不登校等生徒との関係づくりの実態に関するアンケート結果
当教育センター講座受講の高校教師104名について不登校等生徒との関係づくりの実態に関するアンケートを行いました。
アンケート結果によると,ほとんどの教師が不登校等生徒と主に担任としてかかわったことがあり,具体的には,出席状況および進級などの今後の見通しを話したり,できるだけ相手の話を聴こうとしたりするかかわり方をしています。
 にもかかわらず,不登校等生徒とかかわるときに一番困ることとしては,「生徒とのコミュニケーションがうまくとれない」ことがあげられています。
 また,教育相談的なかかわり方としての,コラージュやスクイグルゲーム,構成的グループエンカウンターなどの方法はほとんどの教師が知らないという事がわかりました。
これらのことは,私たち高校教師が言語的コミュニケーションに頼っており,非言語的コミュニケーションを含む「話す」「聞く」以外のかかわり方をあまり知らないことが原因として考えられます。また,「時間がない」に象徴されているように,生徒にかかわる時間を作り出すにも苦慮する状況があり,コミュニケーションを促進させるような方法を知るための時間や,知っていてもそれを実施する時間をなかなかとることができない状況があることを示しているようです。
しかし,そのような状況にありながらも,より深い関係を築きたいと考える教師は何らかの方法を知り,コミュニケーションツールとして利用したいのではないでしょうか。しかも,現状を考えると,その方法は,比較的短時間で実施方法を理解でき,授業の空き時間などに実施できるような方法である必要があります。さらには,高校教師は心理面の専門家ではないので,そのような教師にでも実施できるような方法となってくると考えます。 
 不登校等生徒との関係づくりの実態に関するアンケート結果(データ)
 (不登校等生徒とは,不登校の生徒および別室登校の生徒とします。)
1.不登校等生徒とかかわったことがありますか
ほとんどの先生が不登校等生徒とかかわったことがある。
「かかわったときの立場」については,「担任」「教科担当」「教育相談担当」この3つの立場でのかかわりがほとんどである。
「どのようなかかわり方をしましたか」については,学校側からの情報提供的なもの,生徒からの情報収集的なものの割合が高くなっている。
また,生徒とコミュニケーションをとろうとするものも高くなっている。しかし,一緒に何かをやるというケースは非常に少ない。
2.不登校等生徒とかかわるとき困ることはどんなことですか。
  当てはまるものが複数あれば一番困ることから3つあげてください。
1位のみでは,「生徒とのコミュニケーションがうまくとれない」が最も多かった。1位,2位,3位合計では,「進級・卒業について」や「かかわる時間がない」など学校制度上の問題で困っていることがうかがえる。
3.生徒とのコミュニケーションの方法として次のようなものを知っていますか。
  また,使ったことがありますか。
コラージュ


認知度が低く,これを使って生徒とかかわったことはほとんどない。
スクイグルゲーム


さらに,認知度が低く,これを使って生徒とかかわったことはほとんどない。
構成的グループエンカウンター


10年経験者研修で扱われた内容であるため内容を知っている率が高くなっているが,これを使ってかかわったことはほとんどない。