《単元名》
みんなで収穫祭をしよう!
 
子どもたちの意識の流れ
 子どもたちは,4月からアイガモを使った無農薬の米作りに,友達と力を合わせて熱心に取り組んできた。そのおかげで,いよいよ収穫の時期を迎えようとしている。稲穂は黄色く色付き,秋風にそよそよとゆれている。そのような風景を目にした子どもたちは,いよいよ収穫祭について具体的に考えるようになる。いつするのか,だれを招待するのか,どんなことをするのかなど考えることはたくさんある。収穫の喜びを,みんなで味わうために,子どもたちは収穫祭に向けての活動を始めると思われる。
 
  
みんなで収穫祭をしよう!(全25時間)
   
予想される学習活動(子どもの意識の流れ) 時間 教師の指導・支援
  ・ 稲穂が実ったぞ。いよいよ収穫だなあ
・ 収穫した米で,今年も餅つきをするぞ
・ だれを招待しようかなあ
・ 餅つきの他にも何かできないかなあ
・ 稲わらで昨年の5年生のようにしめ縄を作りた
  いなあ
・ 餅つきをするには,どんな準備をしたらいいの
  だろう
・ アイガモを使った無農薬の米作りのことについ
  てもみんなに知ってもらいたいなあ。
 
 みんなで収穫祭をしよう!
 
 収穫祭に向けて,これから
  どんなことをすべきなのか話し合おう!
 
個人でのウェビング
学級全体でのウェビング
 
 しないといけないこと(課題)を整理しよう!
  
予想される課題 
 
○ 収穫祭に向けての計画を立てる
 
○ 収穫祭で,当日,どんなことをするか考える
   ・昨年のことについて,6年生に聞く
 
○ 餅つきの準備や順序(方法)について調べる
 
○ 保護者への協力の依頼について考える
 
○ 無農薬の米を地域の人達に広めるための方
  法を考える(発表など)
   ・田んぼを取り囲む自然環境について
   ・食の安全について
   ・手間をかけ,心を込めて作った米について
 
           ・ 
           ・
           ・
 
 収穫祭に向けて,何から始めたらよいか,
             みんなで話し合おう!
 
 ゴールを考えた計画を立てよう!
 
個人による計画
グループごとの計画
 
予想される学習活動の流れ
 
1 餅つきについて,6年生や保護者や先生に聞
  いてどのようなことをしたらよいか調べる 
 
2 餅つきのための役割分担をする
  ・保護者への依頼
 
3 招待する人を決め,招待状を書く
  
4 お年寄りへのプレゼントとしてミニ門松や稲な
  わを使ったしめ縄作りに挑戦する
  ・ しめ縄や門松を作れる人を探して教えても
   らう
  ・ 材料や道具をそろえる
 
5 アイガモをの農法による無農薬の米作りを通し
  て,学んだことをまとめ,伝える準備をする
  ・ どんなことを伝えたらよいか意見を出し合う
  ・ 内容によってグループ分けをする
  ・ これまで分かったことをまとめる
  ・ 中間報告会をする
  ・ 発表内容に修正を加える
  ・ 発表の練習をする
  ・ リハーサル及び意見交換
 
6 収穫祭に向けての最終確認をする
  
7 収穫祭で,もちつきをしたり,発表したりする
 
8 協力してくれた人にお礼状を送る
 
 ゴール(課題解決)を目指して活動しよう!
             計画〜お礼状 (20時間)
 
一人一人の役割の確認
 
 
収穫祭
 無農薬の米作りについて,
              みんなに知らせよう!
 収穫の喜びをみんなで味わおう!(4時間)
収穫祭に来ていただいた人から感想を言って
(書いて)もらおう
お礼状を送ろう
 自分が学んだことを,
        自分の言葉でまとめよう!
 
凝縮ポートフォリオ作成
 
 
 これまでの自分の活動を振り返ろう!
   
ポートフォリオを使った評価
友達との相互評価
 

 学習したことを家族にも報告しよう!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
   
 


家庭での時間
 実った稲穂を子どもたちと見に行くことにより,収穫祭へ向けた気持ちを高める。 
  
 昨年の5年生が中心となって実施した収穫祭の様子が分かるような資料や写真を掲示することにより,子どもたちの活動のヒントにする。
 





 子ども一人一人の興味関心や意欲をみるために,「収穫祭」を中心に置いたウェビングを作成させる。
 
 一人一人が作ったウェビングを基にしながら,学級全体で一つのウェビングを作成することにより,子どもたちが取り組まねばならない課題を明確にする。
 
 学級で一つのウェビングに仕上げるときは,一人一人の意見を取り上げることができているか留意しておく。
 




 発表の内容としては,米作りのことばかりではなく,米作りをきっかけとして学んだことや考えたこと,体験したこと,伝えたいことなどについても入れる。 
 







 グループについては,一人一人が生きる活動ができるよう,4〜5人で編成する。一つの課題に人数が集中した場合は,いくつかのグループに分けるようにする。 
 学習したことをどのような方法で人に伝えるかを意識させながら計画を立てさせる。
 発表会の準備については,どんなことについて伝えるのか,その内容ごとにグループ分けをする。グループ内で一人一人が生き生きと活動できるように,それぞれの役割を明確にさせる。
 しめ縄や門松作りについては,指導者の方への依頼や材料の準備など,様子を見ながら,子どもの活動にあわせて考えたり,頼んだり,集めたりする。 
 学級で大きな一つの課題に向かって学習を進めていることを確認することで,収穫祭の準備やリハーサル,餅つき等においても,自分の問題として考えさせるようにあらかじめ確認しておく。
 中間報告会(グループごとの交流)をもつことにより,それぞれのグループの進行状況を確認させたり,結果をまとめるまでにどのようなことをしたらよいか意見を交換し合ったりする。
 発表する会場や招待者への対応など発表準備については,できるだけ子どもたちに任せるようにする。また,安全面や相手側への配慮等についても十分留意しておく。
 招待する人が喜んでくれることをいつも考え,計画を立てたり,準備をしたり,声掛けをしたりすることが大切だということを,あらかじめ伝えておく。このことを意識させておくことは,振り返りの場面での自分の評価に役立つ。


 子どもたちがそれぞれ学習してきたことを,発表会に来てくれた人や友達など,できるだけ多くの人に評価してもらうようにする。
 
 単元を通して学んだことを,自分やグループの学習ファイルなどを参考にさせながらまとめさせることにより(凝縮ポートフォリオ作成),自分の学びを改めて確認させるとともに自分の成長に気付かせる。
 これまで学習の学びをファイルしたポートフォリオを使って,子ども一人一人と対話をしながら評価を行う。その際,この単元で子どもが身に付けた力(身に付きつつある力)を認めてやるとともに,子ども(自分自身)が課題を達成することができたという達成感,満足感,成就感を味わわせるように賞賛する。
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