1「オンリーワン」のさが体験活動による子どもたちの変容


 「豊かな自然に恵まれたふるさと佐賀のよさを実感し、ふるさとを誇りに思う気持ちを育てたい」このような願いで、平成16年度から開始した「オンリーワン」のさが体験活動支援事業ですが、3年間の取組の成果が徐々に表れてきています。

◆ 子どもたちの意識はこのように変わりました!(子ども自身による評価)

 @ 平成18年度アンケートにみる「ふるさとへの愛着や理解」についての変容
(小学生)アンケートにおける「思う」「やや思う」の割合
アンケート項目 体験前 体験後
もっと住んでいる地域(佐賀県)を知りたい 61% 66%
将来、住んでいる地域(佐賀県)に住んでみたい 45% 51%
住んでいる地域(佐賀県)はよいところだ 73% 82%
住んでいる地域(佐賀県)を自慢したい 44% 54%
産業の大切さがわかる 62% 87%
生産物などの種類がわかる 33% 64%
産業に関わる技能ができる 34% 74%
(中学生)アンケートにおける「思う」「やや思う」の割合
アンケート項目 体験前 体験後
住んでいる地域(佐賀県)をもっと知りたい 48% 50%
将来、住んでいる地域(佐賀県)に住んでみたい 35% 39%
住んでいる地域(佐賀県)はよいところだ 68% 73%
住んでいる地域(佐賀県)を自慢したい 37% 42%
産業のすばらしさがわかる 45% 63%
産業の特徴がわかる 29% 52%
産業の移り変わりがわかる 22% 40%

 全ての項目において、体験後の方が「思う」「やや思う」の割合が伸びており、「佐賀はよいところだ」という項目は、小学生・中学生とも高い数値を示しています。特に、「産業の大切さやすばらしさ」「産業に関わる種類や特徴」「技能」など体験活動に直接関わる項目においては、大きな伸びが見られます。反対に、小学生・中学生においては、「佐賀はよいところだ」という思いが「住んでみたい」「自慢したい」にはつながりにくいようです。



 A 平成18年度アンケートにみる「体験活動」についての感想 


アンケート項目
小学生 中学生
「思う」「やや思う」 「思わない」「あまり思わない」 「思う」「やや思う」 「思わない」「あまり思わない」
活動を楽しみ、役立った 89% 3% 75% 7%
自分で考えて行動できた 71% 7% 62% 9%
発見や驚きがあった 81% 6% 69% 8%
※ 児童・生徒に対する体験活動についてのアンケートにおける割合(「どちらでもない」という回答は省略)

 体験活動に関するアンケートの「活動を楽しみ、役立った」「発見や驚きがあった」の項目については、小学校・中学校のどちらにおいても「思う」「やや思う」の割合が高くなっています。このことから、本事業の体験活動は、児童・生徒の興味・関心を引き出すものになっていると考えられます。
 また、体験活動に関するアンケートの「自分で考えて行動できた」の項目についても、小学校・中学校のどちらにおいても「思わない」「あまり思わない」に比べ、「思う」「やや思う」の割合が高くなっています。さらに中学校においては「自己の生き方」に目を向ける生徒も出てきています。
 このことから、本事業は、問題について自ら学び自ら考えるとともに、自己の生き方についても考えるものになっていると言えるようです。

2「オンリーワン」のさが体験活動で子どもたちについた力 

◆ 子どもたちにはこんな力がつきました!(教師による評価)
 各学校からの実績報告書によると、平成16年度からの「オンリーワン」のさが体験活動で、子どもたちには次の4つの力がついています。

@ ついた力の概要

○ ふるさと(佐賀)への愛着
 子どもたちは、専門家の技術のすばらしさやつくり出されるものの品質の高さ、自然の豊かさなど、地域の「人」「もの」「産業」「自然」のよさを通してふるさとへの愛着を感じています。

○ ふるさとの産業についての知識・理解
  小学生においては、産業に関わるもの(作物、製品など)の種類やその特徴が言えるようになってきています。また、中学生になると、産業についての歴史や佐賀県の産業の特徴まで理解できるようになってきています。

○ ふるさとの産業に関わる技能
  農作物を使った料理や保存食づくり、焼きものづくり、羊羹づくりなどの伝統的な特産物づくりなど、産業に関わる技能も身に付いてきています。

○ 問題解決のための学び方
  自分たちが設定した課題について、インタビューをしたり、インターネットを使ったりするなど、多様な調べ方が身に付いてきています。また、調べたことや考えたことを分かりやすくまとめる力も身に付いてきています。さらに、文化祭で発表をしたり、ホームページで発信をしたりするなど、情報を伝える力も身に付いてきています。

A ついた力の内容

○ ふるさと(佐賀)への愛着

小 学 校 中 学 校

【人に対して】
・○○づくりに対する専門家の姿勢
・地域の人たちの知恵のすばらしさ
・地域の様々な名人の存在

【ものに対して】
・他の地域の作物との食べ比べによるよさ
・有田焼の貴重さ

【産業に対して】
・安全でおいしい農作物を提供している地域の農業のすばらしさ
・自分たちの郷土にすばらしい焼きものの伝統が受け継がれていること

【地域に対して】
・森林の働きからみた自然のすばらしさ
・郷土の棚田のすばらしさ
・「有明海は宝の海だ」という実感

 

【人に対して】
・先人たちの努力、思い
・栽培に懸ける情熱
・専門家の技の水準の高さ

【ものに対して】
・自分の地域にある特産物のすばらしさ
・有田焼の高価さやすばらしさ

【産業に対して】
・日本の農業を支えていることへの誇り
・佐賀の農業の技術の高さ
・日本の磁器の歴史が有田から始まったことのすばらしさ

【地域に対して】
・自然が豊富な日本や佐賀県のよさの実感
・相知での農業の歴史的な「宝」として町切水車や蕨野の棚田への誇り

 


○ ふるさとの産業についての知識・理解

小 学 校 中 学 校

【農 業】
・作物の種類、作業の手順
・農業の方の苦労や工夫や願い
・豊かな自然環境田んぼにより守り育てられてきたこと
・今と昔の農作業の違い

【林 業】
・10種類以上の木の名前
・間伐材が有効活用されていること

【水産業】
・玄界灘と有明海の生き物の違い
・有明海にしか生息しない生き物の存在
・森が豊かな有明海を育んでいること
・有明海での育てる漁業について

【窯 業】
・陶器・磁器・土器の違い
・有田焼の制作過程や歴史
・職人の技術や工夫、苦労
・伝統を守り続ける先人の知恵や工夫

【地場産業】
・羊羹のづくり方や種類
・羊羹づくりについての歴史

 

【農 業】
・生産に関わる人々の苦労や喜び
・農業が佐賀の文化や風習の元になっていること
・「クリーク」の利水の点からのすばらしさ
・佐賀の農業の技術は全国でも最先端であること
・農業における多角的な経営の在り方

【林 業】
・森林の役割や森林保護の重要性
・木炭の歴史やづくり方と効用

【水産業】
・唐津が恵まれた水産地であること
・漁獲高の変化が今後の課題であること
・伝統的な漁の仕方や鯨漁などの歴史について
・有明海の生態系の異変

【窯 業】
・佐賀の窯業の歴史や特徴
・過去・現在における偉大な人物の存在
・野焼き、穴窯、大窯、登り窯と窯が変わるたび に、焼きものの質や生産量があがったこと

【地場産業】
・県内の様々な地域の特産品の存在
・羊羹づくりが栄えた歴史的背景や当時の様子

 


○ ふるさとの産業に関わる技能

小 学 校 中 学 校

【農 業】
・加工品や保存食づくり
・畑の開墾から収穫までの一連の作業

【林 業】
・工具の使い方やがニスの塗り方
・木の種類の見分け方

【水産業】
・魚種の区別
・魚の鮮度

【窯 業】
・手でこねたり、ろくろを使ったりして焼きものを作ること

【地場産業】
・自分たちで羊羹を作ること

 

【農 業】
・よりおいしい農作物を育てるため各段階における作業や技能のポイント
・手作業と機械による作業の手順

【林 業】
・のこぎりやなたの使い方
・炭のづくり方

【水産業】
・漁の基本的な技能
・郷土に伝わる魚料理

【窯 業】
・磁器絵付けの力
・焼きものの様式、特徴による見分け方

【地場産業】
・伝統的なづくり方による羊羹づくり

 


○ 問題解決のための学び方

小 学 校 中 学 校

【調べ方】
・本やインターネット等による調べ活動
・現地でのフィールドワーク

【まとめ方・発信の仕方】
・新聞・クイズなど多様な方法での発信

【その他】
・「調べ活動−まとめ−発表」という一連の学びのプロセスの理解
・地域の方と交流する力
・グループで協力して取り組む力

 

【調べ方】
・多様な方法による情報収集

【まとめ方・発信の仕方】
・読み手を意識した情報の整理及び発信

【生き方】
・自分のこれからの進路についての再考
・「農業を継ぎたい」という思いの向上

【その他】
・地域の方々と交流する力
・問題解決学習の一連の流れの理解