《単元名》
米から世界を見つめよう!
 
子どもたちの意識の流れ 
 子どもたちは,米作りを進めていくうちに,できた米をどのようにして食べようか考え始める。餅米の場合は,餅つきをしたり,せんべいを焼いたりするだろう。うるち米の場合は,できた米の多様な食べ方にこだわりをもつと思われる。まずは,おにぎりにして,そのままの味を味わいたい,他の米で作ったおにぎりと自分たちが作った無農薬の米を食べ比べたいという意見が出てくることが予想されるが,それとともにお米を使った料理にも関心をもつものと思われる。
 
  
米から世界を見つめよう!(全29時間)
   
予想される学習活動(子どもの意識の流れ) 時間 教師の指導・支援
  ・ 米が実ってきたぞ。そろそろ稲刈りだ。
・ できた米はどうしよう。
・ まずは,自分たちで食べよう。
・ どのようにして,食べようか。
・ おにぎりがいいよ。
・ せっかくだから,何か米を使った料理を食べる
  のもいいよね。
・ 無農薬の米は,他の米と比べておいしいのだろ
  うか。
・ 東北の米はおいしいと聞くが,食べ比べをして
  みたいなあ。
・ 米を食べているのは,日本だけなのだろうか。
・ 外国の人は,どんな食事をしているのだろう。
・ ALTに食事について聞いてみたいなあ。
 
 米から世界を見つめよう!
 
 これからどんなことをしたいか
               みんなで考えよう!
 
個人でのウェビング
学級全体でのウェビング
 
 したいこと(課題)を整理しよう!
  
予想される課題 
 
○ 自分たちが作った米と他の米と食べ比べをし
  よう 
 
○ 外国で食べられている米料理を作って食べよ
  う
 
○ ALTが住んでいる国の食事について聞いてみ
  よう
 
○ おいしい米の炊き方について調べ,おいしい
  おにぎりを作ろう
 
           ・ 
           ・
           ・
 
 どのような順序で
  課題に取り組むといいか,話し合おう!
 
 ゴールを考えた計画を立てよう!
 
個人による計画
学級全体での計画
 
 ゴール(課題解決)を目指して活動しよう!
予想される活動の流れ(計画案) 
 
1 自分たちが作った米で,おにぎりを作って食べ
  よう
  ・ おいしいお米の炊き方の追究する
  ・ だれにおにぎりを食べてもらいたいか話し合
    う
  ・ お米を炊く練習(家庭科の時間,家庭学習)
  ・ 自分たちで収穫した米を使って,おにぎり作
    りに挑戦する
  ・ 他の米を使ったおにぎりとの食べ比べをす
    る
 
2 外国の食事(料理)について調べよう
  ・ 外国の食事について調べる
  ・ 調べたことを工夫しながらまとめる
  ・ 家族といっしょに料理を作ってみる
   
 
 
3 ALTが住む国のことについて,ALTに教えても
  らおう
  ・ ALTに連絡をとって交渉する
  ・ ALTが住む国について調べる
  ・ ALTから話を聞いたり,ALTの国の遊びを
    したり,ALTに質問をしたりして交流をもつ
  ・ ALTとALTの国の食事を作る
 
4 米を食べている国の食事を作って食べよう
  ・ 自分が関心をもっている国を選んで,国ごと
    にグループをつくる
  ・ グループで調べる計画を立てる 
  ・ グループで料理を作る計画を立てる
  ・ 米を使った外国の料理を作る
  ・ これまでに調べたことをまとめる 
      その国の食事のレシピも含む
 
 発表の準備をしよう!
招待する人や会場について話し合おう
グループごとに,発表の方法を考えよう
発表の準備及び練習をしよう
会場の準備をしよう 
 
 リハーサルをしよう!
 
グループごとに発表(本番を想定して)
アドバイスを参考に修正及び練習
 
 追究したことをみんなに知らせよう!
                       発表会
 
聴いてくれた人から感想を言って(書いて)もらおう
 
 自分が学んだことを,
        自分の言葉でまとめよう!
 
凝縮ポートフォリオ作成
 
 これまでの自分の活動を振り返ろう!
   
ポートフォリオを使った評価
友達との相互評価
 
 学習したことを家族にも報告しよう!
 
 家庭でも外国のことを話題にしたり,
       外国の料理に挑戦したりしよう!
 
 
 
 
 
 
 
 
  
   
 
家庭での時間
 日常生活において,子どもたちが,米を使った料理に関心をもつような話をしたり,学習環境を作ったりする。
   
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 この単元でどんな学びがあるのか,どんな力が身に付くのか,具体的に説明しておくことで,学習への意欲を高める。
 子ども一人一人の興味・関心や意欲をみるために,「米を使った料理」を中心に置いたウェビングを作成させる。
 一人一人のウェビングを基にしながら,学級全体で一つのウェビングを作成することにより,子どもたちが取り組まねばならない課題を明確にする。
 学級で一つのウェビングに仕上げるときは,一人一人の意見を取り上げることができているか留意しておく。
 課題を整理するときは,その課題が身近なものであるか,解決できるものであるか,学びがあるか,自分の生き方について触れることができるかなどについて,個人のウェビングを基に考えさせる。
 グループについては,一人一人が生きる活動がができるよう,4〜5人で編成する。一つの課題に人数が集中した場合は,いくつかのグループに分ける。 
 
 
 
 
 
 学習したことをどのような方法で人に伝えるかを意識させながら計画を立てさせる。
 
 
 本単元を,米の収穫とは違う時期に行う場合は,市販の米を使って米料理を作るようにする。そして,米が収穫できたとき,自分たちで収穫した米を使って,再度,おにぎりを作ったり,料理を作ったりして収穫の喜びを味わわせる。
 
 
 
 
 
 
 外国で食べられている食事については,調べるばかりではなく,実際に家庭でも家族といっしょに作ってみることを勧める。
 外国の食事を調べることを通して,外国の生活や文化についても触れさせる。
 
 ALTとの交渉は,子どもに任せるが,事前に,ALTと本単元の目的や流れについては十分打合せをしておく。
 
 
 
 
 同じ国を選んだ子ども同士でグループを作らせ,今後の計画について話し合わせることで,学習への意欲を高めるとともに,学習の見通しをもたせる。 
 地域に外国の人や留学の経験がある人がいる場合は,協力を依頼するが,交渉は子どもに任せる。
 学級で大きな一つの課題に向かって学習を進めていることを確認することで,発表の準備や発表会においても,お互いが自分の課題として考えさせるようにする。
 発表する会場や招待者への対応など発表準備については,できるだけ子どもたちに任せる。安全面や衛生面等について不備な点がある場合は,教師が指導をする。
 
 子どもたちがそれぞれ学習してきたことを,発表会に来てくれた人や友達など,できるだけ多くの人に評価してもらうようにする。
  
 単元を通して学んだことを,自分やグループの学習ファイルなどを参考にさせながらまとめさせることにより(凝縮ポートフォリオ作成),自分の学びを確認させるとともに自分の成長に気付かせる。
 ポートフォリオを使って,子ども一人一人とカウンセリングマインドを生かした評価をする。その際,この単元で子どもが身に付けた力(身に付きつつある力)を認めてやるとともに,子ども(自分自身)が課題を達成することができたという達成感,満足感,成就感を味わわせるように賞賛する。
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