○ 学習指導案    小学校第3学年 「 英語活動 」

1 単元名 「野菜や果物で遊ぼう」(平成15年10月実施,40名)
                                        授業実践者:伊万里市立伊万里小学校
                                                 教諭 出雲 令子
                                                 ALT Clear Lee

2 単元とその指導について
 本学級では,平成15年4月に英語活動を始めた。これまでに,NHK学校放送番組「えいごリアン」のビデオやCDを使って,「あいさつ」,「名前は何?」,「数を尋ねる」,「体の部分の名前」などの表現に触れさせてきた。子どもたちも,少しずつ英語活動の楽しさを味わうようになってきている。そこで,本単元では,果物や野菜の名前などを取り扱い,これまで以上に体を動かして楽しめるゲームを取り入れることによって,それらに関する語彙と英語表現を広げることをねらいとする。さらには,相手の好みを尋ねたり,自分の好みを答えたりする英語表現を通して,ALTや友達との交流を楽しもうとする態度を培うことも主なねらいとしている。
 本学級の児童は,英語活動の時間をとても楽しみにしている。「えいごリアン」のビデオに出てくる表現は,初めて耳にするものばかりであるが,楽しい映像や分かりやすいアニメーションで構成されているこの番組を毎回楽しみながら見ている。番組の登場人物に合わせて発音したり,歌ったりすることにはまだ抵抗があるようだが,回を重ねるにつれて一緒に体を動かしながら楽しめるようになってきている。簡単な単語については,ゲームで取り扱ううちに聞いて理解できるようになっているが,自信を持って口に出すことまではできていない。しかしながら,3年生という段階から考えると,聞いて理解するということができれば十分だと考える。
 1学期は,ビデオやCDを使って担任のみで行う英語活動が中心だったが,9月からは,伊万里市のALTであるクリア先生と一緒に活動できるようになり,クリア先生の話や発音に目を輝かせて聞きながら,更に楽しく活動している。
 今回は,3時間取扱いの単元を構成し,すべてALTとのTTという授業形態で進める。
 単元構成のポイントとしては,単語から,センテンス,そしてコミュニケーション活動への発展を意図したところにある。まず,果物や野菜の語彙とそれらの語彙を使ったセンテンスパターンを導入するが,その際は,単なる繰り返し練習やパターンプラクティスのような練習ではなく,子どもたちが楽しめるゲームを通して,自然に英単語・英語表現に触れるように配慮する。また,それらの表現を使って,子ども同士がコミュニケーション活動を楽しめるような単元を計画した。
 いずれの場合も,ALTによるリズムチャンツなどで英語独特のリズムを感じ取らせたい。また,ALTには英語の発音練習だけをお願いするのではなく,子どもたちとに交流を楽しませるようなコミュニケーションパートナーとしての役割を期待するものである。担任とALTの両者で児童の積極的な活動に対して数多くの賞賛の言葉をかけることを心掛け,コミュニケーションへの意欲付けをしていきたい。

3 単元の目標
 ゲームを通して,果物や野菜の英語表現に親しませる。
 簡単な英語表現に慣れさせ,英語活動の楽しさを体験させる。
 英語活動を通して,カナダからのALTであるクリア先生との交流を楽しませる。

4 単元の計画
 (全3時間)
@  野菜や果物の英語で遊ぼう(1)
 (HRT,ALT)
・ 果物の英語表現に触れる。
  apples/bananas/cherries/lemons/oranges/peaches/
  pears/pineapples/strawberries/melons
・ 単語さがしゲームを楽しむ。
・ ビンゴゲームを楽しむ。
・ "Do you like 〜."という表現に触れ,"Yes." "No."で答え ることにより,自分の好みを表現する。
A  野菜や果物の英語で遊ぼう(2)
 (HRT,ALT)
・ 野菜の英語表現に触れる。
  carrots/onions/potatoes/pumpkins/tomatoes/
  watermelons
・ フルーツバスケットを楽しむ。
・ カルタ取りゲームを楽しむ。
・ 友達に好みを尋ねるインタビューゲームをする。
B  どちらが好きか尋ねてみよう。 《本時》
 (HRT,ALT)
・ 好きなものを尋ねたり,それに答えたりする英語表現に慣れる。
  "What's this?" "(Apples.)"
  "Which do you like?" "This one."
  "Here you are." "Thank you."
・ メモリーゲームを楽しむ。
・ ジャンケンゲームを楽しむ。



 第1時目の学習活動
 (1) 目標
  ア  ゲームを通して,果物を表す英語表現に慣れる。
  イ  "Do you like 〜?" という表現に触れ,質問に対して,"Yes." "No."で答えることにより,自己表現をすることができる。

 (2) 準備
野菜や果物を表す単語の絵カード,ビンゴシート,ハエ叩き,好き嫌いを表情で表した札
 (3) 展開
児童・生徒の活動 教師の指導と支援(A:ALT H:HRT)
 担任やALTとあいさつをする。




 英語であいさつをし,英語活動の楽しい雰囲気をつくる。
 "Good morning (afternoon), everyone."
 "How are you?"
 自分の今の気持ちとして,"I'm fine / good / hot / cold / hungry / tired)." などと答えさせる。
 英語の歌を歌う。
 ♪ あいさつの歌

 子どもたちと一緒に歌を歌う。
 CDの操作をする。
 果物の英語表現に触れる。
 絵カードを使い,果物を表す英語表現に触れさせる。
 apples/bananas/cherries/lemons/oranges/
 peaches/pears/pineapples/strawberries/
 melons
 単語さがしゲームを楽しむ。
・クラスをいくつかのグループに分ける。(1チーム6〜7人が適当)
・黒板に単語カードを貼り,各グループの先頭の児童は,ALTが言った果物の単語を表すカードを見付け,ハエ叩きで叩く。一番早くカードを叩いた児童のチームに1点を与える。



 ALTとデモンストレーションをすることにより,ゲームの方法を理解させる。
 果物の単語を言う。
 点数をつけたり,児童の支援をしたりする。
 ビンゴゲームを楽しむ。
・3×3のビンゴシートを配り,出てきた果物の絵をランダムに描かせる。
・ALTは絵カードを適当に引き,その単語を英語で言う。
・縦,横,斜めに1列そろったらビンゴとなる。




 ゲームの方法を英語で説明し,ビンゴシートの準備をさせる。 
 必要があれば,補足説明をし,児童がゲームの方法を把握したか確認する。
 果物の単語を言う。
 自分の好みを表現する。
・児童は「好き」「嫌い」を表情で表した札を作っておく。(好き=ニコニコマーク,嫌い=ムッツリマーク)
・ALTは,"Do you like apples?"などと尋ねていき,児童はマークを見せながら,"Yes."か"No."で自分の好みを答える。




 ALTとデモンストレーションをすることにより,"Do you like 〜?"というセンテンスの機能をつかませる。
 児童に,"Do you like apples?"などと尋ねていき,好みを答えさせる。
 "Yes."と答えた児童の数を数えるなどして,学級の傾向を表に示すことも考えられる。
 終わりのあいさつをする。

 英語であいさつをし,楽しい雰囲気のまま終わる。
 "Good bye, everyone. See you next time!"
 (4) 評価
   ア  楽しんでゲームに参加し,果物の英語表現に親しむことができたか。
   イ  自分の好みを,"Yes.""No."で表現することができたか。



 第2時目の学習活動
 (1) 目標
   ア 
   イ 
 ゲームを通して,野菜を表す英語表現に慣れる。
 野菜や果物を表す単語の英語らしい音に触れ,カタカナ発音との違いを体感する。
 (2) 準備
 果物や野菜を表す単語の絵カード,ハエ叩き,インタビューシート
 (3) 展開
児童・生徒の活動 教師の指導と支援(A:ALT H:HRT)
 担任やALTとあいさつをする。

 全員であいさつをする。
 "Good afternoon, everyone."
 "How are you?"−"I'm (fine/good/hungry).
 英語の歌を歌う。
 ♪ Fruits song

 子どもたちと一緒に歌を歌う。
 CDの操作をする。
 野菜の英語表現に触れるとともに,前時に出てきた果物の英語表現にも慣れる。
 絵カードを使い,野菜や果物を表す英語表現に触れさせる。
 carrots/onions/potatoes/pumpkins/tomatoes/
 watermelons
 apples/bananas/cherries/lemons/oranges/
 peaches/pears/pineapples/strawberries/
 melons
 フルーツバスケットを楽しむ。
・児童一人一人に果物の名前を1つか2つずつ割り当てたのち,輪になって座らせる。。
・真ん中のオニが言った果物を割り当てられた児童は,自分の席を替わる。
・座れなかった児童が次のオニになる。


 ゲームの説明を英語でする。
 必要があれば補足説明をし,児童がゲームの方法を把握したか確認する。
 カルタ取りゲームを楽しむ。
・果物の絵カードのセットをグループの数だけ用意し,各グループでカルタ取りの要領で楽しませる。
・ALTが果物の英単語を言う。



 ゲームの説明を英語でする。
 必要があれば補足説明をし,児童がゲームの方法を把握したか確認する。
 安全のために,児童一人一人にハエ叩きを持たせた方が望ましい。
 インタビューゲームをする。
 果物や野菜の名前のうち3種類ぐらいを選び,それらを好きか嫌いかをクラスの友達に聞いて回る。"Yes."と答えたら○,"No."と答えたら×をインタビューシートに記録する。




HA
 ALTとデモンストレーションを行い,ゲームの方法を理解させる。
 好みを尋ねるときの表現,"Do you like 〜?"という表現を練習させる。
 ゲームの方法が把握できたか確認する。
 うまく活動できていない児童の支援をする。 
 終わりのあいさつをする。

 英語であいさつをし,楽しい雰囲気のまま終わる。
 "Good bye, everyone. See you next time!"
 (4) 評価
   ア  楽しんでゲームに参加し,野菜や果物の英語表現に慣れることができたか。
   イ  野菜や果物を表す英語の音に慣れることができたか。



 第3時目の学習活動
 (1)目標

 ゲームを通して,野菜や果物の英語表現に親しませる。
 好みを聞いたり答えたりというALTとの会話を通して,英語によるコミュニケーションの楽しさを味わわせる。
 (2)準備
   果物や野菜の絵カード,CDプレーヤー,キーボード
 (3)展開
児童・生徒の活動 教師の指導と支援(A:ALT H:HRT)
 あいさつをし,体を動かしながら,英語の歌を楽しむ。
  ♪ One Little Finger





 全員であいさつをする。
  "Good afternoon, everyone."
  "How are you?"−"I'm (fine/good/hungry).
 一緒に体を動かしながら歌を歌い,楽しい雰囲気づくりをする。
 CDの操作をする。
 リズムチャンツで,前時までに出会った英語表現を振り返る。







 子どもたちの活動を観察し,元気よく正確に発音できているときには大いにほめる。
 キーボードでリズムを流し,自信がない子どもやリズムに乗れない子どもの支援をする。
apples/bananas/cherries/lemons/oranges/peaches/
pears/pineapples/strawberries/watermelons/melons
carrots/onions/potatoes/pumpkins/tomatoes
 メモリーゲームを楽しむ。
・4〜5人のグループに分かれ,野菜や果物のカードを使い,神経衰弱の要領でゲームをする。
AH



 ゲームの仕方を,英語で説明をする。
 子どもたちの様子を観察し,必要であれば,補足説明をする。
 生活班で楽しませる。
  "What's this?"−"(Apple)."
 グループを見て回り,一緒に楽しむ。
 ジャンケンゲームを楽しむ。
・一人5枚ずつのカードを持ち,どのカードがほしいかを友達に尋ねる。
・ジャンケンをし,勝った方が相手からカードをもらえる。



 スキットを見せ,ゲームのルールを説明する。
  "Which do you like?"
  "I like 〜."
  "Here you are."
  "Thank you."
 終わりのあいさつをする。

 元気よく終わりのあいさつをする。
  "Good-bye, class."
  "See you!"
 (4) 評価
   ア  楽しく活動に参加することができたか。
   イ  友達と英語でコミュニケーションをとることができたか。