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ここに挙げている資料は,実話をもとに作ったものです。資料づくりにおいては,これまでの自分の経験や以下のHP等を参考にしています。 「いじめ撲滅ネットワーク」http://members.jcom.home.ne.jp/i-network/ 「いじめから友だちを守る会」http://www.sbf.jp/index.php 「TOSS道徳」http://www1.odn.ne.jp/yuki-peko/doutoku/ijime.htm 「こどものいじめ問題」http://www5d.biglobe.ne.jp/~tanken/danger/dab-top.htm |
(被害者の不幸1) 私が中学校に入学した日が,いじめの始まりの日でした。私は目が悪かったので,分厚いめがねをかけていたのですが,それを見た男の子が「気持ち悪い」といいました。それからというもの,他の男の子からも悪口を言われるようになりました。同じ学年だけではありません。下級生からもいじめられるようになったのです。言葉の暴力,そして,嫌がらせ…。 いじめは,だんだんひどくなっていきました。私が朝教室に入ってすることは,鉛筆で真っ黒に塗られた机を消しゴムで消すことから始まりました。そんなことが毎日続きました。 私はただ,学校に行くだけで精一杯で,家に帰ると何も出来ない日々が続きました。そんなことがあっているとは知らない家族は,ぼっとして何もしないでいる私を何度も叱りました。 本当に,本当に苦しくつらい3年間でした。 |
(被害者の不幸2) 私がいじめられていたのは,いまから10年ほど前の,小学校6年間と中学校の2年の時です。 私の通っていた学校は田舎の学校でした。私のクラスも全部で十人くらいで,6年間クラス替えなしでした。いじめはクラス全員からでしたので,本当に逃げ場がなかったです。汚いもの扱いをされたり,悪口を言われたり,無視をされたり…。縄跳びでたたかれたこともありましたが,周りの人はまるで当たり前のことのように気にもせずただ黙って見ているだけでした。たたいている人もですが,周りでただ見ているだけの人がいやでいやでたまりませんでした。 そんなことが6年間続き,中学校へ入学しました。中学校も同じ人と一緒でしたが,別の小学校も一緒だったために,いじめはなくなりました。しかし,2年生になってまた,恐れていたいじめが始まりました。女の子全員からひたすら無視をされました。そして悪口を言われました。「小学校の頃と比べたら全然マシ!」と自分に言い聞かせていましたが,でも毎日毎日がつらく苦しい日の連続でした。1ヶ月が,果てしなく長く感じました。 そして私は耐え抜くことができずに,とうとう学校に行けなくなってしまいました。小学校の頃は,どんなにつらくても学校に行っていたのに,中学生になって学校に行けなくなった自分に,ショックでした。 しばらくして,学校には行くようになりましたが,家の中では独りぼっちでした。学校から家に帰れば,一人で部屋にこもり,食事も一人でとっていました。兄弟や親とは口をきかない日が1年以上続きました。本当に,毎日つらくてつらくてたまりませんでした。 もう,あれから10年近くがたちました。自分でも過去のことは忘れていたつもりでしたが,最近,時々いじめられた頃の夢を見ます。 |
(まわりの人の不幸ー傍観者を含めてー) 小学生の時,クラスでいじめがあったのでクラス委員だった私は,「いじめ」をやめるように言い続けました。しかし,クラス委員だったことでそれが「えらそう」と思われ,みんなは聞いてくれませんでした。その上,いじめられていた子は同じマンションでしたが,私が家に訪ねにいっても受け入れてくれなくなり,転校していきました。「いじめ」を止められなかった私も,その子にとっては敵に思えたのでしょう。その出来事が原因で,私は今,周りの人と本当に仲良くはなれなくなったような気がします。 |
(傍観者の不幸) 今から20年以上前のことです。私が小学生だったころ,いじめがありました。一人のおとなしい女の子がいじめられていたのです。その子は,何にも悪くはないのに,悪口を言われたり,汚いと言って避けられたりしていました。私は,いじめをするのはいやだったのですが,何となくその子を避けるようになりました。その子がいじめられていても知らないふりをして,まわりで見ているだけでした。中学生になっても,その子はいじめられていたのですが,私はとうとう何もしてあげることができませんでした。そして,中学校を卒業すると,その子とは違う高校になったので,そのいじめのことは忘れていました。 それから20年以上たったある日,偶然その子を街で見かけました。私は,なぜかその子に見つからないように隠れてしまいました。そして自分の心の中が,何もしてあげられなかったくやしさでいっぱいになりました。きっと,一生その子に謝ることはできないでしょう。そして,この想い出は私の頭の中からずっと消えないだろうし,これから街でその子を見かけるたびに,ずっと私はこそこそ隠れなければならないのでしょう。 |
(加害者の不幸1) 私は最近考えていることがあります。それは,自分がいじめられたことは何年経ってもはっきりと覚えているのに,自分が人をいじめたことは,そんなにはっきりとは覚えていないということです。 私は小学校のころいじめられていました。そのことは今でもはっきり覚えています。しかし,ある時,私は自分がいじめをしていたことを思い出したのです。 いじめていたのは,年下の男の子です。私はその子を何度もたたいたり,蹴ったり,その子の物を取り上げて返さなかったりしました。もっとひどいこともしました。自分でもゾッとするようなことをいっぱいしていたことを思い出したのです。なぜあんなにひどいことをしたのだろう。子どもだったとはいえ,自分が同じ事をされたら,どんな気持ちになるかということが全く考えられませんでした。 私がいじめていた男の子は,小学校を卒業する前に引っ越してしまい,今どこにいるのか分かりません。私は今,その子に謝りたい気持ちでいっぱいです。いや,自分の罪の重さを思うと,私のしたことは,謝ったぐらいでは,決してすまされるものではないと思います。その男の子は,その時いじめられたことを急に思い出して,今でも苦しんでいるかもしれません。私は,その男の子が私にいじめられて,泣き叫んでいた顔やそのときの声が,毎日頭の中に浮かんでくるのです。私は,いじめた罪をどうやって償えばいいのでしょうか。 |
(加害者の不幸2) 小学校5年生の始業式でのことです。体育館で転校生の紹介がありましたが,そこで紹介されたのは幼稚園の頃一緒だったAさんでした。Aさんは幼稚園の頃と変わらず体が不自由で,階段を降りる時の彼女の歩き方はぎこちないものでした。 いじめが起きたのは翌日からでした。もちろん,彼女は何も悪いことはしていません。Aさんのことを昔から知っているとゆうことから,私もいじめに参加してしまいました。無視したり,陰でこそこそ悪口を言ってみたり,体育の時,グループに入れなかったり。ある人は,他の友だちと一緒にAさんの家の留守番電話に悪口を録音しました。そのことが分かってしまし,自分たちのやったことを先生の前で謝りました。でも,心の中では悪いとは思っていませんでした。 いじめを続けていくうちに,私はだんだん毎日がいやになってきました。そして,私が「やめよっか,もうそろそろ」と言い出した時にはいじめが始まってから3ヶ月が経っていました。少しずつAさんへのいじめは減りました。でもやはり彼女は卒業するまでずっと独りぼっちでした。 中学に入学。Aさんは3年間一人ぼっちでした。たまに私が話しかけても,いじめた相手に声をかけられるのは嫌みたいで,心を開いてくれませんでした。だからすぐ会話はとぎれてしまい,気まずい雰囲気が流れてしまいました。 高校を決めるときのことです。いじめられていたAさんは「小学校,中学校ずっといじめられてつまんなかった。いじめられるのはもう嫌だ。みんなが行く高校には行きたくない。」とゆう理由から,自分が行きたくもない高校に行ったそうです。そのことを私が知ったのは高校に入ってからでした。とてもショックでした。Aさんの心をズタズタに壊してしまい傷付けてしまった後悔と,自分に対しての腹立たしさが混じり合って,なんとも言えない気持ちになりました。 今更やったことを後悔したところで,Aさんの心に大きく開いてしまった穴を埋めることはできないと思います。もっと早くに勇気を出して,いじめをやめていたらこんなに彼女の心を傷つけずにすんだのに…… 。 私がいじめをしたことは,一生自分の中に残り後悔し続けると思います。 |