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実践事例 中学校第2学年 「物質の成り立ち〜水の電気分解〜」 実践A
単元名
物質の成り立ち
本時の目標
水の電気分解を行い,水の成分は水素と酸素からできていることを説明することができる。
本時の展開の概要(5/12)
生徒は、酸化銀や炭酸水素ナトリウムを熱で分解することができることを学習している。本時では、水を電気を使って分解できること、また、分解して発生した物質が酸素と水素であることを、観察や実験を通して理解させる。
導入の事象提示のA事象、B事象の比較の視点
(エ)異なる物質に同じ操作を加えて比較させる事象提示
展開
過程
主な学習活動(○)と主な児童の意識(・)
教師の手立て(○)



空気の入ったビニル袋Aと水素が入ったビニル袋Bに火を近付けて試験管の変化を比較した事象提示を見る。
  ・水ができた
  ・Bのふくろだけがくもった

 
○Bだけに水が生成されていることに気付かせる。
○水素が水の成分の一つになっていることに気付かせる




○事象を説明し、考えを話し合う

A 何も変化が起きなかった
  B 爆発して水ができた

・Aは水をつくっている物質がないから、変化が起きなかった
・Bは水素が燃えて水ができた。
 
2種類の試験管の違いは何なのかを考えさせて,提示した事象の説明をワークシートに書かせる。
自分の考えを他の生徒と説明し合い、自分の考えを確かなものにさせるとともに、自分とは異なる考えに気付かせる。



○学習問題を立てる
 〈キーワード〉 水、水素
水から水素を取り出すことができるか。
○他の生徒の考えとの共通点や相違点から、解決のキーワードを考えさせ、そこから学習問題を設定する。

○実験計画を立てる。
 
○水は加熱すると状態変化を起こし分解できないことに気付かせる。
○電気を流すことで水を分解することができることを伝え、分解してできる気体の性質を調べるための計画を立させる。

電気分解装置を使って+・−極で発生する気体が何かを実験で確かめる実験を行う

 
○水酸化ナトリウム水溶液を使う理由を説明する。また、液体の取り扱いに十分注意させる。
○実験の結果をワークシートに記入させる。

○結果を交流する
 
○結果を考察させ、導入での事象の説明をワークシートに書かせる。

○結果から言えることをまとめる
・ 実験の結果から水を分解すると水素と酸素に分かれる。なぜなら、水は水素と酸素からできているからである。

 
○自分の考えを他の生徒と交流させ,自分の考えを確かめさせる。また、つまずいている生徒には他の生徒の考えを参考にさせる。
○結果から言えることについて学級全体で交流させて、本時のまとめとする。
 
授業を振り返って
比較を通した事象の提示から学習問題を見いださせることで、生徒が何を確かめていけばよいのかという実験に対する意識が高まった。また、考察を事象の提示に返り再説明させたことは、課題を解決できたという生徒の満足感が増した。最初の事象提示における事象の読み取りでは、自分なりに現象の理由を記述することに戸惑っている生徒が多く見られた。どのように記述させていけばよいか、話型の示し方など教師側の工夫が必要であると感じた。
 
 

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最終更新日:2012-03-30