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実践事例 小学校第5学年 「 電磁石の性質」 実践@
単元名
電磁石の性質
本時の目標
電磁石の強さについて、電流の大きさに着目して実験を行い、電磁石の強さと電流の大きさとを関係付けて考えることができる。
本時の展開の概要(4/9)
電磁石は流れる電流の大きさによって電磁石の強さが変わる性質がある。本時では児童にクリップが付く数が違う2つの電磁石の違いから電流の大きさに着目させ、電流と電磁石の強さの関係を調べる活動を行う。
導入の事象提示のA事象、B事象の比較の視点
(ウ)既習事項と未習事項を比較させる事象提示
展開
過程
主な学習活動(○)と主な児童の意識(・)
教師の手立て(○)



○事象提示を見る
jisyoteiji
板書
「Aの電磁石は(     )クリップが少なく付いた。」
「Bの電磁石は(     )クリップがたくさん付いた。」
○2つの電磁石を提示し、Aの電磁石とBの電磁石にクリップが付く数の違いを示した。
○ABの違いに気付きやすいように、電池は見せるようにし、コイルの巻き数に関しても触れないようにした。
【事象A】
Aの電磁石は前時に作った電磁石と同じくらいのクリップが付いた。
【事象B】
Bの電磁石はAの電磁石より多くクリップが付いた。




○事象を説明し、考えを話し合う
・Aの電磁石は乾電池が1つだったからクリップは少なく付いたよ。
・Bの電磁石は乾電池が2つだからクリップがたくさん付いたんだ。

<キーワード> 電池の数
○グループで話し合わせて、変化の要因となるものをキーワードとして挙げさせた。
○話し合いの中で、提示されたコイルの巻き数についての質問がった場合は、同じ巻き数であることを伝えた。



○学習問題を立てる
・電池の数を変えると電流の大きさが変わるんだね。

電流の大きさを変えると電磁石の強さはどう変わるだろうか、調べよう。
○電池の数が変わることは、電流の大きさを変えていることと同じであることを共通認識させ、学習問題を立てさせた。

○実験方法を話し合う
・乾電池の数を変えるなら巻き数は100回にしよう。
・乾電池は、1個と2個と3個で調べよう。

○電流の大きさを調べるために検流計の使い方と回路へのつなぎ方を知らせた。
○変えない条件としてコイルの巻き数を確認させた。
○乾電池は3個まで使ってよいとした。

○結果は表に整理するようにさせ、電流の大きさはA(アンペア)で表記させるようにした。

○実験を行う
・電流が大きい方が釘がたくさん付くよ。
・乾電池3個だと電流の大きさも一番だね。

○結果の再現性を意識させるためにグループで交代しながら3回以上実験を行わせた。
○グループの結果としてまとめたものを1つのワークシートに書き込ませるようにし、グループの結果を基にして考えを述べる交流をさせるようにした。

○結果を交流する
・乾電池1個、2個と増えるごとに付いた釘の数も増えてるよ。
○グループの結果表を黒板に貼り、全員に見えやすいように黒板の近くに集まって、結果や気付きを発表させた。

○結果から言えることをまとめる
・電磁石は電流の大きさで強さが変わることが分かった。なぜなら、乾電池3個だとたくさん付くけど1個だとすくなるなるから。
○「■■■は▲▲▲であることが分かった。なぜなら、●●●」という話型を与えて、考察をさせた。
 
授業を振り返って
事象提示では、乾電池をブラックボックスにせず示したことで、ほとんどの児童が、電磁石に付く様子と乾電池の数を関係付けて自分の考えを説明できていた。学習問題がスムーズに立てられたことで、今後も扱う検流計の使い方など技能面の指導が充実できた。個人の結果をグループの結果としてまとめて拡大掲示させたことは、結果の交流から考察へ向かわせるのに有効だったと考える。
 
 

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