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実践事例 小学校第4学年 「とじこめた空気や水をおしてみよう」
単元名
とじこめた空気や水をおしてみよう
本時の目標
閉じ込めた空気の圧し返す力によって起こる現象と空気の性質を関係付けて考えることができる。
本時の展開の概要(2/7)
閉じ込められた空気を圧すと元の体積に戻ろうとする性質がある。また圧し縮められて体積が小さくなるほど圧し返す手応えも大きくなることについて実験を通して調べ、空気の性質としてまとめていく。
導入の事象提示のA事象、B事象の比較の視点
(イ)操作を加える事象と加えない事象を比較させる事象提示
展開
過程
主な学習活動(○)と主な児童の意識(・)
教師の手立て(○)



○事象提示を見る
事象提示
A「おし棒は(     )最後までおし込めた。」
B「おし棒は(     )最後までおし込めなかった。」
○実験注射器を提示し、1回目(事象A)と2回目(事象B)を見せた。
【事象A】
筒の先に栓をせずおし棒をおし込んでいった。
【事象B】
筒の先に栓をしておし棒をおし込んでいった。




○事象を説明し考えを話し合う
・1回目(A)は栓をしなかったから空気が抜けたんだよ。
・2回目(B)は栓をして空気が抜けなかったから、手を放すと戻ってきたよ。
事象を話し合う様子
<キーワード>
空気のかさ(体積) おす力 手ごたえ
ちぢむ もとにもどる
○事象A、Bについて板書に示した「おし棒は(  )・・・。」の空欄を埋めることばを記入させた。
事象の説明を書かせたあと、考えを自由に交流させた。




○キーワードは、交流活動のあと学級全体で教師と共に話し合って出し合わせた。



○学習問題を立てる
・固い筒に閉じ込められた空気をおすとどうなるのか調べよう。

とじこめられた空気に力を加えると本当にもとにもどるのか調べよう。

○学習問題は、初めに一人一人ワークシートに記入させたあと、数人の発表を経て学級で整理したものを板書した。

○実験方法を話し合う
・おし縮めた空気がどれくらい戻るのかを調べてみよう
○児童全員が持っている筒とおし棒に加え、圧し縮めた空気の手応えを感じさせる発展素材として、注射器同士をゴムチューブでつないだものも与えた。

○実験を行う
実験を行う様子1
・おし縮める前のところに印を入れてどこまで戻るか調べる。
実験を行う様子2
○注射器を両方から圧したときの手応えを感じとらせた。

○結果を交流する
結果を交流する板書
・せん(栓)をすると絶対最後までおせなかった。
・おし棒をおすとはじめの線のところまで戻ってきた。
・ばねみたいな感じだった。

○おし棒を圧したらどうなったのか、「目で見て分かること」「手応えで感じたこと」を発表させた。

○結果から言えることをまとめる
・1回目は空気が閉じ込められていないから空気が抜けた。2回目は空気が閉じ込められておし棒をおし返したから元にに戻った。
○初めの1回目(事象A)と2回目(事象B)をもう一度説明をするようにしてまとめさせた。
○学習はじめの説明と終わりの説明を比べて説明の出来具合を再認識させた。
 
授業を振り返って
最初の事象を説明させてから学習に臨むことで、これまで目的がはっきりせず実験を行っていた児童も、目的や見通しをもって取り組むことができるようになった。最初の事象提示に立ち戻らせた考察の書かせ方を、明確に示せない状態で児童にまとめさせてしまった。児童に付けたい力が何なのか指導者が明確にして、期待するキーワード、学習問題、引いては、児童にどのような事象提示を行えばよいかを考えていく必要がある。
 
 

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