学習上つまずきがあるタイプの要因や背景の主なものとしては,下のようなことが考えられます。 | |
劣等感 | 自分が他人よりも劣っているという感情(劣等感)は多くの子どもがもっている感情です。特に,学習に関しては,学年が上がるにつれて内容が難しくなるため,劣等感が生じやすくなります。そのため,学習意欲が低下したり,授業中にぼんやりしたりすることが多くなってくると考えられます。特に思春期を迎えると,自分を他者と比較するようになるため,小学校より中学校の方がこの傾向が強まると考えられます。 |
忘れ物 | 忘れ物が日常化し,学習用具や宿題を忘れたまま授業を受けることが多くなると,授業中にぼんやりしたり,授業について行けなかったりすることがあると考えられます。 |
いじめ | いじめられている児童生徒は集団内で一方的に精神的・身体的苦痛を受けています。そのため,学校生活全般にわたって不安が大きくなり,学習に身が入らず,授業中ぼんやりしたり,表情や動きがかたかったりすることがあると考えられます。 |
家庭に関すること (生活リズムの乱れ, 家庭学習の習慣) |
食事や睡眠などの基本的な生活習慣や家庭学習の習慣が身に付いていなかったり,家族関係等で安心して生活できない状態だったりする場合は,授業中にぼんやりしたり,何もしようとしなかったりすることがあると考えられます。 |
学校に関すること (教師や級友との関係) |
教師の教え方,学校・学級の状態,教師や友人との関係における悩みや不安などが,学習の取り組み方や教科の得手不得手に影響することがあると考えられます。 |
発達障害 | 発達障害の特徴の中には,知的な遅れのために学習内容が理解できない(知的な遅れ),聞く,話す,読む,書く,計算する,推論する能力のうち特定の能力の習得に著しい困難がある(LD),人の話を聞いておらずにボーッとしている,ちょっとした刺激にも気が散ってしまう(ADHD),強いこだわりがあり,独特な得意分野や興味のあることがある一方で,そうでないことことには全く興味を示さない(自閉的傾向),ということがあります。そのため,学習内容についていけなかったり,怠けているわけではないのに学習の手順が分からなかったり,時間内に課題を仕上げられなかったりすることがあると考えられます。 |
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授業中にぼんやりしたり,何もしようとしなかったりすることが多いタイプだと思われます。忘れ物や課題の未提出がしばしば見られ,教師が何度注意してもそれが改善されないことも多いのではないでしょうか。また,怠けているわけではないのに学習の手順が分からなかったり,時間内に課題を仕上げられなかったりすることもあると思われます。 このタイプには,学力が低く授業についていけなかったり,学習意欲が低かったりする子が多いようです。教科によって取り組み方の差が大きいことも特徴の一つであると思われます。 |