佐賀県に伝承されてきた祭りや民俗芸能を紹介します。
素朴な先祖の祈りにあなたもふれてみませんか?
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12年ぶりの田舞

鬼舞新緑が眩しい参道を歩いて、仁比山神社の本宮へと向かいます。石段を上がると檜造りの舞台が目に飛び込んできます。

前回の申年から12年。平成16年4月11日から23日までの13日間、本宮と下宮で御田舞が奉納されます。

御田役者と呼ばれる舞手は、締太鼓と鼓の合図で「イー、イー」とかけ声をあわせ、謡いながら舞い始めます。始めは種籾を蒔く所作が行われます。

古式ゆかしい衣装を身にまとった御田役者たちが演じる舞は、ゆったりとしてどこか懐かしく、厳かで、神に祈りを捧げる神事芸能だということが伝わってきます。

「エンヤー、オーハッ」というかけ声で一つの舞が終わり、次々と役者が位置を交代し、代かき、田植えと進行していきます。田植えが終わると、鼓、田打ち、田童が円陣になり、華やかな「大空めぐり」が演じられます。

最後に登場するのは、2人の鬼舞です。シャグマをかぶり、狩衣と裁着(たっつけ)袴
を身につけた赤鬼と青鬼が、大斧を手に勇壮に舞います。

大きくあげた足で地を踏み鎮めたり、合掌して飛び上がったり、大斧の柄を床に打ち付けたりして、悪霊を払います。

1時間半ほどの上演ですが、めまぐるしく移り変わる現代の社会にあって、ひととき、遠い昔から受け継がれてきた日本の祈りの形に触れることができる貴重な文化遺産です。