素材例
 ここに挙げている資料は,実話をもとに作ったものです。資料づくりにおいては,以下のHP等を参考にしています。

「いわき地域人権啓発活動ネットワーク協議会」http://www.jinken.go.jp/fukushima/area_iwaki/area_iwaki.html
「巡回カウンセラーのホームページ 教育相談ニュース」http://www.hokuriku.ne.jp/koudai/contents.html
「保護局 犯罪予防活動」http://www.moj.go.jp/HOGO/index.html
「いじめ撲滅ネットワーク」http://members.jcom.home.ne.jp/i-network/
「TOSS道徳」http://www1.odn.ne.jp/yuki-peko/doutoku/ijime.htm
(自分に対するいじめに立ち向かった事実 ー低学年用ー)

「いじめをなくすためにも」            
 私は小学校一年生のときいじめにあいました。下校の班に入れてもらえなかったり,物を隠されたりして,学校に行きたくないと,泣きわめいたこともありました。
 何日たってもいじめは終わらなかったので,私は泣きながら「いじめないで」と何度も何度も叫んだのです。すると次の日からいじめは終わり,みんなとも仲良くなれました。いじめを終わらせるには,ただ終わるのを待つのではなく,自分から,「いじめないで」と言わなくてはだめだということがよく分かりました。
 いじめに立ち向かうことは,とても難しいことです。でもつらいいじめに耐えるよりも,勇気を持っていじめに立ち向かったほうがいいと私は思います
(自分に対するいじめに立ち向かった事実 ー高学年用ー)

<たたかわないといけない場合だってある>  
 私は中学校に入ってすぐに,バスケットボール部に入部しました。ある日のことです。練習をしようと思ってボールかごを見てみると,わずかに1個だけボールが残っていました。
 そのボールを取ろうとした時,ボス的な存在の1年生A君が来て「そのボール,俺のだぞ。ボールに印がついているだろう」と私に言ったのです。
 ボールをみると,印らしきものはついていましたが,A君がつけたものかどうかはわかりません。ちょっとびくびくしながらも「悪いけど,僕が先に取ったのだから」と言って,私はボールを持っていきました。
 そのときからでした。私に対するいじめが始まったのは。A君の命令で私は仲間外しをされ,練習相手をしてくれる1年生は誰もいなくなりました。
 ある日の練習の休憩時間のことです。A君の話の中に私の話題が出たのです。「1年生でバスケットが一番ヘタなのは,迫田だよな。」みんなで私のことをどっと笑うのです。私はとうとうこらえきれずに,「そんなに,俺のことをバカにせんでもよかろう」とA君に言いました。するとA君は「何を!」と言って私に飛びかかってきました。
 私もA君に向かっていきました。力では完全に負けるものの,気迫だけは負けませんでした。私は泣きながらも,A君へ向かうことをやめませんでした。
 しばらくして「もういい。許してやる」と言いながら,A君は私への攻撃をやめました。それからは,私へのいやがらせがなくなりました。ときには,いじめと闘わないといけない場合だってある。私は今,そう思います。
(いじめられている友だちをこっそり応援した事実 ーいじめられている子に対してー)

小学校4年生の時,いじめがはやりました。いじめられていたのは,私の友だちでした。
 わたしはいじめには加わりませんでしたが,いじめている子と帰り道が同じだったので,悪口に付き合わなくてはなりませんでした。悪口を聞くのはいやでしたが,「やめようよ」と言う勇気が私にはありませんでした。それは,自分がいじめられることが怖かったからです。
 でも,見て見ぬふりだけはしたくありませんでした。そこで,わたしは陰で支えることにしたのです。「一人じゃないよ,何かあったら私に相談して」と言ったり,いじめている子に見つからないようにこっそり遊んだりしました。
 そのうちいじめはなくなりました。いじめが終わった後のことです。彼女とやりとりをしていた交換日記の中に,一言,次のように書いてありました。
「うれしかった,助かったヨ」って…。
(友だちに対するいじめに立ち向かった事実 ークラスみんなに対してー)

「いじめに立ち向かう勇気を持とう」
 私のクラスには,「いじめられている人」と「いじめている人」,そして「ただ見ていだけの人」がいます。以前の私は,ただ見ているだけでした。それは,いじめている人がこわくて何も言えなかったからです。
 でも,ある日私は,いじめのことを知っている人たちに,「みんなで勇気を出して言えばこわくないから,帰りの会でいっしょに言おう。」と呼びかけました。でも私を手伝ってくれたのは,Kさんただひとりでした。
 そしていよいよ,帰りの会。私は話をしているうちにこわくて悲しくて,だんだん目になみだがたまってきましたが,自分の知っていることや考えていることをみんなに言いました。すると,いじめを見た人が,私の後に続いて意見を言ってくれたのです。でも,時間がなくて,結論は出ませんでした。
 しかし,このあと,私の心の中では,ひっかかっていた何かがスーッと抜けていったようでした。解決はしなかったけど,自分で自分が少し強くなれたようで,とてもうれしかったです。母も「がんばったね。」とほめてくれました。
 そして数日後。母が友だちのお母さんが言っていたことを教えてくれたことです。「敬子ちゃん,みんなの前で勇気を出して言えて,とってもかっこよかったよ。」と友だちが言っていたそうです。私はうれしくてうれしくて,なみだが出ました。その友だちの言葉が,わたしの心にさらに勇気をくれました。
(自分へのいじめに対して友だちが助けてくれた事実)

 私がいじめられたのは,中学1年生のころでした。小学校のころすごく仲がよかったAちゃんが,私を仲間外しにするようになったのです。私は,教室にいても楽しくなり,なにもかもが嫌になりました。
 ある日,教室に落ちていたAちゃんの手紙を見ると,そこには私の悪口がいっぱい書いてありました。その手紙を見ているうちに,すごく悲しくなって泣きました。
 それから2週間ほど過ぎたある日,同じクラスのBちゃんが,「大丈夫?」と話しかけてきてくれました。誰とも話せない日が続いていた私にとってBちゃんの一言は,本当に嬉しかったです。私はその子に救われました。少しずつだけど話しかけてくれるBちゃんに,私はいままでのことをちょっとだけ話しました。すると,Bちゃんは「じゃあ私たちのグループにくればいいじゃない」と当たり前のようにさそってくれました。私は本当に本当に嬉しかったです。。
 私は今もBちゃんのグループにいます。今ではBちゃんは私にとって最高の親友です。