《単元名》
生き物が暮らしやすい場所をつくろう!
 
子どもたちの意識の流れ
 子どもたちは,田んぼの中でゆっくり時間を過ごしているとき,心地よい風,そよそよと流れる小川,かわいらしい草花,温かい土などと出会う。特に,小川や草原にいる生き物には目を引かれる。生き物を捕まえると,飼いたくなる。そのようなとき,生活科の経験から水槽で育てようとする子どももいるが,もっと他の育て方がないか考える子どももいる。ビオトープのことを紹介すると,子どもたちは作ってみたいという意欲にかられる。どのようにして作ったらいいのだろう,どこに作ろうかなあ,どんな生き物を飼おうかなあなど子どもたちは考え始める。
 
 
生き物が暮らしやすい場所を作ろう!(全29時間)
   
予想される学習活動(子どもの意識の流れ) 時間 教師の指導・支援
  ・ いろんな生き物がいるなあ
・ 今度は生き物図鑑を持ってきて調べてみたい
  なあ
・ もっと田んぼで遊びたいなあ
・ 田んぼの近くの小川の水はきれいだなあ
・ 他の田んぼでも生き物をつかまえたいなあ
 
  生き物が暮らしやすい
           場所を作ろう!
 
 これからどんなことをしたらいいか
                   出し合おう!
 
個人でのウェビング
学級全体でのウェビング
 
 したいこと(課題)を整理しよう!
  
予想される課題 
 
○ ビオトープについて調べよう    
 
○ 田んぼに住む生き物について調べよう  
 
○ 生き物が住みやすい池を作ろう(設計図)  
 
○ 田んぼの植物(草花)について調べて植えよう
 
○ ビオトープを作る場所を探そう
  
○ 必要な道具や材料をそろえよう
 
○ 田んぼや小川に住む生き物を捕まえよう
           ・ 
           ・
           ・
 
 何から取り組んだらいいか考えよう!
 
 ゴールを考えた計画を立てよう!
個人による計画(完成予想図)
学級全体での計画(話し合い)
 
1 ビオトープについて調べる
    本,インターネット,地域の人に聞く
 
2 ビオトープを作る場所を探す
 
3 どのようなビオトープを作るか話し合う
  
4 ビオトープに必要な材料や道具をそろえる
 
5 みんなで力を合わせてビオトープを作る
    〜役割(作業)の分担〜
 
6 田んぼや小川に住む生き物や植物について
  調べる 
 
7 水を入れる 
  
8 生き物を捕まえる 植物を採取する
 
9 生き物をビオトープに入れて観察する
 
10 ビオトープを維持する
  
 ゴール(課題解決)を目指して活動しよう!
  
一人一人の役割の確認
  
 活動を見直そう!
 
ビオトープ作りに取り組む中で,いいアイデアや変更点,疑問点などがあれば,出し合おう 
 
 修正して,活動を続けよう!
 
 だれを招待したいか考えよう!
 
何を目的としているのか考えよう
どのよううなことを伝えるか考えよう
調べたことを発表しよう 
準備をしよう
説明する練習をしよう 
 
 ようこそ,わたしたちのビオトープへ!
 
招待した人から感想を言って(書いて)もらおう
  
 ビオトープの中の自然を観察しよう!
 
 ビオトープを守ろう!
 
 自分がビオトープ作りから学んだことを,
          自分の言葉でまとめよう!
 
凝縮ポートフォリオ作成
 
 
 
 これまでの自分の活動を振り返ろう!
   
ポートフォリオを使った評価
友達との相互評価
 
 学習したことを家族にも報告しよう!
 
 
  
   
日常生活
 
 家庭での時間 
 田んぼで遊ぶ(過ごす)時間をできるだけ多くとることにより,子どもの興味・関心を高めたり,深めたりする。 
  
 この単元でどんな学びがあるのか,どんな力が身に付くのか,具体的に説明しておくことで,学習への意欲を高める。
 

 子ども一人一人の興味・関心や意欲をみるために,ビオトープを中心に置いたウェビングをさせる。
 
 学級で一つのウェビングに仕上げるときは,一人一人の意見を取り上げることができているか留意しておく。
 
 課題を達成させるためにどのようなことに取り組むといいのか一人一人に考えさせるために,時間を十分確保する。
 
 学習したことをどのような方法で人に伝えるかを意識させながら計画を立てさせる。
 
 
 
  
 
 

 
 学級で大きな一つの課題に向かって学習を進めていることを確認することで,どんな課題に対しても自分の課題として考えるように心掛けさせる。
 
 ビオトープを作る場所については,学校に近い場所や水が確保しやすい場所など,あらかじめ子どもたちに設置条件を考えさせておく。
 
 できるだけ生き物を死なせたり,植物を枯らせたりしないように,生き物や植物については,十分本やインターネット等を利用して調べさせておく。
 
 ビオトープは完成させるまでの過程も大切であるが,それとともに完成した後のビオトープの維持についても十分な気配りが必要である。
 
 教師による言葉掛けや地域の人の協力,学習環境の工夫などにより,ビオトープ作りを通して,自然環境についても考えさせる。 
 
 
 自分の計画に基づいて学習を進めているか,一人一人の状況を把握しておく。 
 
 活動を進めていく中で,気になるところについて意見を出し合ったり,よりよい方法を教え合ったりする。  
 
 招待する人の年齢や人数,説明する場所等を考えた上で,どのような説明の仕方がよいのか考えさせる。
 リハーサルでは,説明の内容面からと説明の仕方など技術面から考えて,アドバイスをするように伝える。
 
 子どもたちがそれぞれ学習してきたことを,ビオトープに来てくれた人や友達など,できるだけ多くの人に評価してもらうようにする。
  
 
 
 単元を通して学んだことを,自分やグループの学習ファイルなどを参考にさせながらまとめさせることにより(凝縮ポートフォリオ作成),自分の学びを確認させるとともに自分の成長に気付かせる。
 
 これまでの自分の学習の足跡をまとめたファイル(ポートフォリオ)を使って,子ども一人一人と対話をしながら評価を行う。その際,この単元で子どもが身に付けた力(身に付きつつある力)を認めてやるとともに,子ども(自分自身)が課題を達成することができたという達成感,満足感,成就感を味わわせるように賞賛する。