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指導計画作成についての解説 (中等教育資料 平成21年6月号 より) |
指導計画を作成するに当たって配慮すべき事項や魅力ある題材の設定、ストーリー性のある指導計画の作成については、『中等教育資料』平成21年6月号(文部科学省)に掲載されている「各教科等の改善/充実の視点−技術・家庭−」(前初等中等教育局教育課程課 教科調査官 岡 陽子氏の資料)を参考にしています。 |
1 指導計画作成上の配慮事項について
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ア 新学習指導要領の趣旨を踏まえる |
改訂の趣旨に沿った、魅力ある指導計画を作成するためには、まず、学習指導要領の改訂の趣旨や内容を十分に理解することが大切です。
新学習指導要領では、
○
実験や観察、調査などの実践的・体験的な学習活動
○
学習した知識や技術を生かして生活の課題を考え工夫するなどの問題解決的な学習
が重視されています。
また、それらの学習活動を通して、
○生活の自立に必要な基礎的・基本的な能力と実践的な態度
○将来にわたって自立した生活を営む見通しをもつことができるような能力
を育成するよう改善が行われています。
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イ 各分野の授業時数は等分にする |
技術分野及び家庭分野の授業時数については、3学年間を見通した全体的な指導計画に基づき、 A〜Dのいずれかの分野に偏ることなく、すべての生徒に履修させる必要があります。その際、A(3)のエ、B(3)のウ及びC(3)のイの事項については、これら3つのうち1又は2事項を選択して履修させることに留意することが大切です。
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※A(3)のエ…家族又は幼児の生活についての課題と実践
B(3)のウ…食生活についての課題と実践
C(3)のイ…衣生活又は住生活についての課題と実践 |
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ウ 各内容の項目に適切な授業時数を配当する |
家庭分野の内容AからDの各項目に配当する授業時数及び履修学年については、地域、学校及び生徒の実態等に応じて各学校において適切に定める必要があります。また、3学年間全体を見通して十分に検討し、バランスのとれたものにすることが大切です。
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エ 他教科や総合的な学習の時間、道徳等との関連を図る |
他教科や総合的な学習の時間、道徳等と関連の深い内容については、指導者が意識して、それらとの関連について示したり、同時期に学習させたり、関係のある教材を双方で取り上げたりするなど、両者を相互に関連させて学習効果を高めるようにすることが大切です。
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題材の設定に当たっては、各項目及び各項目に示す事項について、相互に有機的な関連を図り、総合的な展開となるよう留意します。その際、小学校家庭科の指導内容と中学校の指導内容を対照表にして把握するなど、中学校で指導すべき基礎・基本を明確にすることが重要です。
また、生徒の発達の段階を踏まえ、興味・関心を高めるとともに、生徒の主体的な学習活動や個性を生かす活動を大切にし、生徒にとって魅力ある題材となるように工夫することが大切です。 |
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指導を効果的に行い意欲的な学びとするためには、指導者が教科や分野の目標を踏まえて、題材を効果的に配列し、3学年間を見通したストーリー性のある指導計画を作成することが大切です。 |
ア ねらいを明確にする
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@教科や分野の目標を踏まえ、最終的に生徒にどのような資質・能力を育成するのか、家庭分野ではぐくみたい
生徒の姿を明確にする。
A3年間の目標や指導の大まかな流れ(ストーリー)に沿って、中学校3年間の題材を決め、配列する。
B
さらに、流れを意識して、題材をつなぎ、積み上げていく。 |
イ 題材を効果的に配列する |
小学校の学習を踏まえ、段階的に題材を配列することが必要です。また、学習における題材の位置付けを工夫し作成することが求められています。 学習における題材の位置付けを明確にした指導計画を工夫し作成することが大切です。
題材の位置付けを行う上で留意する点
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基礎的なもの |
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応用的なもの |
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簡単なもの |
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難しいもの |
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要素的なもの |
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複合的なもの |
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反復して知識・技能を習得させることが必要なもの |
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知識・技術を活用させる場面を設定すると効果的なもの |
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