など学校の方針に

              に対する理解度と教科正答率(小学6年生)

  

図2-2 学力向上や生徒指導など学校の方針に

              に対する理解度と教科正答率(中学3年生)

この設問においてAグループとBグループの教科別平均正答率を比較すると、小学校と中学校ともにAグループの平均正答率が高くなっている。特に、中学3年生の国語Bや理科では、5.0ポイント近く上回る結果である。[図2-1][図2-2]

   
「あなたの学校では、教育活動の方針や具体的な内容について、学校全体で共通理解が図られていると思いますか」について
 

図3 教育活動の方針や具体的な内容についての共通理解が図られている割合(経年比較)

平成24年度の結果を見てみると、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答をした小学校教師の割合は96.5%である。同じ回答をした中学校教師の割合は90.4%である。小学校と中学校のほとんどの教師が、教育活動の方針や具体的な内容について、学校全体で共通理解が図られていると思っていることが分かる。経年比較で見ると、小学校、中学校共に大きな変化は見られないが、「そう思う」と回答した教師の割合を見ると、小学校では平成22年度から平成23年度にかけて増え、中学校では平成23年度から平成24年度にかけて増えている。各学校において、共通理解を図りながら指導に当たろうという意識の向上がうかがえる。[図3]

図4-1 教育活動の方針や具体的な内容について

              の共通理解度と教科正答率(小学6年生)

  

図4-2 教育活動の方針や具体的な内容について

              の共通理解度と教科正答率(中学3年生)

この設問においてAグループとBグループの教科別平均正答率を比較すると、小学校では、AグループとBグループで大きな差は見られないが、多くの教科でAグループの教科別平均正答率が高くなっている。中学校では、全ての教科で中学校ともにAグループの教科別平均正答率が高くなっている。教育活動の方針や具体的な内容について共通理解を図っている学校ほど、正答率が高くなっている。[図4-1][図4-2]

   
これからの指導に向けて
 

学校組織マネジメントの充実を
学校としての課題を解決していくためには、教師間の共通理解を図り、学校全体で取り組むことが大切である。そのため、学校組織マネジメントの充実は不可欠である。たとえ教師一人一人が、教育活動の方針や内容を理解していても、教師間の共通理解が図れていなければ、教育効果はなかなか向上しない。今回の調査結果を、学校組織マネジメントの視点から見た場合、少しずつではあるが向上する傾向にあり、おおむね良好であるといえる。これは、学校全体で教育に取り組む風土が醸成されていることの表れであると考えられる。また、学校の方針の共通理解が、学力向上によい影響を与えていることが分かる。これからも、時間や場を工夫して設定し、教育活動の方針や具体的な内容について共通理解を図ることが大切である。


最終更新日: 2012-10-15