基礎的・基本的な知識・技能の習得と数学的な思考力・判断力・表現力の育成を目指します!

基礎的・基本的な知識・技能の習得と数学的な思考力・判断力・表現力の育成について
 算数科の目標 「学習指導要領解説(平成20年8月)」より
   算数的活動を通して、数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け、日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え、表現する能力を育てるとともに、算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き、進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。
  まずは、上の算数科の目標をよく見てみましょう。
 「算数的活動を通して」という言葉が、 目標の一番はじめに示されています。                       

 
そうですね!
この算数的活動を通して、 知識や技能を身に付けたり、 筋道を立てて考え、表現する能力を育てたり、進んで、生活や学習に活用する態度を育てたいという意図があるのですね。

そして、「筋道を立てて考え、」のあとに、「表現する能力」も加わっています。

 
     まずはじめに、「基礎的・基本的な知識・技能の習得」ということについて考えてみましょう。
 基礎的・基本的な知識・技能とは、どういうことかな?
  ○ 国語力と並んで、生活や学習の基盤になるもの
○ 日常生活においても、他教科等や総合的な学習の時間における学習においても、様々な活動の基に
    なるもの
○ これから先の算数や数学の学習において発展させていくための基になるもの

と示されています。
そうですね!
みんなが毎日の生活の中でいつも使うものですね。
そして、他の学習でも使うから、しっかりと身に付けさせないといけませんね。

また、他の教科ばかりではなく、算数や数学の学習のためにも大事ですね。

 基礎的・基本的な知識・技能の内容はどんなもの?
  ○  数量や図形にかかわる意味や概念、原理や法則
○  数量や図形を式や記号、用語などを用いて簡潔に表現する方法
○  いろいろな用具を用いて量を測定したり図形を作図したりする方法

などが含まれると言われています。
そうですね!
新しい言葉や計算方法や公式、きまりなどですね。
それから、時計やものさし、コンパスなどの使い方なども含まれますね。
ただし、その言葉や使い方を覚えるだけではいけないんですね。
計算や用具の使い方が上手になるだけでも、何か足りないようですよ。
ちゃんと、その意味や考え方などを自分のものにさせることが大事なようですね。
そして、もう一つ大事なことは、授業を実践していく中で、
それまでに身に付けた知識や技能を進んで使いながら、子ども達が新しいものを見付けたり、考えたりする経験をさせることが大事になりそうですね。

 身に付けるというのは、どういうことでしょうね?
  ○ 数量や図形の意味をとらえ、納得できるようにすること
○ 生活や学習の場面で目的に応じて適切に使えるようにすること

と示されています。
それじゃあ、計算の仕方を機械的に暗記させるような学習では、だめですね。

また、 計算を形式的に処理して、ただ速く計算できるようにさせるだけでもいけないみたいですよ。

きちんと、計算や道具の使い方の原理、法則を理解させて、使えるようにさせないといけないですね。
このような使い方ができるようになることを「身に付ける」と言うんですね。ここまでできるようになると、問題や場面が変わっても自分で考えて使えるようになるはずですね。  
そして、ここで言うように、
「意味を理解し目的に応じて用いることができる」ようにするためには、数学的な思考力・判断力・表現力をはぐくむ学習を経験させたり、算数的活動に取り組ませたりすることが大事になります。
   
数学的な思考力・判断力・表現力の育成について
1
 「算数科の目標」で、今までと変わったところはどこですか?
  「日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え、表現する能力を育てるとともに、算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き、進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。」
と示されています。
まず、
「表現する能力」という文言が付け加えられています。
そして、
今までは「生活に生かそうとする態度」と言われていましたが、「生活や学習に活用する態度」と変わっています。毎日の学習の中で取り扱うことが大事だと言われています。
   
2
 どうして、「表現する能力」が加わったのですか?
 
それはですね、
 
 
互いに補い合う能力だからです。
考える能力とは・・・
考えを表現する過程で、自分のよい点に気付いたり、誤りに気付いたりする力
 
表現する能力とは・・・
考えを表現することで、筋道を立てて考えを進めたり、よりよい考えにまとめたりする力
 
つまり、 考えたことを、友達に説明したり、文章にまとめたりしているうちに、よいところや悪いところが改めてはっきりすることがありますね。また、文章に表したり、メモにまとめたりしていきながら、考えが整理できることもありますね。このようなことから、考える能力と同じぐらいに表現する能力をはぐくむことを大事に考えているようですね。
だから、日々の学習では、 様々な考えを出し合って、お互いの考えを説明したり、伝え合ったりする算数的活動を取り入れることが大事になりそうですね。
   
3
 なぜ、算数科の学習で取り扱うようにされたのかな?
  それはですね、
 

 

 

 

 

 

算数科の学習場面に問題を解決したり、判断したり、推論したりする場面を設定することができるからです。

そして、このような場面を通して学習させることで 見通しをもって考えたり、筋道を立てて考えたり、表現したりする力を高めさせていくことができるようになると言われています。

だから、このようなねらいが設けられている算数科の学習が、最も適していると言われています。(もちろん、他の教科等でもこのようなねらいをめざすことはできます。)

そこで、このめあてに沿うような学習計画を立てていくことが大事になりそうです。
特に算数科の学習の特徴として、 帰納的に考えたり、演繹的に考えたりする場面などを計画的に設けることが必要になると思います。また、算数科の学習に系統性があることが、筋道を立てて考えたり、説明したり、表現したりする能力を育てていくことにつながると言われているようですね。
   
 では、具体的な学習場面ではどうすればいいのですか?
  各学年における学習では、
   
 
児童の発達段階や、その学年での指導内容に適した形で見通しをもち筋道を立てて考える能力を育てていくことが重要
児童が具体物を用いたり、言葉、数、式、図、表、グラフなどを用いたりして、自分の考えたことを表現したり、友達に説明したりする学習活動を取り入れることが重要
   
   と言われています。
 
このことから考えると、 児童の実態をつかんで、現在理解していることを使って考えさせることが大事なります。
そして、自分の考えを分かりやすく表現させ、友達に伝えさせることが必要になります。
それと、具体物など使って考えさせたり、説明させたり、表現させたりすることも重要になりそうです。

 

また、言葉で説明したり、絵や図に表したり、式などに分かりやすくまとめたりさせることが大事になります。そして、逆にそれらを読み取ることも大事になりそうですね。
   
 数学的な思考力・判断力・表現力をはぐくむ学習を続けると
 
日常生活においても、合理的に考えたり、論理的に考えたりすることができるようになります。
根拠を明らかにしながら、説明したり、表現したりすることをを通して、互いの考えや思いを伝える能力を育成することになります。
自分の考えたことを分かりやすく説明したり、表現したりするために、基礎的・基本的な知識・技能を活用しながら、学習したことをきちんと身に付けることができるようになります。
 
そこで、
「数学的な思考力・判断力・表現力をはぐくむ」ためには、基礎的・基本的な知識・技能を習得することと、算数的な活動を取り入れた学習を行うことが大事になります。
   

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最終更新日. :  2010-03-24