児童生徒の様子 | ||
学年 | 中学生 | |
学習の様子 | 学力が全般的に低い。系統立てた指導,個別学習が必要である。 | |
生活の様子 | 小学校の頃から欠席が多い。生活が不規則になりがちである。家庭の協力が得にくい。 | |
友達関係 | おとなしい性格で,教室では,じっと座っていることが多い。 | |
好きなこと | 卓球 | |
苦手なこと | 自分から友達に話し掛けること。 | |
プロフィールから の気付き |
つらいことや本人にとって大変なことを乗り越えるエネルギーが低く,活動に参加できない。話すことが苦手で,自分から話したり尋ねたりすることができないため,直面する物事を解決することができないでいる。学習のつまずきも見られる。 | |
期待する姿 | ○ 誘いかけによって活動に参加できる。 ○ 特別な場で個別の学習に取り組む。 ○ 遅刻しないで登校する。 |
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支援案の検討 支援案選択シートはこちら | |
支援メンバー | 部活動指導者・相談員・養護教諭・教育相談担当・担任・友達・教科担当・相談室担当 |
話し合いの様子 | 学年会や職員会議で,集団に適応することが難しい生徒について共通理解した。校内研で個別アセスメントシートについて研修を行ったあと,担任やかかわりのある教師でチェックシートを記入し,どのような点で困難を感じているか分析しながら支援計画を立てた。 |
支援の方向性 | 本人の活動できるものから参加させ,自信をつけさせると同時に,学習においては個別指導を進めていく。また,家庭からの協力が得にくいので,時間を守るなど基本的な生活習慣に関する指導を学校生活の中で行っていく。 |
支援案の選択とその理由 (優先順位1) |
【信頼できる友達や教師が言葉掛けをする。(誘い掛けなど)】 つらいことを乗り越えるエネルギーが低く,友達からの誘い掛けが絶えず必要と考えた。 |
支援案の選択とその理由 (優先順位2) |
【話し合って一日の過ごし方を決める。】 学校生活の流れについていくことが難しいので,本人と担任等とで話し合い,できる活動から取り組ませたいと考えた。 |
支援案の選択とその理由 (優先順位3) |
【特別な場で個別指導を行う。(補充学習など)】 学習のつまずきも教室に入れない一つの要因になっていると考えられるため,相談室等で個別の指導を行う必要があると考えた。 |
支援案の選択とその理由 (優先順位4) |
【本人がリラックスできる時間や場を設ける。】 学校では常に緊張している様子が見られるので,それを和らげることが必要であると考えた。 |
支援案の選択とその理由 (優先順位5) |
【できたことを賞賛する。】 部活動に参加できているので,部活動でできたことを賞賛し,家庭にもそのことを伝えたいと考えた。 |
支援の様子と評価 支援計画シートはこちら 個別支援シートはこちら | |
優先順位1の支援案 | 信頼できる友達や教師が言葉掛けをする。(誘い掛けなど) |
具体化された支援 | ・集会の時,友達や担任が誘い自分のクラスに入る。 ・教室移動がある教科や総合の授業の時,教科担当や友達が誘いかけをする。 |
導入時期の評価 | :「○」 理由:集会や総合の時,クラスのだれかに来てもらって参加できる。 |
経過時期の評価 | :「◎」 理由:誘いがなくても参加できるときもある。 |
優先順位2の支援案 | 話し合って一日の過ごし方を決める。 |
具体化された支援 | 登校後,教育相談担当や担任と話し合って一日の過ごし方を決める。 |
導入時期の評価 | :「○」 理由:教室へ行ける時間を決めることができる。 |
経過時期の評価 | :「○」 理由:遅刻しないで登校できる日が増えた。 |
優先順位3の支援案 | 特別な場で個別指導を行う。 |
具体化された支援 | 学習の遅れがあるため,相談室で教育相談担当や教科担当,担任で個別の補充学習を行う。 |
導入時期の評価 | :「△」 理由:好きな教科だけ勉強したがる。 |
経過時期の評価 | :「○」 理由:目標をもたせたら最後までやろうとする。 |
優先順位4の支援案 | 本人がリラックスできる時間や場を設ける。 |
具体化された支援 | 昼休みなどを利用し,好きな遊びをして,リラックスできる時間を設ける。 |
導入時期の評価 | :「◎」 理由:相談室登校の生徒と楽しく遊ぶようになってきた。 |
経過時期の評価 | :「◎」 理由:気の許せる友達と好きなことをして過ごすことで,エネルギーが高まってきた。 |
優先順位5の支援案 | できたことを賞賛する。 |
具体化された支援 | 部活動の中でできたことをほめる機会を増やす。 |
導入時期の評価 | :「○」 理由:部活動に自分から参加している。 |
経過時期の評価 | :「◎」 理由:ほめられることで意欲が増し,目標を持って臨むようになった。 |
支援の振り返り | ||
支援後の プロフィールの気付き |
相談室で過ごすことが増えた分,集団の中で活動する機会やクラスの友達と話す機会が減ったため,孤立するタイプの特徴も見られるようになった。 | |
子どもの変容 | 相談室に登校するようになってから欠席が減り表情も明るくなった。相談室に来ている生徒と楽しく過ごし,一人でじっとしていることは少なくなった。また,部活動への意欲も増した。しかし遅刻が多く,学級に行っても学習について行けない上,どのように活動したらいいのか自分から周りに尋ねることもできないでいる。学校においては,今後も支援の継続が必要である。 |