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パナソニック教育財団 第37回実践研究助成 

  Ⅰ ICTとは  
  1. 学校と情報化社会  
     高度情報化社会となった我が国においては、ICT(情報コミュニケーション技術:Information and Communication Technology)を中心とする社会構成を推進している。平成21年度「通信利用動向調査」(総務省)によれば、インターネットの利用者数は、9408万人に達し、人口普及率は78.0%となっている。また、自宅パソコンからのインターネット接続にブロードバンド回線を利用している世帯の割合が76.8%あり、このうち、光回線が41.4%と増加し、光ファイバーによるブロードバンド化が着実に進展している。この状況において、原口一博元総務大臣は、総務省の新たな成長戦略である「原口ビジョンII」において、「2015年頃を目処に、すべての世帯でブロードバンドサービスの利用を実現する」と提唱している。また、インターネットの利用状況においては、前述の通り、全体では78.0%であるが、6歳~12歳においては、68.9%、13歳~49歳においては、軒並み95%以上の利用率がある。このような現状を踏まえると、国内の全てにおいて、充実したブロードバンド回線を利用できる状況にあり、ICTを活用した社会の発展や生活の充実を期待できると考える。
 学校教育においては、学校からのインターネットへの接続が平成17年度には、ほぼ100%となっており、超高速インターネット接続率は、平成21年度には65.9%、普通教室による校内LAN接続率は72.2%、教員の公務用コンピュータ利用率79.9%となっている。さらに、教材研究・指導の準備・評価などにICTを活用することができる教員は、全体の73.9%、授業中にICTを活用して指導できる教員は58.5%、児童のICT活用を指導できる教員は60.3%いる。(H21_学校における教育の情報化に関する調査結果
 このような国内の情報通信状況や、学校の情報通信環境の充実度、ICTを活用した指導力のある教員の割合から、今後の学校教育においては、ICTを活用した教育を推し進めるには十分な程の環境が整っており、この環境を生かした学習及び生活の支援を考えていく必要がある。
 
       
   2.  教育におけるICT  
     学習指導要領の改訂により、情報教育や教科指導におけるICT活用等、教育の情報化に関わる内容について一層の充実が図られており、新学習指導要領の基で教育の情報化が円滑かつ確実に実施することが求められている。そこで文部科学省は、平成22年10月に「教育の情報化に関する手引」を公開し、教員によるICT活用、児童生徒によるICT活用の双方に取り組み、児童生徒の情報活用能力の育成や効果的なICT機器の活用による各教科等の目標の達成、校務事務負担の軽減による児童生徒と向き合う時間の確保を行い、これからの高度情報化社会を生きる資質と能力を兼ね備えた人材を育成できる教育環境の在り方を示している。
 さらに、「教育の情報化に関する手引」の第9章 特別支援教育における教育の情報化において、「各教科等の指導でのICT活用や情報教育(情報モラル教育を含む。)などの内容にわずかな配慮や工夫をすることで、特別な支援を必要とする児童生徒への指導に大きく役立てられる」と示しており、「コンピュータなどの情報機器は、特別な支援を必要とする児童生徒に対してその障害の状態や発達の段階等に応じて活用することにより、学習上又は生活上の困難を改善・克服させ、指導の効果を高めることができる」としている。このような点から、学習や対人関係に苦手さのある児童生徒へのICTを活用した支援を行うことの有用性があると考える。
 
       
   3.  ICTを活用した学習や対人関係に苦手さのある児童生徒への支援  
     ICTによる支援を考える際、ICTの導入そのものの妥当性について考える必要がある。この点について、山口県教育委員会特別支援教育推進室は、ICFの視点から「今後も、ICFの考え方を念頭に置いて、一人ひとりの児童生徒の実態に応じて環境を整えつつ、指導内容・方法の創意工夫に努め、児童生徒の自立と社会参加につながる指導や支援を進めることが大切。ICT機器による学習環境や生活環境の整備は、生活機能の向上をめざすICFの環境因子の一つと捉えることができる」と述べており、ICT導入の妥当性について指摘している。
 ICTを特別支援教育に導入し、その効果について言及した先行研究については、平成22年度「民間組織・支援技術を活用した特別支援教育研究事業」(発達障害等の障害特性に応じた教材・支援技術等の研究支援)最終報告書において、「“読む”という活動は、国語科のみならず、すべての活字媒体からの情報を入力する上で必要なものである。そのため、何らかの理由で読むことに困難をもっている場合には、教科書の情報を得ることができず、学習の遅れが広がってしまう。書かれた文字情報について、電子教科書によって拡大したりハイライトして少し読みやすくさせたり、読み上げさせたりすることで、情報の入力がスムーズになり、書かれた情報について整理したり考えたりするといった、本来の“学び”の活動が行えるようになったと考えられる」と指摘されている。このように、ICTの活用について、学習や対人関係に困難をきたしている児童生徒が、学校生活への意欲と自信を高めるための効果的な方法として高い可能性を含んでいると考える。
 
     
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