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数学的活動を取り入れた授業展開案

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 単元「平面図形」の小単元「基本の作図」(3時間)における数学的活動を取り入れた授業展開案です。
 

単元 平面図形 (啓林館)
  2 基本の作図
   【・1・ 基本の作図】   全3時間

 

1/3時

ねらい

・線分の垂直二等分線の作図ができる。

・線分の垂直二等分線の作図の方法を理解する。

段階
学習活動【数学的活動を通した指導のポイント】(●は数学的活動をともなう学習活動)
つかむ
○教科書138ページの「とびらの問題」に取り組む。
○本時の学習内容「線分の垂直二等分線の作図の方法を学ぼう」を知る。
○「作図」の意味を理解する。
○課題を考える。
 線分の垂直二等分線を作図してみよう。

 

 

見通す
数学的活動 〔成り立つ事柄を予想する活動〕
●線分ABの垂直二等分線上の点は、2点A、Bからどんな位置にあるか考え、作
  図の方法を予想する。
練り合う
数学的活動 〔観察、操作などの具体的な活動〕
●線分の垂直二等分線の作図の方法を考える。
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●自分が考えた、線分の垂直二等分線の作図方法を全体の場で発表する。
深める
数学的活動 〔目の前の課題から、物事の本質を見抜こうとする活動〕
●ひし形を使って、線分の垂直二等分線の作図の根拠を考える。
数学的活動 〔発展的に考える活動〕
●教科書140ページの問1を考える。
まとめる
数学的活動 〔自分が行った活動を振り返る活動〕
●線分の垂直二等分線の作図の方法を確認し、その手順や注意すべき点等、作
  図のポイントをノートにまとめる。

2/3時

ねらい

・角の二等分線の作図ができる。

・角の二等分線の作図の方法を理解する。

段階
学習活動【数学的活動を通した指導のポイント】(●は数学的活動をともなう学習活動)
つかむ
○「角の二等分線」について知る。
○本時の学習内容「角の二等分線の作図の方法を学ぼう」を知る。
○課題を考える。
 角の二等分線を作図してみよう。

 

 

見通す
数学的活動 〔成り立つ事柄を予想する活動〕
●角の二等分線は、どのように作図したらよいか予想する。
練り合う
数学的活動 〔観察、操作などの具体的な活動〕
●角の二等分線の作図の方法を考える。
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●自分が考えた、角の二等分線の作図の方法を全体の場で発表する。
深める
数学的活動 〔目の前の課題から、物事の本質を見抜こうとする活動〕
●対称性に着目して、角の二等分線の作図の根拠を考える。
○教科書140ページの問2を考える。
数学的活動 〔発展的に考える活動〕
●教科書142ページの練習問題2を考える。
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●グループで互いに、自分の考えを作図の図を基に、説明し合う。
まとめる
数学的活動 〔自分が行った活動を振り返る活動〕
●角の二等分線の作図の方法を確認し、その手順や注意すべき点等、作図のポ
  イ ントをノートにまとめる。

3/3時

ねらい

・定規やコンパスだけを使って、垂線の作図するという活動に関心をもち、その方法を考えよう
   とする。

・自分の考えを説明し、互いに伝え合うことができる。

・垂線の作図の手順を理解する。

段階
学習活動【数学的活動を通した指導のポイント】(●は数学的活動をともなう学習活動)
つかむ
○課題設定場面を知る。
○平行四辺形の面積の公式や垂直二等分線の作図の方法を復習する。
○本時の学習内容「定規とコンパスを使って、垂線を作図する方法を考えよう」を
  知る。
○課題1を知る。
 平行四辺形の高さを求めるために、定規とコンパスを使って、点Aから底辺BCに垂線を作図する方法を考えよう。

指導案

ワークシート

見通す
数学的活動 〔成り立つ事柄を予想する活動〕
●平行四辺形の高さを求めるために、その作図の方法を予想する。
練り合う
数学的活動 〔観察、操作などの具体的な活動〕
●ひし形や線対称な図形の性質を利用し、垂線の作図の方法を考える。
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●垂線を作図する手順を互いに説明し合う。
○全体の場で、作図の手順を発表する。
○課題で求めた垂線を基に、平行四辺形の面積を確認する。
深める
数学的活動 〔目の前の課題から、物事の本質を見抜こうとする活動〕
●垂線の作図の方法について確認する。
(ア) 直線XY上にある点Pを通るXYの垂線をひくこと
(イ) 直線XY上にない点PからXYに垂線をひくこと
数学的活動 〔発展的に考える活動〕
●課題2を考える。
まとめる
数学的活動 〔自分が行った活動を振り返る活動〕
●垂線の作図方法を確認し、その手順や注意すべき点等、作図のポイントを
 整理する。
〈実践を終えて〉
◇ 数学的活動について
・これまでに学習した作図の方法や図形の対称性を基に、垂線の作図の方法を多様に見いだす活動を通して、垂線の作図の方法や作図ができる理由についての理解を深めることができました。また、平行四辺形の面積を求めるという課題設定を行ったことで、生徒は実測するために垂線の作図の方法を考えるというように、目的意識をもって垂線を作図して課題解決を図ることができました。
・「自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動」では、グループで垂線の作図の方法や作図ができる理由について、これまでに学習した作図の方法や図形の対称性を基に互いに説明し合うことで、他者の考えのよさに気付いたり、自分の考えを深めたりすることにつながりました。
◆ 学習評価の進め方について
・数学的な見方や考え方の評価については、課題を考える活動(詳細授業展開案の学習活動の6)で形成的な評価を行いました。評価規準に照らして、「努力を要する」状況(C)になりそうな生徒に対して指導を行い、単元テストによる評価では、少なくとも「おおむね満足」状況(B)以上になるように支援しました。事前に評価規準や方法を検討していたため、「おおむね満足できる状況」(B)に達していない生徒には、速やかにヒントカードを配付するなどの適切な支援を行うことができました。
・課題を考える活動(詳細授業展開案の学習活動の6)で形成的な評価とそれに伴う支援を行った上で、多様な垂線の作図の方法について、これまでに学習した作図の方法や図形の対称性を基にまとめていくことで、垂線の作図の方法や作図ができる理由についての理解を深めることができました。
◆ ICT利活用について
・「つかむ」段階で、場面設定を視覚的に把握させるために電子黒板を利用しました。電子黒板を利用することで、この後の活動で、垂線の作図の方法を見いだすのは、平行四辺形の高さを求めるためであるということを明確にすることができました。生徒が目的意識をもって学習活動に取り組むことができるようにするために、電子黒板の利用は効果的であったと考えます。
・「練り合う」段階で、垂線の作図の方法や作図ができる理由について、これまでに学習した作図の方法や図形の対称性を基に発表をさせるために、書画カメラで生徒のワークシートを提示しました。発表する側にとって重要な部分を拡大したり、実際に電子黒板にポイントを記入したりしながら説明をすることができるように工夫しました。生徒の多様な考えを効果的に説明させたり、お互いの多様な考えに気付かせたりすることができたことで、数学的な見方や考え方を深めたり、広げたりすることができました。
・「深める」段階で、3つの垂線の作図の方法を確認させるために電子黒板を利用しました。作図の手順ごとにアニメーションを区切り、必要な部分は繰り返し提示することができるように工夫しました。生徒の反応や様子を見ながら作図の手順についての再確認をさせることができ、効果的であると思いました。

 

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