基礎的・基本的な知識・技能の習得と数学的な思考力・判断力・表現力の育成を目指します!

数学的活動を取り入れた授業モデル 

   

単元「一次関数」の小単元「一次関数の利用」(4時間)における数学的活動を取り入れた授業モデルです。
 下の授業展開案を授業にご活用ください。

 

単元 一次関数 (啓林館)   

 3 一次関数の利用

  【・1・ 一次関数の利用】   全4時間

 

1/4

ねらい
  ・ 実験で得られた数値の関係を基に、問題を解決しようとする。
  ・ 実験で得られた数値の関係を一次関数とみて考察することで、問題を解決することが
  できる。
  ・ 身のまわりの事象の中には、一次関数とみて問題を解決することができるものがある
  ことを理解する。
段階
つかむ
○本時の学習内容「実験の結果を基に、課題を解決しよう」を知る。
○教科書73ページの実験(水を熱する実験)を参考に、実験を行う。
 
 
見通す
数学的活動 〔成り立つ事柄を予想する活動〕
●実験の結果を表に表し、変化の様子についての特徴を予想する。
練り合う
○変化の様子を考察するために、グラフを用いることができることを理解する。
数学的活動 〔観察、操作などの具体的な活動〕
●表を基に、グラフをかく。
○表とグラフから、変化の様子についてどんなことがいえるか考える。
○課題を解決するために、実験の結果を一次関数とみて考えていくことを理解する。
○教科書74ページの表を基にかいた直線は、2点(0,20)、(4,46)を通ることを確認する。
○このグラフの式を考える。
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●グループのメンバーで互いに、グラフの式と求め方について説明し合う。
深める
○水温が5分をこえた範囲でも、水温が同じように変化を続けたとすると、
y=6.5x+20 の式を用いて、xに値を代入して水温を推測できることを理解する。
数学的活動 〔発展的に考える活動〕
●教科書74ページの問1を考える。
○教科書74ページの「自分のことばで伝えよう」を考える。
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●グループのメンバーで互いに、自分の考えを説明し合う。
まとめる
数学的活動 〔自分が行った活動を振り返る活動〕
●一次関数とみて考察することで、問題を解決することができることを確認する。

2/4

ねらい

・ 携帯電話に関する問題を、一次関数を用いて解決しようとする。

・ 携帯電話のそれぞれのプランの得になる場合を、グラフを用いて説明することが
   できる。
  ・ 携帯電話に関する問題を、表、式、グラフに表すことができる。

段階
つかむ
○本時の学習内容「最適な利用プランを考えよう」を知る。 
○場面設定を知る。
 姉が、携帯電話の契約内容について、契約した店に相談に行くので、川野くんもついて行くことにしました。次の会話文は、そのときの店での様子です。
  店員 「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか?」
  姉   「私は、現在、携帯電話をAプランで契約しています。先月は30
      分間通話をしました。しかし、来月から仕事で出張が多くなり、こ
      の携帯電話を利用する時間が長くなると思います。そこで、私に
      とってどのプランにしたら得なのか、わかりやすく説明してくださ
      い。その話を聞いて、プランを変更するかどうかを判断します。」
  店員 「はい。わかりました。それでは、今から説明します。」
○3つのプランを確認する。

見通す
数学的活動 〔成り立つ事柄を予想する活動〕
●何を用いれば分かりやすく説明できるかを予想する
練り合う
○課題1を考える。
3つのプランを、表、式、グラフを使って表しましょう。
○Aプランの表、式、グラフを確認する。
数学的活動 〔観察、操作などの具体的な活動〕
●BプランとCプランの表、式、グラフをグループで考える。
○課題2を考える。
それぞれのプランの特徴をグラフを使って比較し、どのような場合に得になるかを説明しましょう。
○Aプランについて考える。
○BプランとCプランについて考える。
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●グループのメンバーで互いに、自分の考え説明し合う。
深める
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●全体の場で、自分の考えを説明する。
数学的活動 〔発展的に考える活動〕
●場面2を紹介し、課題3を考える。
姉  「ありがとうございました。とてもわかりやすい説明で内容がよく伝わり
    ました。おそらく[ア] くらい使うと思うので、[イ] のプランにしようと思
    います。」
  上の[ア]が次の@〜Bの場合、それぞれどのプランが最適かを考えてみましょう。
  @ 55分     A 2時間      B 3時間30分
○自分の考えを発表する。
まとめる
数学的活動 〔自分が行った活動を振り返る活動〕
●数学と生活の場面のつながりや既習の数学を用いることのよさを実感する。
〈実践を終えて〉
◇ 数学的活動について
・課題2を考える活動(詳細授業展開案の学習活動の5)で、自分の考えをワークシートに記述させたことで、生徒は、次の自分の考えをグループの人に説明する活動(詳細授業展開案の学習活動の6)で、自他の考えを比較したり、自分の考えを振り返ったりさせることができました。その結果、学習内容の理解や自分の考えを深めさせることができました。
・全体で確認する活動(詳細授業展開案の学習活動の7)では、グラフを用いながら、2つのプランの特徴について説明させることで、式、グラフ、言葉を関連付けて考えさせることができました。
・課題3を考える活動(詳細授業展開案の学習活動の8)では、課題2の結果を基に、3つの場合でどのプランが最適かを考えるという「発展的に考える活動」を位置付けました。その結果、事象の変化の様子や一次関数の特徴について更に理解を深めさせることができました。
◆ 学習評価について
・数学への関心・意欲・態度の観点については、課題1を考える活動(詳細授業展開案の学習活動の4)で評価を行い、BプランとCプランの表、式、グラフを考える課題への取組の状況を見取りました。Cプランは、変化の様子が複雑であることから、グループで取り組むようにしたため、ほとんどの生徒が「おおむね満足できる状況」(B)に達することができました。
・数学的な見方や考え方の観点については、課題2を考える活動(詳細授業展開案の学習活動の5)でのワークシートの記述で評価を行いました。授業後にワークシートを回収して個別に評価を行い、単元における総括の資料としました。また、「おおむね満足できる状況」(B)に達していない生徒には、返却時にワークシートbQのグラフを用いながら、グラフの交点やグラフの上下関係を確認させました。そのことを踏まえて、BプランとCプランの得な場合について、説明できるように支援を行いました。
◆ ICT利活用について
・3つのプランの表、式、グラフについて確認する際に、電子黒板を利用しました。表やグラフの板書に時間が掛かることを想定し、パワーポイントで提示できるようにしました。その結果、時間を短縮することができ、個人で考えたり、グループで説明し合ったりする活動の時間を確保することができました。
・発表の場面では、書画カメラで生徒の記述を提示し、グラフの交点や上下関係を確認させながら説明させました。その結果、数学的な表現と具体的な事象との関係を結び付けて考えさせることができ、話す側と聞く側の両者の考えを深めさせることができました。

3/

ねらい

・ 速さに関する問題を、グラフを用いて解決しようとする。
  ・ 速さに関する問題を一次関数とみて考察することで、問題を解決することができる。
  ・ 速さに関する問題を式に表すことができる。

段階
つかむ
○速さ、時間、道のりの関係を確認する。
○本時の学習内容「出発してからの時間と目的地までの道のりについて考えよう」を知る。
 
 
 
見通す
数学的活動 〔成り立つ事柄を予想する活動〕
●教科書76ページの例題2のグラフから、(1)の求め方について予想する。
練り合う
数学的活動 〔観察、操作などの具体的な活動〕
●道のりをグラフを基に確認し、グラフの見方を理解する。
○教科書76ページの例題2の(2)について考える。
○教科書76ページの例題2の(3)の解決方法について考える。
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●グループのメンバーで互いに、(3)の解決方法について説明し合う。
○解決方法を確認し、答えを求める。
深める
数学的活動 〔発展的に考える活動〕
●教科書77ページの問3を考える。
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●グループのメンバーで互いに、自分の考えを説明し合う。
まとめる
数学的活動 〔自分が行った活動を振り返る活動〕
●グラフから情報を読み取り、グラフや式を利用して課題を解決する過程を確認する。
 



ねらい
 ・ 長方形の中にできる、三角形の面積関する問題を、一次関数を用いて解決しようと
  する。
  ・ 長方形の中にできる、三角形の面積の変化の様子を一次関数としてとらえることが
  できる。
 ・ 長方形の中にできる、三角形の面積の変化の様子を表、式、グラフに表すことが
  できる。
段階
つかむ
○三角形の面積を求めるための公式を確認する。
○本時の学習内容「三角形の面積の変化について考えよう」を知る。
 
 
 
見通す
数学的活動 〔成り立つ事柄を予想する活動〕
●時間に伴う三角形の面積の変化を予想する。
練り合う
数学的活動 〔観察、操作などの具体的な活動〕
●点Pが辺AB上にあるときの三角形の面積を、x=0,1,2について具体的に求める。
○0≦x≦3の場合について、変化の様子をグラフに表す。
○点Pが辺BC、辺CDにある場合について、三角形の面積の変化の様子を考える。
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●グループのメンバーで互いに、三角形の面積の変化の様子について、自分の考えを説明し合う。
深める
数学的活動 〔発展的に考える活動〕
●三角形の面積が4 になるのは、何秒後かを考える。
数学的活動 〔自分の考えを人に伝える活動・人の考えを理解する活動〕
●グループのメンバーで互いに、自分の考えを説明し合う。
○グラフを基に、2秒後だけでなく、8秒後も成り立つことを確認する。
まとめる
数学的活動 〔自分が行った活動を振り返る活動〕
●表、式、グラフを用いて、課題を解決することができることを確認する。
       

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