小学校・学級活動

特別活動実践例  (高等学校 第1学年で実施) 指導案はこちら
題  材 「これからの食の行方―コンビニ店長になってみたら・・・―」
ねらい  自分自身の食生活や将来の社会(食)の在り方について考え,消費者の意識を高めることが,私たちの社会の流れを変えていくことに気付く。
授業の
ポイント
 平成17年度に国の食育基本法が施行され,学校教育の中でも各教科や分掌等で連携をとりながら食に関する指導の充実を図ることとなっている。「家庭基礎」の食生活の中でも,目指すものは食の自立であり,健全な食生活を実践していく力を身に付けることである。これは「食」教育と相似するところであるが,時間数の関係から「高校家庭」では補えない部分や,「高校家庭」より広い視野に立った「食」教育というものが必要であると考えた。
 本授業では,生徒たちがよく利用するコンビニエンスストアに着目し,自分がコンビニ店長になったとしたらどんな方針で経営していくのかを考えさせる。そして,様々な「食」の問題点について気付かせ,無意識に行っていた自らの「食」に対する意識や行動を見直すことを目的としている。
 本時授業で活用するパワーポイント資料はこちらからPP  ワークシートはこちら
○事前:家庭科食の内容にかかわる学習を済ませておく。
授業の実際 段階 生徒の活動と生徒の反応 教師の指導・支援 資料など
活動の
開始
@コンビニの利用やコンビニの仕組みについて考える。

【高校生のコンビニ利用度】


A本時の活動のねらいを知る。
自分がコンビニ店長になって,店作りについて考えよう。〜これからの食の行方を考えよう〜
・高校生のコンビニ利用頻度(調査結果)を示し,どんな時にコンビニを利用しているのか振り返らせる。
・店のレイアウトを基に,私たちの消費行動によって,店の状況が変わることに気付かせる。

【コンビニのレイアウトは?】

ワークシート

プロジェクタによるスライド資料(役立つ情報のページに掲載)
活動の展開
B店長として売り上げを上げるためにどんな店作りをすればよいか,次の視点から考える。
(グループ活動)

 ・だれのための店か(対象)
 ・どんな店にしたいか
 ・食品の仕入れで心掛けたい
  こと


【グループで立場を分けて考える】


C食品を選ぶ際の基準と大切にしていかなければならないことを考える。

 ・安全性 ・質 ・安心 
 ・個性(嗜好・地域性など)   


D私たち消費者の選択により,何が変わるか考える。  

  「消費者の選択が,『食』の
   社会を変えていく」

・店の対象者は,お年寄り,働く人,学生,子どものいずれかをグループに割り当てて考えさせる。(2グループずつ,対象者を同じにしておく)
・商品の仕入れについては,食に絞って考えさせる。

・同じ対象者のグループごとに,どんな店を考えたのか意見交換させる。
 

・食品の仕入れで心掛けたいことを各グループに発表させ,共通のキーワードをまとめていく。

・これまで私たち消費者が何を基準に食品を選んできたかを振り返らせ,食の安全・安心を確かめる目をもつことが大切であることをおさえる。

・合理性や利便性よりも,優先させるものがあることを認識させる。





 

・新聞資料により,私たち消費者が「選び方」を変えることにより社会の流れが変わることに気付かせる。
・自分にできることを考えるとともに,いずれは作り出す側,売る側になっていくことがあることにも触れる。

ワークシート

プロジェクタによるスライド資料






































食の安全に関する新聞切り抜き
活動




E食の行方を明るくするためにできることを考える。

・今の自分にできることがあることを認識させるとともに,今後の生活に生かしていくことに意義があることを確認する。

ワークシート
授業を
振り返って
○生徒の感想より
・自分たちが栄養に気を付けていけば、他の人も同じようになると思いました。
・便利さだけではなく、安全性も大事だ。
○授業者より
 広い範囲の視点から「食」について考える内容だったので、授業の方向性が生徒にも読めない授業だったかもしれないが、慣れ親しんでいるコンビニについては積極的に意見を出し非常にリラックスした授業となった。消費者だけの立場ではなく、将来は、「食」を作る側の立場にもなることを考えてほしかったが、やはり「食品添加物やポストハーベストは怖い」「身体に安全なものを食べていきたい」「コンビニの便利さに頼らない」などの意見に留まった。情報量が多い授業だったので、生徒の意見がそれぞれの関心のある場所で留まってしまった感があるが、「食育」を広い視野で考えるとこのような授業も必要であると思う。

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