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実践事例 小学校第5学年 「ふりこの動き」 
sidouan
単元名
ふりこの動き
本時の目標
振り子の長さを変えたときに、振り子が1往復する時間を調べる活動を通して、振り子が1往復する時間を振り子の長さと関係付けて考えることができる。
本時の展開の概要(4/7)
振り子が1往復する時間が変わる要因として、児童は、「振れ幅」「振り子の長さ」「おもりの重さ」を考えている。実際に振り子が1往復する時間に関係しているのは「振り子の長さ」である。本時は、「振れ幅」と「振り子の長さ」の両方を変えた2つの事象(振り子の振れる様子)を比較させる。児童は、前時の学習にて「振れ幅」は関係がないことから、振り子の長さに着目して探究活動を行う。
導入の事象提示のA事象、B事象の比較の視点
(ア)素朴概念(イメージ)と科学的な概念を比較させる事象提示
(ウ)既習事項と未習事項を比較させる事象提示
展開
※事象提示動画については、分かりやすく撮りなおしたものを掲載しています。
過程
主な学習活動(○)と主な児童の意識(・)
教師の手立て(○)
資料



○事象提示を見る

板書
「Aの振り子は(        )1往復の時間は長い。」
「Bの振り子は(        )1往復の時間は短い。」
○2つの振り子を提示し、1往復する時間が違うことを示した。
○ABともおもりの重さは変わらないことを知らせた。
【事象A】
振り子の長さ25cm、振れ幅15°
【事象B】
振り子の長さ50cm、振れ幅30°










○事象を説明し、考えを話し合う
・前の学習では振り子の1往復の時間に振れ幅は関係ないんだったよね。
・ということは、違うのは「振り子の長さ」かな。

<キーワード> 振り子の長さ
○グループで話し合わせて、変化の要因となるものをキーワードとして挙げさせた。
○話し合いの中で、前時の学習、振り子の振れ幅と1往復の関係を想起させ、本時のキーワードが出やすいようにした。








○学習問題を立てる

振り子の長さによって、振り子が1往復する時間はどう変わるだろうか、調べてみよう。
○児童が「糸の長さ」という表現をした場合は、「振り子の長さ」という表現に直させた。
○キーワードを使って学習問題を立てさせた。
 

○実験方法を話し合う
・振れ幅とおもりの重さは変えないようにするんだね。
・10往復する時間を計って平均を出すんだね。
○変える条件、変えない条件を整理させた。
○前時の振れ幅の実験を想起させ、できるだけ誤差を小さくするために、10往復の時間を計って平均を出せるようにした。
○実験の結果は、一人一人の結果を集計して、グループ全員の結果として、一覧にまとめるように告げた。
 

○実験を行う
・振り子の長さが長いとゆっくり振れるようになるよ。
・振れ幅が少し違ってもやっぱり時間は変わらないね。
○振れ幅が一定になっていない児童には、30°に設定するように助言した。 このとき、振れ幅が違っていても、振り子が1往復する時間は変わらない様子を観察させ、実感させるようにした。  

○結果を交流する
・振り子の1往復の時間には、やっぱり振り子の長さが関係しているね。
○拡大したグループの結果表を黒板に貼り、結果から得られる共通点について考えさせた。
 

○結果から言えることをまとめる
・振り子の長さが長いと1往復する時間は長くなり、振り子の長さが短いと1往復する時間は短くなることが分かった。なぜなら・・・
○「■■■は▲▲▲であることが分かった。なぜなら、●●●」という話型を与えて、考察をさせた。
○「なぜなら」の後は、自分の実験の結果を書かせるようにした。
 
 
授業を振り返って
前時の振れ幅の学習が生かされるか、少しゆさぶりをかける事象提示を行った。振れ幅は振り子の1往復の時間に関係がないという学習をしているものの、2つの要因が混じることで、「振り子の長さ」だけに着目することに戸惑いを感じている児童が見受けられた。しかし、事象の読み取りについて、児童同士の話し合いを行った結果、着目するのは振り子の長さであろうと問題を焦点化する姿が見られた。振り子スタンドや、ストップウォッチの台数の制約から一人一人にじっくり実験に取り組ませることが難しかった。
 
 

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