支援1 文字パズルの活用
平仮名筆順カード
@OHPシートに平仮名1文字を書く。

A筆順毎に別のOHPシートに書く。

B手本を見ながら,字型のバランスに気をつけながら,筆順毎のOHPシートを重ねる。
漢字分解カード

【ステップ1】

@OHPシートに漢字1文字を書く。

A筆順毎に別のOHPシートに書く。

B手本を見ながら,字型のバランスに気をつけながら,筆順毎のOHPシートを重ねる。

※漢字を構成する簡単な漢字を用いて,そのバランスや形の習得を目的とする。
【ステップ2】

@OHPシートに平仮名1文字を書く。

A漢字を構成するまとまり毎にOHPシートに書く。

B手本を見ながら,字型のバランスに気をつけながら,まとまり毎のOHPシートを重ねる。

※漢字を構成するまとまりに意識させ,それが合わさったものという考え方での漢字の習得を目的とする。
へんとつくり合体カード
【同じへんの漢字】
@同じへんの漢字を集める。

A同じ大きさの用紙に集めた漢字を書く。

Bそれぞれの漢字のへんとつくりを切り分け,どのような漢字ができるか考える。
【違うへんの漢字】
@いろいろな漢字を集める。

A同じ大きさの用紙に集めた漢字を書く。

Bそれぞれの漢字のへんとつくりを切り分け,どのような漢字ができるか考える。

C合わせてできた漢字を組み合わせて熟語を作る。
  • 文字を書くことへの苦手さをあるため,漢字への関心も低かった。国語の時間においては,音読を通して読める漢字も増えてきていたが,それ以外のものになると,うまく読めなかったり,書けなかったりした。そこで,今回は,漢字を読むことに重点を置き支援を行った。
  • 「平仮名筆順カード」では,一画一画の位置や交わりを手本を見ながら操作したことで,平仮名の形を捉えることができるようになった。その結果,書く文字もバランスのとれた文字になってきている。
  • 「漢字分解カード」では,1年生や2年生の漢字で複雑な漢字を構成しているものを中心に,その習得をねらった。平仮名同様に,一画一画の位置や交わりなどに気をつけることで,正しくバランスのとれた字になってきている。また,ステップ2を通して,漢字が簡単な部品の集まりとして作られていることに気付くことができ,自分なりの方法で漢字を覚えようとする姿が見られるようになった。
  • 「へんとつくり合体カード」では,へんと作りに分けたカードを用い,ゲーム感覚で取り組んでいた。同じへんのつく漢字を本などから探して,自分で問題を考える様子も見られた。また,熟語にも関心を持ち,違うへんの漢字を集めて,問題の作成も行っていた。


以上のように,苦手な書く活動を行わずに文字の習得を図ったことで,少しずつではあるが,漢字への関心が高まり,自分から学び得ようとする姿が見られるようになっている。A児の苦手さを習得の術として活用せずに,A児の取り組みやすい方法を活用することに効果を感じることができた。