落ち着きがなく,多動性・衝動性が高いタイプだと思われます。自分の思いをそのまま行動に出しやすいので,対人関係上のトラブルを起こしやすく,周囲からは,自己中心的で,攻撃性が高いと見られてしまうタイプです。
 人一倍エネルギーをもっていて,授業中,じっと座っておくことができなかったり,席を離れたり,時には教室を飛び出したりすることも多いのではないでしょうか。また,ちょっとしたことで大声を出したり,泣いたり,暴れたりすることもあると思われます。友達とのけんかやトラブルなどが多いのもこのタイプの特徴だと思われます。非行傾向のある児童生徒もこのタイプに含まれる可能性があります。
自己コントロール力が低いタイプの要因や背景の主なものとしては,下のようなことが考えられます。
自己中心的な性格  他人の視点から自分や物事をとらえることが難しく,また,自分の要求や感情に思考が流されやすい性格のため,自分の思いをそのまま行動に出してしまうと考えられます。また,対人関係上のトラブルを起こしやすく,周囲からは自己中心的と見られてしまうと考えられます。
家庭に関すること  家庭において,食事や睡眠などの家庭生活のリズムが崩れていたり,家族関係等で安心して生活できない状態だったりした場合,不安定な気持ちをうまく処理できずにいると考えられます。そのため,対人関係上のトラブルを起こしやすく,中には非行や問題行動という形でサインを出すこともあると考えられます。
発達障害  発達障害の特徴の中には,周囲の刺激に強く反応しやすく,衝動的な行動をすることが多い(ADHD),聞く,話す,読む,書く,計算する,推論する能力のうち特定の能力の習得に著しい困難がある(LD),強いこだわりがあり,興味の対象ではないことには全く興味を示さない(自閉的傾向),ということがあります。そのため,授業中じっと座っておくことができない,教室を飛び出す,指示されたことが理解できない,実際に作業をしてみるとうまくいかない,ということが見られると考えられます。また,二次的な障害で自己肯定感が低下したり,落ち着かなくなったりする場合も考えられます。