次 |
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学習過程 |
指導のポイント |
第1次 |
見通しをもつ |
○全文を読んで感想を書く。
○形式段落、意味段落、場面などに分ける。
○学習計画を立てる。
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◆ねらいは、全文を読ませることによって、何について書かれた文章なのか、どんな話なのかなどを大きくとらえさせることである。ここで書かせた感想は、学習計画を立てる際に用いる。
◆文章の構成や物語の展開をつかませるために行う。説明的な文章でいう筆者の論理の展開や主張、文学的な文章でいう主題について考えていく際にも必要である。
◆ねらいは、児童に目的意識をもたせ、学習に意欲的に取り組ませるよう、何のために教材を読んでいくのかを明らかにさせることである。教師は、どのような言語活動を行うことで力を付けていくのかを明確にし、しっかりもっておくことが必要である。 |
第2次 |
習得し活用する |
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◆児童の発達の段階や言語能力、教材の特性などに応じた言語活動を設定し、意欲的に学習を進めることができるように内容を考える。(学習指導要領解説などを参考に) |
説明的な文章 |
◆時間や事柄の順序、段落相互の関係、筆者の述べ方の工夫などについて読み取る活動を通して、筆者の論の展開に迫る。
【低学年】
・「問い」と「答え」の文末表現に着目させることで、基本構造を読み取らせる活動を仕組む。 |
【中学年】
・「問い」と「答え」との間に具体的な例などが示されているという基本構造を、具体的な例を整理させていくことで読み取らせる活動を仕組む。 |
【高学年】
・「問い」「具体例」「答え」の記述の後に「まとめ」「筆者の主張」が書かれているという基本構造を読み取らせる活動を仕組む。さらに、「具体例」と「筆者の主張」を押さえながら筆者の論の展開について考える活動も合わせて仕組む。 |
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文学的な文章
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◆構成、表現、視点、人物、文体について読み取らせる活動を仕組む。
【低学年】
・時、場、人物を明らかにする。
・クライマックス場面を明らかにし、話の筋をとらえる。
・反復や対比の関係をとらえる。
・感覚表現、色彩語、比喩、倒置、省略などの表現をとらえる。
・中心人物の人物像の変化や心の転換点をとらえる。
・話者の語り口の特徴をとらえる。 |
【中学年】 低学年の内容に加え
・作者と話者を区別する。
・人物同士の関係や、状況の説明、時代背景などから登場人物の人物像や心情をとらえる。
・文末表現、余情表現、常体と敬体、文の長さなどの表現などの効果を明らかにする。 |
【高学年】 低・中学年の内容に加え
・視点(1人称視点や3人称視点など)を考え、その効果を明らかにする。
・作調(喜劇、悲劇、幻想など)を明らかにする。 |
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◆交流する場面において
何を「視点」に交流させるかをはっきりさせておかないと深まりのない交流になってしまう。
授業のめあてに沿った「視点」をもたせることが重要になる。 |
第3次 |
○身に付いた力を活用して、自分の課題に向かう。
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◆本単元で身に付けた力を中心に活用する活動を仕組む。第1次で立てた学習目標の最終目的がここの活動になる。児童が、ここでの活動のために教材文を読み解き、そこから学んだ知識・技能を活用して表現できるよう、単元全体の計画を仕組むようにしたい。 |
ポイント |
◆第2次の学習で児童が獲得した力を活用して、課題を解決するために、思考し、判断し、表現する力を育てるために行う。
@活用させる力を明確にする。
A日常生活の場面を想定する。
B課題を明確にもたせる。
以上のことに配慮して学習過程に位置付ける。
◆表現を行わせる上で、相手意識や目的意識をもたせることはたいへん重要である。常に相手や目的などを意識させるように心掛けたい。
◆「書くこと」、「話すこと・聞くこと」領域との関連を図りながら、教師が、それぞれの領域の身に付けている力も活用させる意識や視点をもっておく。
【例】
段落の構成(問い→例示→答え)や文末表現、接続語などの表現の方法を活用して、本の紹介文を書く活動に取り組む。 |
第
4
次 |
振り返る |
○単元で身に付いた力について、自己評価したり、相互評価したりする。 |
◆第2次で習得した知識・技能を第3次の発表したり、紹介したりするなどの活動で活用できているのかを振り返らせる。
◆「読むこと」と「書くこと」などのように、2領域以上の指導目標がある場合は、それぞれの領域ごとの振り返りが必要である。 |