平成24年度佐賀県小・中学校学習状況調査及び全国学力・学習状況調査を活用した調査Web報告書

Web報告書もくじⅣ  児童生徒意識調査結果の分析


児童生徒意識調査結果の分析
                                         児童生徒意識調査結果の分析に関わる全てのグラフ

1 学校生活

 

「友達に会うのは楽しい」及び「学校で落ち着いて勉強することができている」と回答した児童生徒の割合は、小学校、中学校ともに全体の9割を越えている。[図1][図3]
全ての学年において、「友達と会うのは楽しい」、「落ち着いて勉強することができている」と回答している児童生徒ほど、平均正答率が高くなっている。[図2][図4]

「教科の勉強が好きだ」と感じている児童生徒の割合は、国語の小学6年生、中学3年生、算数・数学の小学6年生において増加している。[図5][図6]


 

ここでは、児童生徒の学校生活についての調査結果を述べる。具体的には、学校生活の楽しさや学習状況の設問について分析した。

   
「友達に会うのは楽しい」について
 

     図1 「友達に会うのは楽しい」の回答の割合

「そう思う」と回答した児童生徒の割合は、小学5年85.5%、小学6年78.8%、中学1年88.4%、中学2年82.3%、中学3年76.4%となっている。「どちらかといえばそう思う」と回答した児童生徒の割合を合わせると、小学生、中学生ともに、どの学年も9割を越えている。特に、中学1年では98.5%と最も高い割合である。[図1]

     図2 「友達に会うのは楽しい」の回答状況と正答率

回答状況と全教科平均正答率との関連を見ると、全ての学年において、「そう思う」と回答した児童生徒の平均正答率が最も高くなっている。「友達と会うことが楽しい」と回答した児童生徒ほど、平均正答率が高くなっている。[図2]

   
「学校では落ち着いて勉強することができている」について
 

  図3 「学校では落ち着いて勉強することができている」の回答の割合

「そう思う」と回答した児童生徒の割合は、小学5年42.0%、中学1年53.9%、中学2年37.5%となっている。「どちらかといえばそう思う」と回答した児童生徒の割合を合わせると、小学5年では87.7%、中学1年では94.3%、中学2年では88.2%である。中学1年では94.3%と最も高い割合である。[図3]

 

図4 「学校では落ち着いて勉強することができている」の回答状況と正答率

回答状況と全教科平均正答率との関連を見ると、全ての学年において「そう思う」と回答した児童生徒の平均正答率が最も高くなっている。「落ち着いて勉強することができている」と回答した児童生徒ほど、平均正答率が高くなっている。[図4]

   

「教科の勉強が好きだ」について

 
① 国語について
図5 「国語の勉強は好きだ」の回答の割合

平成24年度の小学6年における「当てはまる」の割合は、2.5ポイント増えている。中学3年においても「当てはまる」の割合は1.1ポイント増えているが大きな変化は見られない。平成23年度では「教科の勉強が好きだ」との回答が減っているという課題があった。そのことを考慮すると、今後も指導改善が必要となってくる。[図5]

  ② 算数について
 

  

図6 「算数・数学の勉強は好きだ」の回答の割合

小学6年生においては、「当てはまる」の割合が3.7ポイント増えている。しかし、中学3年生においては、「当てはまる」の割合が3.1ポイント減っている。そのことからすれば、中学3年生においては指導改善が必要となってくる。[図6]

   
これからの指導に向けて
 

「友達に会うことの楽しさ」や「落ち着いた学習への取り組み」について「そう思う」と回答した児童の平均正答率が最も高くなっている。このことから、友達に会ったり、落ち着いて学習できたりするなどの学級づくりと学力の定着については関係があると考えることができる。クラスが落ち着き、友達どうしが互いに認め合ったり、励まし合ったりしていくことで学習への意欲も高まっていくことが考えられる。そのため、学級経営を基盤とした授業づくりが必要である。平成24年度の「国語の学習は好きだ」においては「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の回答率が増加したが大きな変化は見られなかった。算数・数学においては、小学6年と中学3年を比較すると、中学3年になると好きな教科が減っていくという結果がでている。理由として学習内容が増えることや難易度が上がることが挙げられる。好きな教科がある児童の平均正答率が最も高くなっているため、教科を好きになるような指導を考えていくことが大切である。


最終更新日: 2012-10-15