引っ込み思案や恥ずかしがりだったり,対人関係が苦手だったりするために,一人でいることが多いタイプだと思われます。また,周囲から避けられているために一人になっているということも考えられます。グループに入れず一人になることが多く,休み時間に一人で遊んだり,教室移動を一人でしたりすることが多いのではないでしょうか。
 教室で担任のそばに来たり,休み時間に職員室や保健室へ来たりすることが多く,同学年の児童生徒とのかかわりが少ないのもこのタイプの特徴だと思われます。また,休み時間をほとんど読書などをして過ごす児童生徒もこのタイプである可能性が高いと思われます。
孤立するタイプの要因や背景の主なものとしては,下のようなことが考えられます。
内向的性格  控え目で,思慮深く行動の決定の際に迷いやすい特徴をもち,また他人からの評価に敏感なため,絶えず周りが気になり,グループなど集団の中でスムーズに行動できないことがあります。そのことが原因で孤立していくこともあるようです。また非社交的なため,周りの友達の誘いに対して適切な反応ができず,周りの友達が少しずつ離れていくことが考えられます。
身なりや衛生面  他の児童生徒に比べ,いつも服装等身なりがきちんとできていなかったり,不衛生であったりするため,周りの友達が一緒に勉強したり,遊んだりすることを嫌がり,少しずつその子から離れていく場合が考えられます。
いじめ  いじめられている児童生徒にかかわった児童生徒がいじめの対象になることもあります。そのため,周囲がいじめられている児童生徒にかかわらなくなる場合が考えられます。
自己中心的な性格  他人の視点から自分や物事をとらえることが難しいため,学校生活において,常に自分が正しいと判断することが多く,友達の意見を取り入れることが少なかったり,自分がどう見られているかを考えることがうまくできなかったりしているようです。つまり,対人関係能力がきちんと身に付いていないので,友達に嫌な思いをさせ,少しずつ周りから孤立していくと考えられます。
発達障害  発達障害の特徴の中には,遊ぶときにルールが理解できなかったり,みんなとうまく合わせられなかったりする(知的な遅れ),周囲の刺激に反応しやすく,衝動的な行動をすることが多い(ADHD),周りの空気が読めなかったり,手先が不器用で友達とうまく遊べなかったりする(LD),仲間を作ることや他人と興味を共有することが苦手で対人関係よりも物に対する興味の方が強い(自閉的傾向),ということがあります。そのため,周囲とのかかわりが少なくなったり,周囲から避けられるようになると考えられます。