これからの算数科学習指導について提案します!

 小学6年 「円の面積」  5/5時の学習プラン 
                〜 式を読み取り、面積の求め方を説明しよう 〜
  1 本時の目標
   ○  面積を求めた式を読み取り、どのようにして求めたのかを考える。
 
【数学的な考え方】
  2 算数的活動について
 
(ア)
応用する活動として、の円や三角形などに着眼させ、既習の面積の求め方を用いて図形の面積の求め方について考えさせる。
(イ)
説明する活動として、 面積を求めた式から考え方を読み取らせ、図や式や言葉を用いて説明させる。
   
  3 本時の展開
 
過程
学 習 活 動
指導上の留意点(・)、評価規準と評価方法(◎○)
算数的活動(◇)、ICT利活用(◆)
つかむ
 前時までの学習を振り返る。
 円の面積や円の半分の形の面積の求め方について、掲示物等を用いて振り返らせる。
 本時の問題を知り、課題を捉える。
 

 
「電子黒板を用いた問題提示の様子」
電子黒板で問題の図を提示し、図の中にどのような形を見付けることができるかを考えさせる。
〔PowerPoint資料〕
   
問題の図の面積を求めた3つの式(Aさん、Bさん、Cさん)を提示し、本時は他者の考えた式を読み取る学習であることを伝える。

[問題]

Aさん、Bさん、Cさんが、次の図の色を付けた部分の面積の求め方を紹介しました。どのような求め方をしたのか、式を読み取り、図や言葉を使って説明しましょう。

〔Aさん〕
 78.5−50=28.5
 28.5×2=57

    答え 57cu
〔Bさん〕
 100−78.5=21.5
 21.5×2=43
 100−43=57
     答え 57cu
〔Cさん〕
 78.5+78.5−100=57
           答え 57cu
式を読み取り、面積の求め方を説明しよう。
見通す
 解決の見通しをもつ。
式の100、78.5、50の数値はどこの部分の面積を表しているのかを考える。
 
   「正方形」
の円
 
    「直角二等辺三角形」
既習の面積の公式を用いることで、すぐに求められそうな部分について考えさせ、 の円が隠れていることに気付かせる。
100は正方形の面積、78.5は半径10pの円のの面積、50は直角になる2つの辺の長さが10pの直角二等辺三角形の面積であることについて、既習の面積の公式を用いて計算させて確認する。
 
 
「既習事項の確認のために用いたスライド」
自力解決
 自力解決をする。
Aさん、Bさん、Cさんの面積を求めた式を読み取り、図や式や言葉を用いて表す。
   
  《予想される児童の考え》
Aさんの式について、図をかき、式と関連付けて考える。
 
   
Bさんの式について、図をかき、式と関連付けて考える。
 
Cさんの式について、図をかき、式と関連付けて考える。
 
   
 
 
「ICTを用いてヒントを示している様子」
既習の面積の公式(円や三角形など)を用いて、複雑な図形の面積の求め方について考えさせる。(ア)
 
   
   
A、B、Cの3人の中で、自分が取り組みやすい考えから式を読み取らせる。また、この後の学び合いにおいて、友達に考えを分かりやすく説明させるために、ノートに図や式や言葉を用いて記述させる。
 
   
自力解決が困難な児童には、ヒントコーナーで操作活動をさせる。ヒントコーナーには、正方形、の円、直角二等辺三角形の具体物を用意し、重ね合わせることで形の組み合わせ方を考えることができるようにする。
 
 
「ヒントコーナーに準備した具体物」
   
   
   
   
   
 面積を求めた式から考え方を読み取り、図と式を結び付けて説明している。
             【数学的な考え方】(観察、ノート)
A 2つ以上の考え方の式を読み取り、図や式や言葉を用いて面積の求め方について記述している。
B 1つの考え方の式を読み取り、図や式や言葉を用いて面積の求め方について記述している。

〔「努力を要する」状況(C)と判断した児童への指導〕
  Aさんの式について、ヒントになるようなアニメーションを見せ、図と式を関連付けさせる。
〔PowerPoint資料:Aさんの式〕
学習活動の観察や授業後のノート記述の分析を基に、全員を対象とした評価を行い記録に残す。
学び合い
 自分の考えをグループで説明し合う。
図や式や言葉を関連付けて、考えたことを互いに伝え合う。
 
 
「友達と説明し合う様子」
図と式を対応させながら説明をさせ、相違点や類似点を見付けさせる。(イ)
   
友達と考えを交流して相互評価をさせたり、自分にない考えはノートにメモをさせたりする。(イ)
   



 全体の場で、それぞれの考え方について話し合う。
   
 
 
「全体の前で説明する様子」
電子黒板を用いて児童のノートを拡大提示し、それを使いながら説明させる。
AさんからCさんまでの3つの考え方について、図と式を対応させながら発表させるようにする。
重なる部分を抜き取る方法(Cさんの式)については、電子黒板を用いてパワーポイントのアニメーションを見せ、理解を促す。〔PowerPoint資料:Cさんの式〕
〔PowerPoint資料:Aさんの式〕
〔PowerPoint資料:Bさんの式〕
 
 
「理解を促すために用いたスライド」
まとめる
 本時の学習をまとめる。
  複雑な形の面積も、形の組み合わせ方を考えると、これまでに学習した面積の公式を使って求めることができる。
   
 適用問題を解く。
 
   
 本時の学習を算数日記にまとめる。
  《児童が実際に書いた算数日記の例》
 

複雑な形の面積も、既習の図形を組み合わせて考えると、既習の図形の面積の公式を用いて求められることに気付かせる。
   
適用問題を解かせ、本時の学習内容の定着を図る。
   
理解が不十分な児童が多い場合は全体指導を、少ない場合は個別指導を行い、本時の内容を理解させる。
   
授業で分かったことや感想、これから気を付けたいことや更に調べてみたいことなどを書かせるようにする。
 
   

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