児童生徒の様子
学年 中学生
学習の様子 自分が納得がいくまで学習を続けようとするため時間がかかる。せかされることを嫌う。そのため,教室で授業を受けることができない。
生活の様子 自分のペースで活動しがちなため,周りの活動のペースに合わせることが難しい。遅刻が時々ある。相談室で一日の多くを過ごす。
友達関係 一方的に同じ話を繰り返すため,コミュニケーションをとることが難しい。クラスには数人仲のよい友達がいる。
好きなこと パソコン,読書
嫌いなこと 運動
プロフィールから
の気付き
自分のペースで行動するため,集団の活動に参加することが難しい。また,友達との会話では,一方的に話すことが多いため,集団の中では孤立しがちである。
期待する姿 ○ 相談室で安心して過ごし授業を受ける。
○ 1日のうち,少しでも教室に行くことができる。
支援案の検討       支援案選択シートはこちら
支援メンバー 担任・同学年・養護教諭・教科担当・教育相談員・友達
話し合いの様子 学年会や職員会議で,集団に適応することが難しい生徒について共通理解した。校内研で個別アセスメントシートについて研修を行ったあと,担任やかかわりのある教師でチェックシートを記入し,どのような点で困難を感じているか分析しながら支援計画を立てた。
支援の方向性 周りの活動のペースに合わせることや友達とのコミュニケーションの難しさから集団の中で過ごすことができない。そのため,本人のペースを大切にしながら,相談室で安心して過ごせるよう配慮し,エネルギーを高めていく。
支援案の選択とその理由
(優先順位1)
【信頼できる友達や教師が言葉かけをする。】
 楽しいと思える遊び(ゲーム)や気の合う友達との会話でエネルギーを高めたいと考えた。
支援案の選択とその理由
(優先順位2)
【その子なりの参加の仕方を工夫する。】
 周りの活動のペースに合わせることが難しいため,無理に集団に入れようとせず,本人のペースで参加させる方法を考えていく。
支援案の選択とその理由
(優先順位3)
【本人がリラックスできる時間や場を設ける。】
 登校時,つらそうな表情をしているので,本人のペースでゆっくり過ごせる場所を与えたいと考えた。 
支援案の選択とその理由
(優先順位4)
【特別な場で個別指導を行う。(補充学習など)】
 自分が納得するまでしようとして一斉授業のペースについていけず,教室に入ることが難しいので,個別指導をしていく。
支援の様子と評価    支援計画シートはこちら     個別支援シートはこちら
優先順位1の支援案 信頼できる友達や教師が言葉かけをする。    
具体化された支援 気の許せる人との会話で,楽しいと思える時間をつくる。
導入時期の評価 :「○」  理由:ゲームなどをして楽しんでいた。
経過時期の評価 :「○」  理由:自分の興味のあることを,一方的に話している。
優先順位2の支援案 その子なりの参加の仕方を工夫する。      
具体化された支援 集会,総合,学活,校外学習のとき,参加できるときは友達や担任が相談室に誘いに行く。
導入時期の評価 :「○」  理由:体育大会のとき,参加できそうな競技に入ることができた。 
経過時期の評価 :「○」  理由:校外学習のとき,バスに乗りクラスの友達と参加できた。
優先順位3の支援案 本人がリラックスできる時間や場を設ける。    
具体化された支援 相談室でゆっくりさせ,個別に話をする。
導入時期の評価 :「◎」  理由:相談室に登校しゆっくり過ごしている。
経過時期の評価 :「○」  理由:相談室には登校しているが,午前中は調子が悪い。
優先順位4の支援案 特別な場で個別指導を行う。(補充学習など)    
具体化された支援 相談室で個別に勉強を教える。
導入時期の評価 :「○」  理由:学習の遅れを取り戻すことができた。
経過時期の評価 :「△」  理由:登校時刻が遅く,学習意欲も維持しにくい。
支援の振り返り
支援後の
プロフィールの気付き
登校時刻が遅くなり,登校してもすぐには学習に取り組めなかった。また,相談室で過ごす時間も増えた。それが,「学習上のつまずきがある」「集団を避ける」タイプの広がりにつながっていると考える。
子どもの変容 遅刻はあるが,相談室には登校できている。友達の誘い掛けがあれば,行事等に参加することができるようになった。登校時間が遅くつらそうにしているときは,ソファーでゆっくりさせ,体調が良くなってから学習に取り組ませている。