3.単元導入で「活動のよさ」に触れる体験活動を取り入れた指導の実際
  単元   第2学年 「あきをたのしもう」  (全12時間)  児童数:35名 平成16年11月実施 
 単元の構想

単元導入における「活動のよさに触れる体験活動」
あきさがしゲームをしよう
@ 写真やチラシなどから季節感あるものを見つける活動を通して,季節を探す視点を広げ,見つける楽しさを味わわせる。
A 校内で秋や冬を探す活動を行い,今まで気付かなかったところから季節感あるものを発見する楽しさを体験させる。
 単元の目標  
 町の中から秋や冬を探す活動をしたり,教室を季節のもので飾ったりすることを通して,季節による町の様子の変化や季節によって生活の様子が変わることに気付き,自分たちの生活を工夫したり,楽しくしたりできるようにする。
 評価規準
関心・意欲・態度 思考・表現 気付き
単元の評価規準
町の中から秋や冬を見つけたり教室を季節のもので飾ったりする活動を楽しもうとしている。
季節による町の様子の変化と自分たちの生活の変化を関連付けて考えたり,季節を楽しむ活動を工夫したりできる。
季節の変化により,町の様子や自分たちの生活の様子が変わることに気付いている。
具体の評価規準
@ 校舎の中や校庭など,身近なところから季節を探す活動を楽しんでいる。

A 季節による町の様子の変化に関心をもち,町の中にある自然や店,町の人などから秋や冬を探そうとしている。

B 教室を飾ったり,季節の遊びをしたりして生活を楽しくしようとしている。
@ 季節を探すためには,どのような方法があるのか,どんなところに季節が感じられるのかを考えることができる。
A 諸感覚を使ったり,町の人に尋ねたりしながら,身近な自然や町の様子から秋や冬を見つけることができる。

B 季節にかかわる楽しみ方を工夫することができる。
@ 校舎の中や校庭など身近な場所で季節の変化を感じることができることに気付いている。

A 季節によって身の回りの自然た町の様子,自分たちの生活などが変わることに気付いている。

B 季節に合わせて教室を飾ったり,遊んだりすると生活が楽しくなることに気付いている。
 単元の指導の実際

子どもの活動 評価 教師の働きかけ















































 あ








写真を見ながら教育センター周辺の自然の様子の紹介を聞く。

センターの写真を使って,秋の自然の様子をクイズ形式で提示していき,季節の変化に興味をもたせ,めあてにつなげた。
単元導入における「活動のよさに触れる体験活動」
あきさがしゲームをしよう
秋探しゲームをする。
@ 写真の中から探す。
:この写真の中にも秋や冬を感じるところがあるかな?
:わかった。机の上にミカンがあります。
:よく見つけたね。みんなは,もうミカンを食べたかな。もう一つ,あるよ。
:えっ。まだあるの。どこかな?
思@


関@




紅葉したナンキンハゼやイチョウ,稲刈りが終わった田,ミカン畑などの写真を提示し,自分たちの身近な自然の様子と重ねながら見るようにさせた。
<秋探しゲームで提示した写真>
A チラシの中から探す。
季節を見つける視点を広げる子どもの様子
:ストーブは冬だよね。
:かぜ薬もじゃない?
:あっ,そうか。冬は,かぜにかかるからね。
:○で囲むよ。
:なるほどよく見つけたね。かぜ薬も冬だね。
<チラシから探した秋や冬>
  
 
食品,日用品,玩具のチラシ3枚を各班に渡し,秋や冬を感じる物を見つけて○を付けさせていった。2分間でいくつ探せるかというルールで探させたため,子どもたちは楽しんで取り組んでいた。
食品のチラシから探すのは,難しそうであったため,迷ったものについては,記録しておき,町探検の計画の際に提示することにした。
チラシの中から探した後に,「次はどこから秋を見つけようか。」と投げかけ,教室を見回した。子どもから,「教室!」「学校の中!」という声があがったのでBの活動を行った。
Bでは,ワークシートを持たせ,たくさん見つけることをめあてに校舎内や校庭を探させた。
諸感覚を使い,じっくり観察したり,人に尋ねながら秋を見つけたりしている子どもを称賛し,他の子どもに広げてていった。
  B 校内の季節探しをする。
:あっ,2の2の作品は,秋がいっ
ぱいだね。
:ほんと,秋の色がいっぱいだね。
身近な学校中からたくさんの秋を見つけ
活動を楽しむ子どもの様子
:何だこれは!
:木の実かな?
:つぼみじゃない。
共通体験後の感想の交流
秋探しゲームをした感想や生活の中で見つけた秋や冬などについて出し合う。

:ぼくは,30個も秋を見つけたよ。
:廊下の飾りは,冬の物がいっぱいあったよ。
:(教室の窓から見える薬屋さんを指さしながら)
 あそこにも秋があるよ!
:なるほどね。町の中にも秋や冬がたくさんありそうだね。
 
 
気@

秋探しゲームを通して,それぞれが感じた楽しさやおもしろさを出し合わせた。
<子どもが感じた活動のよさ>
・たくさん秋や冬を見つけたことができたこと
・掲示板や廊下の飾りなどにも季節が感じられたこと
・校庭からいろいろな木の実や落ち葉を見つけたこと
・自分だけが見つけた秋や冬があったこと
子どもが感じた活動のよさを認め,季節探しが上手になってきたことを称賛した。
教室の窓から見える木や店の様子を見ながら,季節を探し始める子どもたちの姿が見られたため,次は,町の中で秋探しをすることを投げかけた。
学習のめあての設定
本庄町の秋や冬を見つけにいこう
本庄町の秋や冬探し探検の計画を立てる。      
@ どこに行けば秋や冬を見つけることができるか考える。   
 
A 各自が決めた探検先をもとにグループを作る。
B グループごとに計画を立てる。
思@
秋や冬を見つけることができそうな場所を出し合わさせた後,自分が行きたい目的地を3カ所ワークシート2に記入させた。

子どもたちが書いた目的地を簡単な校区地図上に示し,1番行ってみたいところにネームプレートを貼らせ,グループ分けを行った。

グループで相談させながら,季節探しの順路を決めさせた。また,訪問先で、尋ねたいことがあるグループには、インタビューカードを渡し,書いておくようにさせた。






秋や冬探しに行く。
秋や冬の野菜についてインタビューする子どもたち  
   
クリスマスツリーの飾りを見つた子ども
関A

思A
安全に関すること,店内等でのマナーについては一斉に指導した。
活動している子どもと積極的に対話をし,気付きを深めるようにした。
町の人とのかかわりを促すために,あいさつをさせたり,分からないことは積極的に尋ねるようにさせた。
見つけた「秋」や「冬」について感じたことや思ったことを出し合う。
気A


いろいろな視点から季節を感じることができたことを認め称賛した。
学校と比べ,町には「冬」がたくさん見つかったことを取り上げ,なぜなのかを考えさせることで,自分たちの生活とのつながりに気付かせた。
店内の装飾やポスターなどから見つけてきた秋や冬などを取り上げ,季節を楽しむ工夫がされていることに気付かせ,季節を楽しむ活動へ促した。
私たちの教室を秋や冬でいっぱいにしよう
どんな教室にしたいか話し合う。
関B


思A


思B
壁面や教室のコーナーをグループ数分割し,それぞれの区画を利用することを伝えた。
「季節を楽しむことができる教室」をテーマにし,どんな工夫ができるかを考えさせた。
町探検を通して見つけた自然物やお店の装飾,ポスターなどをふり返らせ,自分たちの教室に生かすことができないか考えさせた。
取材や自然物の採集などそれぞれのグループの目的に応じて町探検へ出かける。
「秋」や「冬」の教室にする。
感想カード
再度町へ出かける場合は,具体的な活動内容を考えさせ,活動のめあてを明確にもたせた。
高い箇所の装飾や刃物などの道具を使う場合は,安全面に配慮し,適宜援助を行った。
ひらく
季節探しや教室飾りなどの活動をして楽しかったことを出し合う。
関B
秋や冬など季節を敏感に感じることができるようになったことや教室を飾るなどして楽しむことができたことを称賛した。
これから迎える冬の楽しみ方を考えさせることで,季節の移り変わりを意識させ,期待感をもたせていった。
4.まとめ