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実践事例 小学校第6学年 「てこのはたらき」
単元名
てこのはたらき
本時の目標
てこのつり合いの規則性は、支点からの距離と力の大きさの積に関係していることを理解することができる。
本時の展開の概要(8/11)
事象提示で、おもり2個と1個をめもりのない実験用てこでつり合わせた事象Aと、おもり3個と2個をめもりのある実験用てこでつり合わせた事象Bを比較させ、つり合っている要因を考えさせる。その後、5個のおもりを使った実験を通して、てこがつり合うときにはどのようなきまりがあるかを理解させる。
導入の事象提示のA事象、B事象の比較の視点
(ウ)既習事項と未習事項を比較させる事象提示
展開
過程
主な学習活動(○)と主な児童の意識(・)
教師の手立て(○)



○事象提示を見る
  A めもりなし B めもりあり
 
○AもBもおもりの重さが違うのに、どうして両方ともつり合っているのか考えさせる。




事象を自分の考えで説明してみる。
・Aはおもりの重さは違うけど、右腕のおもりの支点からの距離が遠いからつり合う。
・Bはおもりの重さは違うけど、右腕のおもりの支点からの距離が遠いからつり合う。

<キーワード>
おもりの重さ、支点、めもり、きょり
○おもりの重さが違ってもつり合うという前時の学習内容と関係付けて考えさせた。
○Bは前時までと違い、実験用てこにめもりがあることに気付かせて、前時までの「きょり」をめもりの数として表すことができるではないかということを投げかけた。



○学習問題を立てる
左右のおもりの重さが違ってもつり合うときに、どのようなきまりがあるか調べてみよう。
○学級全体で事象とキーワードを確認し、児童とやりとりを行い学習問題を立てた。

○実験の計画を立てる
右腕のおもりを変えてどこでつり合うかを実験すれば、何か分かるのではないだろうか。
○前時までの考えをもとに、めもりがあることを生かして、予想をもって実験を計画するように伝える。

○実験を行う
 

・おもりが1個と2個のときは、うでの長さが2倍になったけど、2個と3個だと2倍にならないなあ。
・実験が早く終わった場合は新しい記録用紙を取って、おもりの位置を変えて実験するように伝える。
 
 


○結果を交流する
○グループ内で結果の記録ミスや漏れがないか確認し、結果からどんなきまりがありそうかを書かせる。
○班の中で自分の考えを発表させる。

○結果から言えることをまとめる
・Aは左腕のおもりの支点からの距離と比べて、右腕の支点からの距離が2倍になっているからつり合っている。
・Bは左腕のおもりの重さ×めもりの数と右腕のおもりの重さ×めもりの数が同じだからつり合っている。

 
○初めの事象提示に立ち戻らせ、事象A、Bに自分たちが見付けたきまりを当てはまるか考えさせる。
 
授業を振り返って
前時にめもりなしのてこ実験器を使って、おもりがつり合うときの左右のうでのおもりの重さとおもりの位置の関係を探らせた。それによって、児童は、重さが違うものがつり合っているときは、重い方が支点よりも遠くにおもりがあることはつかんでいた。このときの左右のうでの支点からおもりまでの長さのきまりについて、児童の多くは、自分なりのきまりを考えていたようであった。本時では、その考えを当てはめてみることから活動が行われたようであった。自分が思っていたきまりでは、うまくいかないようだと気付いた児童は、積極的に試行を重ねた。きまりに気付くことができたときは、発見の喜びが大きかったように思われた。
 
 

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