小学6年「拡大図と縮図」 4/8時の学習評価

第3時から第6時は、いずれも作図について学習する。前時である第3時の方眼を使った作図の学習を受けて、本時はコンパスや分度器を用いた最も基本的な作図の仕方について学習する。そこで、本時を【技能】の全員の評価の機会とし、第3時と第6時を補完のための評価とすることで、評価を指導に生かし、作図の技能を徐々に高めていくことができるようにした。また、本時を【数学的な考え方】の補完のための評価、次時の第5時を全員の評価の機会とし、本時で学習した考え方を活用して、1つの点を中心にした拡大図の作図の仕方を考えることができるようにすることを目指した。
○ 合同な三角形のかき方を基に、辺の長さや角の大きさに着目して、三角形の拡大図のかき方を考えている。
                                                   【数学的な考え方】(観察、ノート)
A 拡大図をかくために必要な辺の長さや角の大きさを測定し、合同な三角形のかき方と関連付けて、2倍の拡大図のかき方を多様な方法で考えている。
B 拡大図をかくために必要な辺の長さや角の大きさを測定し、2倍の拡大図のかき方を1つの方法で考えている。
〔「努力を要する」状況(C)と判断した児童への指導〕
 もとの三角形の2倍の長さの底辺をひいて、他に必要な辺の長さや角の大きさを考えさせる。      

児童Dのノート(自力解決の場面)

児童Dは、自力解決の場面において、教師が用意しておいた三角形ABCの辺の長さと角の大きさが記入されているワークシートを使って解決をした。その際、2倍の拡大図をかくために必要な辺の長さや角の大きさを考え、図や言葉を用いて作図の仕方を考えていることがノートの記述から分かる。そして、「2つの辺とその間の角」を使った方法で作図の仕方を考えることができている。このことから、児童Dは自力解決の段階において、「おおむね満足できる」状況(B)と評価した。


 
    





児童Eのノート(自力解決の場面)

児童Eは、自力解決の段階において、2倍の拡大図をかくために必要な辺の長さや角の大きさを測定し、図や言葉を用いて「3つの辺の長さ」と「2つの辺とその間の角」の2つの方法で作図の仕方を考えていることがノートの記述から分かる。このことから、児童Eは自力解決の段階において、「十分満足できる」状況(A)と評価した。

 





児童Fのノート(自力解決の場面)

児童Fは、自力解決の場面において、2倍の拡大図をかくために必要な辺の長さや角の大きさを見付けることができず、学習が進んでいなかった。この段階では、「努力を要する」状況(C)であることが分かる。そこで、合同な三角形をかくための条件を確かめ、拡大図をかくために必要な辺の長さや角の大きさに印を付けるよう助言した。

その後、助言を基に、児童Fは2倍に拡大した三角形のかき方を考えていることがノートの記述から分かる。このことから、「おおむね満足できる」状況(B)と評価することができ、それが本時における児童Fの評価となる。


C → B



◎ 三角形の拡大図のかき方を基に、必要な辺の長さや角の大きさに着目して、縮図をかくことができる。
                                      【数量や図形についての技能】(観察、ワークシート)
A 問題に応じて、3通りの作図の仕方の中からよりよい方法を選択し、正確に縮図をかくことができる。
B 合同な三角形のかき方と関連付けて、縮図をかくことができる。
〔「努力を要する」状況(C)と判断した児童への指導〕
  拡大図をかくときに用いた合同な三角形のかき方を想起させ、1/2の長さの底辺をひいて、他に必要な辺の長さや角の大きさを確認する。
児童Eのワークシート(適用問題)

児童Eは、適用問題において、拡大図をかくときに用いた「3つの辺の長さ」を使って縮図をかいていた。その際、辺ACの長さが1/2にすると2.65pとなり、定規では測定することができず、概数を用いていることがノートの記述から分かる。

しかし、合同な三角形のかき方と関連付けて縮図をかくことはできているので、「おおむね満足できる」状況(B)と評価した。

 


児童Gのワークシート(適用問題)

児童Gは、適用問題において、1/2の長さにしやすい2つの辺に着目し、3通りの作図の仕方の中から「2つの辺とその間の角」を使う方法を選択し、縮図をかいていることがノートの記述から分かる。このことから、よりよい方法を選択して正確に縮図をかくことができているので、「十分満足できる」状況(A)と評価した。

 


児童Fのワークシート(適用問題)

児童Fは、適用問題において、1/2の縮図をかくために必要な辺の長さや角の大きさを見付けることができず、学習が進んでいなかった。この段階では、「努力を要する」状況(C)であることが分かる。そこで、拡大図をかくときに用いた合同な三角形のかき方が縮図でも活用できることを確かめた。また、3通りの作図の仕方の中からどの方法を使うか決めさせ、縮図をかくために必要な辺の長さや角の大きさに印を付けるよう助言をした。

その後、助言を基に、児童Fは1/2に縮小した三角形をかいていることがノートの記述から分かる。このことから、「おおむね満足できる」状況(B)と評価でき、それが本時における児童Fの評価となる。

C → B



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