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実践事例 中学校第2学年 「物質の成り立ち〜炭酸水素ナトリウムの分解」 実践@
単元名
物質の成り立ち
本時の目標
水に小麦粉を溶かしたものがふくらむのは,炭酸水素ナトリウムが熱分解することで発生した二酸化炭素によるものであるということを説明することができる。
本時の展開の概要(3/12)
炭酸水素ナトリウムを入れない生地(水に小麦粉を溶かしたもの)と炭酸水素ナトリウムを入れた生地を加熱したときの様子の違いから、炭酸水素ナトリウムの加熱による分解を調べる。
導入の事象提示のA事象、B事象の比較の視点
(エ)異なる物質に同じ操作を加えて比較させる事象提示
展開
過程
主な学習活動(○)と主な児童の意識(・)
教師の手立て(○)



○生地のふくらみについての事象提示を見る
・Aは膨らまないけどBは膨らんだ。
・Bはあわが出ている

・Bはまんじゅうみたいなにおいがする。
 

○生徒の様々な考えを引き出すために、重曹がAとBどちらに入っているかを提示しない。




○事象を説明し、考えを話し合う

A 生地が膨らまなかった。
  B 生地が膨らんだ。

・炭酸水素ナトリウムを加熱すると泡(気体)が発生する。
・炭酸水素ナトリウムには生地を膨らませる働きがある。
 
○生地がふくらんだのは気体が発生したのではないかということを気づかせる。
○各班で自分の考えについてお互いに説明させる。そのことで自分の考えを明らかにするとともに、異なる考え方があることに気付かせる。



○学習問題を立てる
 〈キーワード〉炭酸水素ナトリウム、気体、加熱
炭酸水素ナトリウムを加熱するとどんな物質(気体)がでてくるかを調べてみよう
○他の生徒の考えとの共通点や相違点から、解決のキーワードを考えさせ、そこから学習問題を設定する。

○実験計画を立てる。
 ・炭酸水素ナトリウムを加熱すると気体(酸素、水素、二酸化炭素、水など)が発生する。
○加熱に関する注意点について指導し、安全面に十分留意させる。

○実験を行う
 
○実験の結果をワークシートに記入させる。

○結果を交流する
 
○結果を考察させ、導入での事象の説明をワークシートに書かせる。

○結果から言えることをまとめる
生地が膨らむのは、炭酸水素ナトリウムが白い粉と水と二酸化炭素に熱分解し、そのときの二酸化炭素が生地をふくらませたからである。
 
○自分の考えを他の生徒と交流させ、自分の考えを確かめさせる。また、つまずいている生徒には他の生徒の考えを参考にさせる。
○結果から言えることについて学級全体で交流させて、本時のまとめとする。
 
授業を振り返って
比較を通した事象の提示から学習問題を見いださせることで、生徒が何を確かめていけばよいのかという実験に対する意識が高まった。また、考察を事象の提示に返り再説明させたことは、課題を解決できたという生徒の満足感が増した。最初の事象提示における事象の読み取りでは、自分なりに現象の理由を記述することに戸惑っている生徒が多く見られた。どのように記述させていけばよいか、話型の示し方など教師側の工夫が必要であると感じた。
 
 

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最終更新日:2012-03-30