発達段階に応じたねらいと配慮(中学校)
中学校前半(1〜2年) 中学校後半(2〜3年)
【ねらい】 ◎ この時期は小学校から中学校へという大きな環境の変化があり,新しい世界への期待と同時に緊張や不安も大きい時期です。まずそういう緊張や不安,ストレスを解消することができると思われます。その後定期的に行うと,コミュニケーションの活性化,あたたかい人間関係づくりに有効です。

◎ 初めは個人コラージュでしっかり自己表現させます。心のリラックスと,シェアリングを通して他者とのコミュニケーションを促進することになります。

◎ 1学期後半から2学期の,友達同士の関係性ができた時期を見はからってグループコラージュを取り入れてみるのもよいでしょう。2人から4人くらい(ねらいによってはもっと多数のこともある)のグループで1つの作品を作ることで,制作の段階から心の交流が促進されます
○ 思春期を迎え,自我の確立に向けて心理的葛藤が起きる時期です。また進路の選択という現実に直面し,自己を見つめることも必要になってきます。自己表現の場を与え,そのようなことから出てくる心理的ストレスを解消し,心を落ち着け,じっくり自己と向き合う時間を作ることが第一のねらいとなるでしょう。

○ もう1つのねらいは,他者との関係性を深めることです。個人コラージュのシェアリングやグループコラージュの制作を通して,心の交流をさせたいものです。他者との関係性の深まりにより,自己理解・自己受容を促し,現実と向き合い,これからの生き方を考える力にもつながることでしょう。

【留意点】 事前                                  
○ もう自分で好きな雑誌を購入する子も多く,だいたい自分で持ってくることができます。持ってきた雑誌で,個人の好みや興味の対象などが分かります。しかし極端な興味(たとえば猟奇的なものなど)を示すものもあるでしょう。持ってくる雑誌に関しては中学生なりの判断力をはたらかせるよう,指導したいものです。

作成にあたって
                             
○ したがらない子どもには,無理にさせることはしません。他の子を見ていることで癒されることもあるでしょう。また他の子が制作している様子を見ながら,何かを感じ,気持ちが動き,「やってみようかな」という気になるかもしれません。               
○ シェアリングでは他の人の作品についてちゃかしたり,批判的なことを言ったりはしないようにします。