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実践事例 小学校第5学年 「 電磁石の性質」 実践A
単元名
電磁石の性質
本時の目標
コイルの巻き数を変えたときに引き付ける釘の数を調べる活動を通して、コイルの巻き数が変わったときの電磁石の力の変わり方を理解することができる。
本時の展開の概要(5/9)
電磁石はコイルの巻き数によって電磁石の強さが変わる性質がある。本時では児童にクリップが付く数が違う2つの電磁石の違いからコイルの巻き数に着目させ、巻き数と電磁石の強さの関係を調べる活動を行う。
導入の事象提示のA事象、B事象の比較の視点
(ウ)既習事項と未習事項を比較させる事象提示
(エ)異なる物質に同じ操作を加えて比較させる事象提示 
展開
過程
主な学習活動(○)と主な児童の意識(・)
教師の手立て(○)



○事象提示を見る
事象提示
板書
「Aの電磁石は(     )クリップが少なく付いた。」
「Bの電磁石は(     )クリップがたくさん付いた。」
○巻き数の違いは知らせず、2つの電磁石を提示し、Aの電磁石とBの電磁石にクリップが付く数の違いを示した。
○2つの事例には、どちらにも乾電池を1つ使用していることは見せて確認した。
【事象A】
Aの電磁石は100回巻きのコイルと同じくらいのクリップが付いた。
【事象B】
Bの電磁石はAの電磁石より多くクリップが付いた。




○事象を説明し、考えを話し合う
・Aの電磁石はたぶん100回巻きくらいだからクリップは少なく付いたよ。
・Bの電磁石はエナメル線がたくさん巻いてあるようだからクリップがたくさん付いたんだ。

事象を話し合う様子
<キーワード> (コイルの)巻き数
○キーワードは、グループで話し合わせたあと、数人に発表させた。



○学習問題を立てる
・コイルの巻き数が増えると電磁石は強くなるのか調べよう。

コイルの巻き数で電磁石の強さがどう変わるのか調べよう。
○学習問題は、初めに一人一人ワークシートに記入させたあと、数人の発表を経て学級で整理したものを板書した。

○実験方法を話し合う
・100回巻きの他に、何回巻きにしたらいいのかな。
・巻き数と電磁石の強さだから乾電池はどれも1個で試さないといけないね。

実験素材
○電磁石の回路に電流計を入れさせたため、台数の関係上、グループ実験とした。
○変えない条件として乾電池の数を確認させた。
○一人一人が持っている100回巻きの他に教師が準備した30回、50回、150回巻きのコイルをグループごとに与えた。

○実験を行う
実験を行う様子
・巻き数が多い方がたくさん付くよ。
・50回巻きはとても少ないね。

○結果の再現性を意識させるためにグループで交代しながら3回以上実験を行わせた。
○グループの結果としてまとめたものを1つのワークシートに書き込ませるようにし、グループの結果を基にして考えを述べる交流をさせるようにした。

○結果を交流する
結果の交流の様子
・30回巻き、50回巻き、と巻き数が増えるごとに付いたクリップの数も増えてるよ。
○グループの結果表を黒板に貼り、全員に見えやすいように黒板の近くに集まって、結果や気付きを発表させた。

○結果から言えることをまとめる
・電磁石はコイルの巻き数が増えると強くなることが分かった。だから電磁石の強さはコイルの巻き数で変わるということが言える。
○「■■■は▲▲▲であることが分かった。だから、●●●ということが言える。」という話型を与えて、考察をさせた。
 
授業を振り返って
初めの事象の読み取りを言語化させて話し合わせたことで、その後の活動に対して自信をもって取り組む姿が見られた。実験は3回以上させることについて、グループとしてなのか、個人としてなのか明確に示さなかったため、実験活動の時間が足りなかった。自作させた100回巻きのコイルに対して、200回巻きのコイルを準備させた方が、児童がより定量的な視点をもって活動できるのではいかと考えられた。
 
 

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