児童生徒の様子
学年 小学校 低学年
学習の様子 字を書くことが苦手。
生活の様子 友達とのかかわり方がうまくできない。
友達関係 友達から敬遠されがちである。
好きなこと 絵を描く。読み聞かせを聞く。
苦手なこと 歌を歌うこと。
プロフィールから
の気付き
ちょっとしたことでいらいらすることが多く,友達に手を出すことがある。自己コントロール力の低さが考えられる。
期待する姿 ○ 友達に手を出さない。(感情のコントロール力を高める)
支援案の検討       支援案選択シートはこちら
支援メンバー 担任・同学年
話し合いの様子 担任が個別アセスメントシートのチェックを行い,支援案選択シートまで作成。それを基に,コーディネーターと担任がパソコン上で支援案計画シートを作成しながら,具体的な支援内容を検討した。その後,個別支援シートを資料として,学年主任と話し合った。
支援の方向性 友達に手を出すことが最も気になることである。そのために,授業中に落ち着いて学習や活動に取り組むことができないでいる。自分の気持ちをコントロールすることが必要であると思われる。
支援案の選択とその理由
(優先順位1)
【ルールや約束事を決める。】
 友達との適切なかかわり方が身に付いていないと感じたので,本人と相談し,できる約束から取り組んでいくことが必要と考えた。
支援案の選択とその理由
(優先順位2)
【ルールや約束事を守られたときにほめる,認める。】
 注意を受けることが多いので,正しい行動はどういうものなのかを本人が理解できるように,うまくいったことやできたことをその都度ほめることが必要と考えた。
支援案の選択とその理由
(優先順位3)
【落ち着くための方法を準備する。】
 授業中にいらいらすると立ち歩きが見られるため,まず落ち着く方法を身に付けさせることが必要と考えた。
支援案の選択とその理由
(優先順位4)
【取り組みやすい活動を準備し達成感を味わわせる。】
 学習場面でも望ましい行動やできることを増やし,自信をもつことで,落ち着いた生活を送ることができると考えた。
支援の様子と評価    支援計画シートはこちら     個別支援シートはこちら
優先順位1の支援案 ルールや約束事を決める。      
具体化された支援 生活全般で,担任が,本人と相談して,3つの約束を決める。
導入時期の評価 :「○」  理由:家庭での約束を学校でも守ることを確認することができた。
経過時期の評価 :「◎」  理由:場所,時間に応じた約束を前もって決めることで落ち着いている。
優先順位2の支援案 ルールや約束事を守れたときにほめる,認める。    
具体化された支援 生活全般で,担任が,3つの約束が守れたときには,シールを貼る。シールの数で,ご褒美を与える。
導入時期の評価 :「◎」  理由:シールが5個で読み聞かせ,10個で遊ぶというご褒美が効果的だった。
経過時期の評価 :「◎」  理由:3つの約束以外でも守ることができたときはほめるようにした。シールがなくても満足している。
優先順位3の支援案 落ち着くための方法を準備する。   
具体化された支援 ・授業中,担任や同学年教師が,いらいらするときには,好きな絵を描いていいことを伝える。
・生活全般で,担任や同学年教師が,いらいらした気持ちを解消するための壊してもいい段ボールを準備する。
導入時期の評価 :「○」  理由:ノートに絵を描いたり,段ボールを破ったりすることで落ち着く姿が見られた。
経過時期の評価 :「◎」  理由:いらいらしそうなときには,ノートに好きな絵を描くことで,気持ちを落ち着かせることができた。
優先順位4の支援案 取り組みやすい活動を準備し達成感を味わわせる。    
具体化された支援 朝の会中,担任が,「カセット係」という役割を与え,苦手な朝の歌の時間,歌の代わりに取り組ませる。
導入時期の評価 :「○」  理由:苦手なことの代わりに,できる活動に自信をもって取り組んでいる。
経過時期の評価 :「○」  理由:周囲に認められた活動であるため,本人も意欲的に取り組むことができる。
支援の振り返りと今後の課題
支援後の
プロフィールの気付き
当初は,「自己コントロールが低い」のみに支援者の目が向いていたが,支援を進めていく中で,表現活動に苦手さを感じていることが分かった。表現活動がある際には,参加しないことが多く,そのことが気になるため,「活動に参加をしない」「集団を避ける」が広がってきていると考えられる。
子どもの変容 約束を決め,その約束と結果が目に見えるように机上に示したところ,ご褒美を目標にがんばり,落ち着きが見られるようになってきた。友達への手出しもずいぶん減ってきた。いらいらしたときの気持ちの切り替えが早くなってきた。