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ここでは、児童生徒の家庭学習についての調査結果について述べる。具体的には、家庭学習の時間と学習の内容や仕方について、平成23年度と平成24年度の経年比較(同一学年及び同一児童生徒)と、平成24年度の回答の状況と全教科平均正答率との関連について述べる。 |
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ア |
「学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日あたりどれくらいの時間、勉強しますか」についての経年比較(同一学年及び同一児童生徒) |
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図1 「普段、1日あたりどれくらいの時間、勉強しますか」の
回答状況の経年比較 |
学習時間については、中学校においては、学年が上がるごとに増加する傾向が見られる。同一学年の経年比較については、「3時間以上」「2時間以上、3時間より少ない」と回答した児童生徒の割合は、小学5年と中学1年は増えていた。1時間以上していると回答した児童生徒の割合は、小学5年、小学6年、中学1年、中学3年は増えていた。全学年において1時間より少ないと答えた児童生徒の割合は、平成23年度同様に4割程度となった。同一児童生徒の経年比較については、1時間以上していると回答した児童生徒の割合は、小学6年から中学校3年まで増えていた。[図1]
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図2 「普段、1日あたりどれくらいの時間、勉強しますか」の回答状況と
平成24年度全教科平均正答率
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「普段、1日あたりどれくらいの時間、勉強しますか」の回答状況と平成24年度の全教科平均正答率との関連から、小学6年、中学1年、中学2年については、勉強する時間が長い児童生徒ほど平均正答率が高くなっている。[図2] |
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イ |
「土曜日や日曜日など学校が休みの日に、1日あたりどれくらいの時間、勉強しますか」についての経年比較(同一学年及び同一児童生徒)
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図3 「休みの日に、1日あたりどれくらいの時間、勉強しますか」の
回答状況の経年比較
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2時間以上していると回答した児童生徒の割合は、学年が上がるごとに増えている。同一学年の経年比較については、2時間以上していると回答した児童生徒の割合が、小学6年、中学1年、中学3年が増えていた。全学年において、1時間より少ないと回答した児童生徒の割合は、平成23年度同様に3割から4割程度となった。同一児童生徒の経年比較については、2時間以上または1時間以上していると回答した児童生徒の割合は、小学6年から中学校3年まで増えていた。[図3]
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図4 「学校が休みの日に、1日あたりどれくらいの時間、勉強しますか」の
回答状況と平成24年度全教科平均正答率 |
「学校が休みの日に、1日あたりどれくらいの時間、勉強しますか」の回答状況と平成24年度の全教科平均正答率との関連から、小学6年生、中学2年生、中学3年生については、勉強時間が長ければ長いほど平均正答率が高くなっている。[図4]
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ウ |
「自分で計画を立てて勉強している」についての経年比較(同一学年及び同一児童生徒) |
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図5 「自分で計画を立てて勉強している」の回答状況の経年比較 |
小学5年から小学6年、中学1年から中学3年と学年が上がるごとに、「している」「どちらかといえば、している」と回答した児童生徒の割合が減っていた。同一学年の経年比較については、小学5年、中学1年、中学2年の「している」「どちらかといえばしている」と回答した児童生徒の割合が増えていた。同一児童生徒の経年比較については、中学1年生の「している」「どちらかといえば、している」と回答した生徒の割合が増えていた。[図5]
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図6 「自分で計画を立てて勉強している」の回答状況と平成24年度全教科平均正答率 |
「自分で計画を立てて勉強している」の回答状況と平成24年度の全教科平均正答率との関連から、全学年において、「予習をしている」と回答した児童生徒ほど平均正答率が高くなっている。[図6]
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エ |
「学校の宿題をしている」についての経年比較(同一学年及び同一生徒児童) |
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図7 「学校の宿題をしている」の回答状況の経年比較
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小学6年から中学3年まで学年が上がるごとに、「している」と回答した児童生徒の割合が減っていた。同一学年の経年比較では、小学5年、小学6年、中学1年、中学2年の「している」と回答した児童生徒の割合が増えていた。同一生徒の経年比較では、小学6年、中学1年の「している」「どちらかいえば、している」と回答した生徒の割合が増えていた。[図7]
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図8 「学校の宿題をしている」の回答状況と平成24年度全教科平均正答率 |
「学校の宿題をしている」の回答状況と平成24年度全教科平均正答率との関連を見ると、全学年において、「している」と回答した児童生徒ほど平均正答率が高くなっている。[図8]
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オ |
「学校の授業の予習をしている」についての経年比較(同一学年及び同一児童生徒) |
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図9 「学校の授業の予習をしている」の回答状況の経年比較 |
学校の授業の予習について、中学1年の「している」「どちらかといえば、している」と回答した生徒の割合が最も多い。同一学年の経年比較については、小学5年、中学1年、中学2年の「している」「どちらかといえば、している」と回答した児童生徒の割合が増えていた。同一児童生徒の経年比較については、中学1年の「している」「どちらかといえば、している」と回答した生徒の割合が増えていた。[図9]
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図10 「学校の授業の予習をしている」の回答状況と平成24年度全教科平均正答率 |
「学校の授業の予習をしている」の回答状況と平成24年度全教科平均正答率との関連を見ると、「している」と回答している児童生徒ほど平均正答率が高くなっている。[図10]
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カ |
「学校の授業の復習をしている」についての経年比較(同一学年及び同一児童生徒) |
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図11 「学校の授業の復習をしている」の回答状況の経年比較
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学校の授業の復習について、中学1年生の「している」「どちらかといえば、している」と回答した生徒の割合が最も多い。同一学年の経年比較については、小学5年、中学1年、中学2年の「している」「どちらかといえば、している」と回答した児童生徒の割合が増えていた。同一児童生徒の経年比較については、中学1年の「している」「どちらかといえば、している」と回答した生徒の割合が増えていた。[図11]
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図12 「学校の授業の復習をしている」の回答状況と平成24年度全教科平均正答率 |
「学校の授業の復習をしている」の回答状況と平成24年度全教科平均正答率との関連を見ると、「している」と回答している児童生徒ほど平均正答率が髙くなっている。[図12] |
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○ |
これからの指導に向けて |
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1日あたりの家庭学習の時間についての児童生徒の経年比較では、各学年における学習時間の割合は、ほほ同程度で、家庭学習の時間が増えていないのが現状である。自分で計画を立てて勉強をする児童生徒、特に学校の宿題、予習や復習をしている児童生徒ほど全教科平均正答率が高い傾向が見られた。そのため、自分で家庭学習の計画を立てて学習に取り組むことができるようにする必要がある。児童生徒が家庭学習の計画を考える時間を設定し、その際に、宿題、予習や復習に取り組む時間を確保し、計画的に実施することができるよう無理のない計画を立てさせるようにすることが大切であると考える。当たり前のことに当たり前に取り組むことができる児童生徒の育成を図りたい。宿題については、発達の段階に応じて、宿題の質や量、チェックの仕方、家庭学習に対する意識のもたせ方、保護者との連携の図り方等、再度家庭学習に関して見直し、改善を図って行く必要がある。
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