基礎的・基本的な知識・技能の習得と数学的な思考力・判断力・表現力の育成を目指します!

 算数的活動を取り入れた授業における指導のポイントはこれだ!
 
算数的活動のとらえ方
   これまで私たち指導者の多くが、算数的活動を「児童に身体を使って考えさせる、実感させる」というような外的な活動ととらえていました。しかし、改訂された学習指導要領においては、「学習を通して考える、あるいは考えたことを表現する、友達に自分の思いを説明したり、伝えたりする」という内的な活動が重要になると言われています。これらの活動を繰り返し行うことで、児童は自分が身に付けた知識や技能を自由に活用して、自分なりの言葉や表現方法でまとめることができるようになり、そのような力を伸ばしていくことが大事になるとされています。
 そして、これらの活動は学習過程の「自力解決」場面ばかりでなく、学習過程の多くの場面に工夫して取り入れられることが必要になります。その一つとして 「学び合い」の場面において、自分の考えや思いを表現する活動や友達に説明し、伝え合う活動等を取り入れていくことが考えられます。

 

  また、これまで実践されてきたような作業的な活動、体験的な活動、具体物を用いた活動等も、数量や図形についての知識の理解と技能の習得を図るためには大事な活動です。そこで、それぞれの学習のめあてをもう一度見直し、それを明らかにして「基礎的・基本的な知識・技能の習得を図る」ための活動や「知識・技能を活用して思考力・判断力・表現力を伸ばす」ための活動のねらいとつなげて、学習の流れを組み立てていくことが大切になります。
  算数的活動を意識した教材研究の進め方
   下記のような手順で教材研究を行い、単元全体の目標を明らかにして1時間ごとの学習を組み立てます。
 
教材研究の進め方(学習計画の組み立て方)
単元全体を見通して、1時間ごとのめあてを明らかにする。
そのめあてを達成するために、基礎的・基本的な知識・技能を習得させることが中心なのか、数学的な思考力・判断力・表現力をはぐくむことが中心なのかを検討する。
めあてに合わせた内容を明らかにして、それを実践するために問題解決的な学習の中にどのような算数的活動を取り入れるかを検討する。
めあてに応じた算数的活動によって、児童が主体的に学習に取り組むことができるかを検討する。また、学習のめあてが達成できるかを考える。
   
 
これから重視される算数的活動
振り返る活動 「見通す」場面において、本時の課題にかかわる既習事項(内容)を想起する活動。また、そのつながりをどのように導いたかを明らかにし、児童に既習事項の振り返り方を習得させる活動。(また、既習事項の共有、自力解決に向けての見通しの明確化)
自分の考えを表現する活動 「自力解決」までの場面で、自分が考えたことをまとめ、書き表す活動。
まわりの人に伝えるを意識し、各自が考えたことをまとめる活動(自分の考えを整理する活動)
※ここでの表現する活動については、以下の3つのことを参考にしている。
 

※表現する活動には、以下のような役割があると言われています。

考える手掛かりにするための表現 問題(課題)を整理し、解決方法を導くために行う表現活動のこと
自分の考えを表し、客観的に見直すための表現 自分の解決方法を振り返り、それを確かめるための表現活動のこと
自分の考えを筋道立てて、整理するための表現 自分の解決方法を整理し、相手を意識して伝えるものに仕上げるための表現活動のこと
自分の考えを説明する活動 学び合いの場面で、自分の考えを相手に分かりやすく説明し、伝える活動。
(相手を意識し、絵や図、式、言葉等を活用して、自分の考えや思いを説明すること)
   

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最終更新日: 2010-06-28