・ 集団の雰囲気
・ 友達との関係
・ 自己存在感
・ 授業への意欲
・ 教師との関係
学校で子どもたちが安心して過ごすために
集団の状態に応じた支援の在り方を探る
平成19年度 佐賀県教育センター プロジェクト研究 人間関係づくり研究委員会

研究のねらい
  学校で子どもたちが安心して過ごすためには,集団の中で居心地のよい人間関係や自己存在感を体感できることが必要です。
  そのためには,集団の中で,子ども同士の人間関係が良好であるか,教師と子どもの関係はどうか,子ども一人一人の自己存在感の状態はどうであるかを教師が把握し,その状態に応じて適切な支援をしていくことが大切だと考えます。
  そこで本研究では,集団における次の5つの項目

    
について状態を把握し,それに応じた支援を考え実践することで,子どもたちが安心して過ごせる人間係づくりを進めることができるのではないかと考えました。



※自己存在感とは,生徒指導における三機能(自己存在感,共感的人間理解,自己決定)の一つで,「集団の中で自分を価値ある存在として感じることができること(自己肯定感,有用感,所属感,成就感)」ととらえました。
 
研究の進め方
 
今年度は,集団内の人間関係や子どもの自己存在感を把握するための質問紙(「集団の状態を把握するためのシート(がばいシート)」)を作成しました。中学・高校においては,部活動での人間関係のトラブルが原因で登校を渋る生徒の実態もあり,クラスの状態だけでなく,部活動の状態についても把握するシートを作成しました。
  そこでまず,県内の小・中・高等学校の児童生徒に対して,学校で安心できると感じる具体的な状況や場面を把握するためのアンケート(「安心できる人間関係に関する意識調査」)を実施しました。その結果を参考に,シートの質問項目を考えました。
  さらに,シートの結果から,集団(クラス)の状態や個人の状態を把握し,それに応じた支援を考えることができるよう,「支援のポイント」について検討しました。
  部活動も含めた,集団の状態に応じた具体的な支援案については,次年度,継続研究する予定です。

   
がばいシートのダウンロードはこちらから

研究の成果
  集団の状態を把握するためのシートの活用によって,集団(クラス,部活動)の状態や個人の状態を客観的に把握することが可能になりました。教師が気付かなかった問題点も,データから明らかになります。
  また,その結果を基に,適切な集団や個への支援の在り方を考え実践することで,不登校やいじめ,学級崩壊といった問題を予防することができると考えます。