生活をよりよくしようとする生徒を育てる問題解決的な学習の進め方を提案します! |
2 研究の実際 |
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(1)理論研究 |
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A協同学習について |
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○ 協同学習とその基本的構成要素 |
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杉江氏によると、協同学習は、ジョンソン,D.W.らによって開発された小集団を活用した教育方法で、生徒が共に課題に取り組むことによって、自分の学びと互いの学びを最大限に高めようとするものです。 集団内の促進的な相互依存関係を基に、協同的な学びをうまく機能させるためには、次の5つの基本的構成要素を満たす必要があると述べています。
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『協同学習入門 基本の理解と51の工夫』 杉江修治 p.37
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○ グループのタイプと相対的な成果 |
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ジョンソン,D.Wらの考えをまとめると、以下のようになります。 協同学習においては、グループを組ませれば、それが協同グループになるわけではありません。学習グループやプロジェクト・グループ、実験グループなど、様々なグループがありますが、それらは必ずしも協同的なものではなく、グループの組み方次第で、グループでの成果が変わってくるということです。図は、グループの違いによって成果が違ってくるということを示した成果曲線です。成果曲線には、4つのタイプの学習グループが描かれています。図は、個別のメンバーからスタートして、見せかけのグループ、伝統的な教室グループ、協同学習グループ、高い成果を生む協同学習グループの4つのタイプにおける、生徒の相対的な成果を表したものです。 図 グループの成果曲線 『【改訂新版】学習の輪−学び合いの協同教育入門−』 ジョンソン,D.W.他 p.104 |
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ア 見せかけのグループ |
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一緒に作業するためにメンバーは割り当てられていますが、生徒は共に活動することに何らの関心ももち合わせていないケースです。学習で得たものをメンバー間で共有するような相互交渉が行われないため、グループの成果は個人レベルよりも低いものになります。その結果、個々のメンバーの潜在力の合計よりも、全体の方が劣ることになります。メンバー同士が互いに興味をもち、グループの将来に関与することがないため、成熟したグループにはなりません。 |
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イ 旧来のグループ |
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メンバーが一緒に活動してはいても、相互依存性が低いため、その活動から何らの恩恵も得ることができないケースです。メンバーは他の仲間の学習に責任を感じることもないし、情報を共有したり、課題の達成方法を明確化するための相互交渉をもとうともせず、それぞれが自分自身で作業を進めます。 |
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ウ 協同学習グループ |
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メンバーが互いの学習を最大限にするという共通の目的を追求しているグループです。それは、部分を合計した以上のものを皆で築くということを意味しています。 |
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エ 高い成果を生む協同学習グループ |
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協同学習の5つの基本的構成要素を満たすとともに、メンバーに与えられた応分の期待を上回る成果が得られるグループです。優れた成果は、メンバー同士やグループの目標追求に対する高い関与度が反映された結果です。 |
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グループによる活動が効果的な場合もあれば、効果が出ない場合もあります。ジョンソン,D.W.らによると、グループの効果を阻む潜在的な障壁としては、次のような要因があるといっています。
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これらの要因の特徴を理解し、改善する必要がありますが、協同学習の基本的構成要素によって解消することができるとしています。 |
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ここで述べてきた協同学習の理論研究を基に、家庭科分野の授業での話合い活動において、グループの大きさや編成方法、教室の座席配置を考慮したり、グループの成長を図ったりして、学習効果を上げられるように工夫することとしました。 |
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