|
ここでは、授業中に「話し合う活動をよく行っているか」「他の人に説明したり、文章に書いたりすることは難しいと思うか」という設問を通して、平成23年度と平成24年度の児童生徒の経年比較(同一学年及び同一児童生徒)の授業中における表現活動に関する意識の状況と、平成24年度の回答状況と全教科平均正答率との関連について調査結果を述べる。 |
|
|
|
|
ア |
「普段の授業では、児童(生徒)の間で話し合う活動をよく行っていると思う」についての経年比較(同一学年及び同一児童生徒) |
|
 |
図1 「授業では、話し合う活動をよく行っていると思う」の回答状況の
経年比較 |
小学5年から小学6年、中学1年から中学3年と学年が上がるごとに、「当てはまる」と回答した児童生徒の割合が減っていた。同一学年の経年比較では、小学5年、中学1年、中学2年において、「当てはまる」「どちらかといえば、当てはまる」と回答した児童生徒の割合が増えていた。同一児童生徒の経年比較では、小学6年から中学3年までは、「当てはまる」と回答した児童生徒の割合が減っていた。[図1] |
|
 |
図2 「授業では、話し合う活動をよく行っていると思う」の回答状況と
平成24年度の全教科平均正答率
|
「授業では、話し合う活動をよく行っていると思う」の回答状況と平成24年度全教科平均正答率との関連を見ると、明確な関連は見られないが、全ての学年に共通して、授業でよく話し合う活動を行っていると思うことに対し、「当てはまらない」と回答している児童生徒の平均正答率は、他の回答をした児童生徒に比べ、低くなっていた。[図2]
|
|
|
イ |
「学校の授業などで、自分の考えをほかの人に説明したり、文章に書いたりするのは難しい」についての経年比較(同一学年及び同一児童生徒) |
|
 |
図3 「授業などで、自分の考えを表現するのは難しい」の回答状況の経年比較 |
中学1年から中学3年まで、学年が上がるごとに、「難しいと思う」と回答した生徒の割合が増えていた。しかし、同一学年の経年比較では、全ての学年で「難しいと思う」と回答した児童生徒の割合は減っていた。同一児童生徒の経年比較では、中学校の全学年において、「難しいと思う」と回答した生徒の割合が増えており、自分の考えを表現するのが難しいと思う中学生の割合が増える傾向にある。[図3] |
|
 |
図4 「授業などで、自分の考えを表現するのは難しい」の回答状況と平成24年度の全教科平均正答率
|
「授業などで、自分の考えを表現するのは難しい」の回答状況と全教科平均正答率との関連から、学年を問わず「難しいと思う」と回答した児童生徒の平均正答率が最も低くなっている。小学5年、小学6年、中学1年については、「難しいと思わない」「どちらかといえば、難しいと思わない」と回答している児童生徒ほど、平均正答率が高くなっている。[図4]
|
|
|
|
|
○ |
これからの指導に向けて |
|
児童生徒の意識調査の経年比較と教科平均正答率の結果より、毎日の授業の中で、最低1回は自分の考えをかく時間とかいたものを説明する時間を必ず確保することが大切であると考える。自分の考えを説明したり、文章にかいたりすることが難しいと思っている児童生徒に対しては、選択式を取り入れたり、グループ活動を取り入れたりして自分の思いや考えを表現する場のハードルを低く設定し、選択した理由についても説明させることで自分の思いや考えを表現することに慣れさせる必要があると考える。
|
最終更新日: 2012-10-15