1 身の回りにある伴って変わる2つの数量の存在を意識づけるための指導について
2つの数量見付け活動の位置付け
この時期、伴って変わる二つの数量が身の回りに存在することを意識したり、二つの数量の関係を変数の意識をもってとらえさせたりすることを、難しく感じる児童も多い。これまでの指導では、1時間に1つの事象を取り上げ問題解決に取り組む既成の問題解決学習のパターンで学習を行ってきた。しかし、単元の数時間の学習では、幾つかの事象との出会いしか保障できず、身の回りの伴って変わる二つの数量の存在を意識できるようになるまでには至らなかった。
そこで、これまで行ってきたような単元の導入時に事象にじっくりふれさせるばかりでなく、問題解決学習に取り組む前に、伴って変わる二つの数量を発見させる活動を取り入れたい。身の回りにある具体例や、これまで学習してきたものの中に含まれるものの例など、いろいろな事象を子どもたちに提示し、その中に含まれる変数を発見させる活動を通して、伴って変わる二つの数量をより身近なものに感じ取らせたい。
2 変数の関係から決まりをみつけるよさを感じ取らせるための指導について
負荷のある課題の提示
初めて本格的な関数的な見方、考え方の学習に取り組むことを考慮して、二つの数量の間にある関係、易しい対応の関係(和が一定、差が一定)から、高度な対応(積の関係)へと学習を展開していきたい。簡単に解が導き出せる課題ではなく、表などにまとめる必要性を感じとらせるような負荷のある課題を提示したい。
解決段階に応じた児童への支援
具体的操作等から導いた値の組を表に整理させる際は、初めの幾つかの場合を全体で取り扱い、解の見通しを立てさせたい。また、解を求めることができた児童には、「問題を発展させた場合の解を予想することができないか、できるのであればなぜか」など決まりの存在に気づかせるような支援を行いたい。
解決方法の吟味
考えを出し合う際には、「数が増えたり、形が変わったりした場合でも、すぐ使える考えはどれか」などの観点をもとに整理する活動を位置づけたい。さらに、いつでも使えそうな解決方法をもとに発展的な課題を解決させる活動を取り入れることで、決まりを見付けるよさを感じとらせたい。 |