集団を避けるタイプの要因や背景の主なものとしては,下のようなことが考えられます。 | |
心理的不安 | 他人からの評価が気になったり,失敗することを恐れたりする気持ちが強くなると,教室にいても表情や動きがかたかったり,集団の中に入ることや集団での活動を避けることがあると考えられます。思春期を迎えると,自分が他人からどう見られているかに敏感になるため,小学校より中学校の方がこの傾向が強まると考えられます。 |
劣等感 | 自分が他人よりも劣っているという感情(劣等感)は多くの人がもっている感情です。しかし,劣等感が強まると,集団内で自分の価値を見いだすことができなくなり,教室にいても表情や動きがかたかったり,集団の中に入ることや集団での活動を避けることがあると考えられます。思春期を迎えると,自分の身体,容姿,能力,性格などを他者と比較するようになるため,小学校より中学校の方がこの傾向が強まると考えられます。 |
非行傾向 | 非行傾向が強くなると,規範意識が薄れたり,学習意欲が低下したりします。また,他の学級や学校外での交友関係が強まることもあります。そのため,授業に出ない,教室に入らないなど,集団の中に入ることを避けるようになると考えられます。 |
登校渋り | いじめの場合,いじめられている児童生徒は集団内で一方的に精神的・身体的苦痛を受けています。いじめられている児童生徒はその苦痛を避け自分を守るために,集団の中に入ることを避けたり,教室にいても表情や動きがかたかったりすることがあると考えられます。 |
発達障害 | 発達障害の特徴の中には,仲間を作ることや他人と興味を共有することが苦手で対人関係よりも物に対する興味の方が強かったり(自閉的傾向),LDの二次的な障害のために対人関係上の問題を抱えていたりする場合があります。友達とうまく遊べなかったり,クラスに溶け込めなかったりすると,教室にいても表情や動きがかたかったり,集団の中に入ることや集団での活動を避けることがあると考えられます。 |
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集団の中に入ることや集団での活動を避ける傾向が強いタイプだと思われます。教室に入らず保健室や相談室でずっと過ごしているのがこのタイプの代表的な児童生徒だと思われます。この傾向は小学校のときより中学校の方が強まるようです。教室にいても表情や動きがかたかったり,保健室に行くことが多かったりする場合はこのタイプの可能性が高いと考えられます。 また,授業に遅れたり,授業に出なかったりすることもあると思われます。集会や集合などのときに自分の列に並ばず,列の後方にいたり,集団とは少し離れた場所にいたりすることも考えられます。また,修学旅行や運動会等の行事に参加しないことなどもこのタイプの特徴だと考えられます。 中学校の場合,生活や学習に関してしなければならないことをしない傾向を併せもっていることもあります。グループでの学習活動に参加しなかったり,掃除や給食当番をしなかったりすることなども考えられます。 |