話さないタイプの要因や背景の主なものとしては,下のようなことが考えられます。 |
語彙力・表現力 |
会話の中で適切な言葉が見つからなかったり,言葉のつなげ方が分からなかったりすると,相手に自分の気持ちが正しく伝わりくにくくなります。その結果,話すことに自信がなくなったり,伝わらないとどうしようという気持ちになったりして,次第に話をしなくなると考えられます。また,うまく話そうという気持が強くなると,かえって緊張し,チックや吃音などの二次障害を引き起こすことも考えられます。 |
内向的性格 |
控え目,思慮深く行動の際に迷いやすい特徴をもち,また,他人からの評価に敏感なため,絶えず周りが気になっていると考えられます。そのため,集団の中でどちらかというと聞き役が多く,反応があまりないので,周りもだんだん発言を求めることをしなくなり,話すチャンスが少なくなると考えられます。 |
心理的緊張 |
学校で何かをしようとするとき,他人の目を気にしすぎたり,自分に自信がなかったりすることで,過度に緊張を起こしていることが考えられます。そのため,人前で注目されたり発表をしたりする場面で,話ができなくなると考えられます。 |
選択性緘黙 |
選択性緘黙ということも考えられます。選択性緘黙とは,特定場面においてのみ言葉を発しない状態です。その要因としては,心的外傷経験,知的な遅れ,遺伝的背景,過度の小心などがあると言われています。 |
いじめ |
いじめの場合,いじめられている児童生徒は集団内で一方的に精神的・身体的苦痛を受けています。そのため,いじめられている児童生徒は集団にいることが不安になります。また,いじめられることへの不安から表情がかたくなったり,話せなくなったりすると考えられます。 |
家庭に関すること |
家庭において,会話が少なかったり,一人で食事をしたり,テレビやゲームの時間が多かったりすると,学校でもなかなか言葉を使おうとしないと考えられます。また,家族関係等で悩んだり,親と離れるのが不安な気持ちがあったりして,自分の気持ちを表現することが難しい状態になっている場合も考えられます。 |