中学校 技術・家庭科(家庭分野)

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 研究の成果
○生徒による製作題材の選択
 提示した資料は4つでしたが,製作計画を考える中で,提示した題材以外にも自分に必要なものを作る生徒が出てきました。製作するものは違っても製作手順が同じため,生徒のアイディアを生かすことができました。材料として,不用になった衣服を活用することで,再利用の方法を身に付け,環境や資源について考えるきっかけとなったようです。
 生徒が考えた作品は,提示した製作例以外に
    部活動ボール入れ ・ ヘアピン入れ ・ 文房具入れ ・ 財布
などがありました。
  ※ 実際の生徒作品
<ポケットティッシュカバー>    <お弁当袋>     <リコーダー入れ>     <リメイクバッグ>
○拡大まつり縫い模型の利用
 製作の手立てとして一番つまずきそうなまつり縫いの部分では,不織布を用いた拡大まつり縫い模型を作成しました。拡大模型で行った後,実物でまつり縫いをさせました。これにより、まつり縫いがよく分かり,実物においてもスムーズに作業に取り組むことができていました。

○ルーブリックの活用    ルーブリック
 単元の最初に生徒に学習の目安を示すためにルーブリックを提示しました。このルーブリックを生かした学習カード(製作手順)を作成し,製作手順毎に自己評価を行わせました。このことにより,できるだけA(完璧)に近付くように努力する姿が見られました。
 また,ルーブリックの中には製作のコツも示していたため,製作の手立てにもなっていました。


○相互評価の活用
 製作を振り返っての感想を記入させる際には,友達からの一言を書いてもらう欄を設け,友達から認めてもらう場面を設定しました。これにより,自己満足感が高まり,家庭でもやってみようという意欲につながりました。
 <友達から一言>より
  ・まつり縫いやスナップつけが上手に出来ていました。
  ・服をうまく利用していました。(ワッペン)
  ・ボール入れはとても役立つと思いました。

○授業後のアンケートより (授業クラス 1年 36名)
 意欲的に取り組めた理由として「自分でいろいろ考えられたから(デザインなど)」という回答が多くありました。他にも「まつり縫いが上手にできたから」「友達と協力し合えたから」「自分でこんなものが作れるとは思っていなかったから」「楽しかったから」という回答もありました。
 
 以上のことから,製作の中に基礎的な学習事項を取り入れた製作学習を行い,生徒の必要性に応じて選択させることで,学習への意欲が高まり,拡大模型やルーブリック・相互評価などの手立てをとることで,更に「またやってみたい」という実践への意欲につなげることができたと考えます。
 今後の課題
 意欲的に取り組めなかった理由として「思ったより時間がかかったから」「縫い方を覚えていなかったから」「難しかったから」という回答がありました。生徒が持参した衣服の中で,Tシャツなど綿ジャージの素材は作業しにくかったことが一因として考えられます。また,製作時間短縮のためにアイロン接着のバイアステープを使用しましたが,ポケットティッシュカバーにおいてはスナップ付けがしにくくなってしまったようです。今後,更に短時間で製作できる方法を検討していく必要があります。


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