食生活における確かな実践力をはぐくむ中学校家庭科の授業を提案します!

 1 研究の概要

(1)研究テーマ

 

 食生活における確かな実践力をはぐくむ中学校技術・家庭科(家庭分野)の研究
   ―生徒が自らの食生活を主体的に考えることができるような学習指導を通して―

(2)研究テーマ設定の趣旨

 中学生を取り巻く現代社会の食事情
 現代の日本人の食生活は、朝食の欠食、調理済み加工食品の摂取過多など多くの問題を抱えており、このような食環境の中で、中学生の食生活にも偏りがみられます。佐賀県体育保健課が実施した平成19、20年度児童生徒の朝食等実態調査の結果によると、朝食を毎朝摂取している生徒の割合は年々増加していますが、バランスのとれた望ましい朝食を摂取している生徒は36%程度でこの2年間ほとんど変化は見られません。このことは、生徒が技術・家庭科の授業の中で、調理実習など喜んで取り組み、栄養バランスのとれた食事をすることの大切さ等についての学習をしているにもかかわらず、実際の食生活には十分に結び付いていないことの一つの表れではないでしょうか。栄養バランスのよい食事をとることや多種多様な食品からよりよい食品を選ぶことは、将来の生活はもとより現在の生活にも欠かすことのできないことだと考えられます。このように、生徒の健康の保持増進を図る上でも、食生活における確かな実践力をはぐくむことが重要です。
 特定の課題に関する調査や新学習指導要領と本研究のかかわり
  平成19年に実施された特定の課題に関する調査(技術・家庭)の食生活に関する調査結果を見ると、指導に当たっては、「食品の選択・購入する体験を取り入れ、生活に活用できる知識を確実に身に付けさせる工夫など、学んだ知識を調理などの実践に生かしていく能力と態度を養う指導の工夫」が求められています。また、調理においても「学んだことが家庭での実践につながるような指導の工夫」が求められています。
  新学習指導要領においても、今まで以上に実践的な学習が重視され、自分の食生活において自ら課題を発見し、食生活を主体的に考えることができるような学習の一層の充実を図ることが求められています。さらに、指導内容が4つの内容に整理され、すべての内容を生徒に履修させるようになりました。また、小学校家庭科の内容との体系化を図り、中学生としての自己の生活の自立を図る視点から内容が再構成されました。
 本研究の目的
 これらのことから、これからの中学校技術・家庭科(家庭分野)において、「食生活と自立」における内容において、生徒が自らの食生活を主体的に考えることができるような学習指導を通して、生活の自立を図る確かな実践力をはぐくむことが必要であり、これを研究テーマとして研究を進めました。

(3)研究の方法と内容

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 3年間を見通した指導計画の作成
 生徒が、自らの課題を設定し、解決の方法を考えて実践を重ね、解決を図るという学習過程を明確に位置付けた指導計画を作成します。
A
 小・中学校における「食生活」の指導内容の系統性に関する対照表の作成
 小学校での学習を基盤にして学習内容の関連を図り、中学校での学習を発展的に展開していくために、小学校・中学校双方の指導内容の系統性や連続性を明らかにした対照表を作成します。
B
 問題解決的な学習を重視した授業の実践
 「食生活と自立」に関する授業の導入段階において、生徒が自らの課題を見付け、家庭生活や今後の授業の中で改善の方法を考えていくことのできる問題解決的な学習を重視した授業を実践し提案します。

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最終更新日: 2010-03-24