時間を守る 年間計画に戻る
【学級活動での取り組み】
題材名 時間を守る 指導案
目標 ○ 時間の大切さを理解し,どうすれば守ることができるか話し合うことができる。
○ 時間を守るための自分のめあてを決定し,実践化への意欲をもつことができる。
本時の展開
活動内容 指導上の留意点  ◆…評価
これまでの生活を振り返り,時間を守らず友達に迷惑を掛けたことや掛けられたことを話し合う。

 
・給食を時間内に食べてもらえず片付けができなかった。


・集団登校の時間に集まらず,待たされた。


・体育大会の練習で始まりの時間に遅れて集合していたみんなを待たせてしまった。


事前に学校生活を振り返り,個人で反省したものをグラフにすることで,学級の実態を視覚的に把握させ問題点を見つめさせる。


 
普段の生活を振り返らせることで,時間を守らないと,他の人に迷惑を掛けるということに気付かせるようにする。


アンケートを基に意図的に指名する。


2本時のめあてを知る
みんなで時間を守るためには,どうしたらいいか考えよう。
なぜ時間を守れないのか考える。


  
・おしゃべりをして食べているから給食が遅くなる。


・朝起きるのが遅くなり集団登校に遅刻してしまう。


・いつまでも遊びに夢中になり授業の始まりに遅れ
る。

時間が守れないのはなぜか,また,どういう状況のときに時間を守れないのか,具体的な場面を思い出させながら考えさせるために,問題となる場面の写真を提示する。


時間を守れない子に対して厳しい意見が出ることも考えられるので,守れる子,守れない子のどちらの意見も取り上げ,みんなで良くなるための意見を出させるようにする。
どのようにしたら時間を守ることができるのか話し合う。


板書拡大写真
学級みんなが時間を守っていくための必要な方法をワークシートに書かせて話し合わせる。


時間を守るということは,集団生活を送る上で大切なことで,守れないと人に迷惑を掛けるということをもう一度確認し,方法を考えさせる。
カードについて意見が出ない場合は,教師の方からアイディアを出す。1週間程度区切って取り組ませる。
全校で取り組んでいるノーチャイムウィークについては,これまでの取り組みで良くなったことなどを紹介し,意欲化を図る。
時間を守る方法について考え,話し合うことができたか。(発言内容・ワークシート)
自分の生活を振り返り「時間を守ること」について思ったことや感じたことを書き,意欲をもつ。
実践カードに自分のめあてを決めて書かせ,その決めたことを1週間取り組ませる。


時間を守るための自分のめあてを考えることができたか。(発言内容・ワークシート・実践カード)
家庭にも連絡し,頑張り週間だけでなく,習慣化されるよう日常指導を心掛ける。
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【日常的な取り組み】
朝の時間での実践
 2年生になると,学校生活に慣れてきたこともあり,遅刻をしたり,早く登校しているにもかかわらず何もしないまま外に遊びに行ってしまったりする子どもがでてきます。そのため,朝の時間の約束ごとを再確認し,それを写真付きで毎朝黒板に掲示します。その際「@よし! Aよし! Bよし! Cよし! ゴー」と合い言葉を言いながら確認させるようにするとよいでしょう。
@どうぐをいれる Aれんらくちょうをだす Bしゅくだいをだす Cランドセルをたなにいれる
 活動内容を視覚的にとらえさせることによって,子どもは,朝の時間に何をしないといけないかを意識します。また,合い言葉を言いながら楽しく準備をすることができます。
 ほとんどの子どもができるようになったら黒板での掲示をやめ,できていない子どもににだけカードにして配り定着を図るようにします。
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カードの活用
 時間を守ることは,毎日の学校生活でとても大切なことです。そのため時間を守ることができたかどうかを自己評価させることが重要となってきます。しかし,毎時間ごとの評価は低学年の子どもにとって難しく,いかに有効にカードを活用するかがポイントとなります。 
がんばりカード拡大
すごろく形式拡大
 学級活動の後,期間を1週間に限定し,帰りの会で1日の生活を振り返らせ,時間を守れた子どもには,がんばりカードにシールをはらせます。カードをすごろく形式にしてゴールにたどり着くことをめあてにさせるなどの工夫も考えられます。
 「がんばりカード」は振り返って反省を記入し,適宜,家庭へ持ち帰らせることで子どもの学校での様子を保護者に知らせるだけではなく,家庭においても時間を守ることへの意識の定着が期待できます。その際,保護者に学級便りを通じて事前にこのような取り組みを行っていることを知らせておくことが大切です。また,保護者からの励ましの言葉は,今後の意欲へとつながります。
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必要な時間を知るための指導 〜何分でもどれるかなゲーム〜
 休み時間になると子どもたちは校内のいろいろな場所で過ごしています。子どもたちの様子を見るとチャイムが鳴ってもすぐに教室に戻ろうとせず遊びを続けたり,戻ってはいるもののその行動に時間が掛かったりする子どもがいます。そこで,「何分で, もどれるかなゲーム」を行い,教室まで戻るのに必要な時間を理解させます。
場所 ようそうした時間 かかった時間
ぶらんこ(運動場) 5分 1分40秒
てつぼう 3分 1分
たいいくかん 3分 40秒
としょしつ 2分 40秒
トイレ 1分 16秒
 予想を立てたら実際に分担し,何分で戻れるか測定します。その際,安全に気を付けて廊下は走らないことや,人を押さないなどの事前指導をします。子どもたちは,予想よりはるかに早く教室に戻れることに驚き,これまでチャイムが鳴ってもすぐに戻ろうとしていなかったことに気付きます。チャイムが鳴っている時間は,思ったよりも長いことに気付きます。教室に戻るために必要な時間を知ることで,一人一人の意識が変わり,素早い行動を心掛けるようになります。
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キャラクターの活用
<チクタクたっくん>
 
 時間の見守り役のキャラクターを「チクタクたっくん」 と名付け,子どもに愛着をもたせます。キャラクターは, 次第に学級の一員のように意識され,「チクタクたっくんがいつも見ている」という感覚が育っていきます。  
 チクタクたっくんの下に時計を掲示することで,まだ時刻 が十分読めない子どもにもより簡単に授業の開始時刻を知らせることができます。「チャイムが鳴ったよ!」「時間だよ!」ではなく,「チクタクたっくんが呼んでるよ!」 と互いに楽しく声を掛け合うことができます。 
 キャラクターを作ることで時間に対して親しみをもって意識付けをしていくことができます。
 また,時計係の当番を決め,時刻を掲示させるようにすると,「休み時間は何時までですか?」と聞きに来ていた子どもも,黒板を見ることで安心して行動することができます。休み時間だけでなく,学習中の活動においても「この時刻まで」と意識をもたせることができます。
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全校的な取り組み1  〜意識付けを図る掲示物〜
 全児童の目につく所に大型のパネルを設置します。
早ね早おき朝ごはん
みそ汁すって元気いっぱい
 パネルの掲示によって,子どもたちはもちろん,来校する保護者も立ち止まって眺める人が多くなります。色鮮やかな大型のパネルは,全校で取り組むという意識付けに役立ちます。
 パネルの掲示については,学校便りや学年・学級便りで紹介し,保護者にも意識してもらうように呼び掛けるとよいでしょう。
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全校的な取り組み2 〜ノーチャイムウィークの設定〜
 日ごろ,時計よりもチャイムによって動くことが多い子どもたちに時間を意識しながら行動することを意識させる取り組みとして,チャイムを鳴らさないノーチャイムの日を設定します。チャイムで行動することに慣れている子どもたちですから,1日だけの取り組みではなく,1週間などある程度の期間取り組むことが必要です。


 最初は,授業の開始時刻になっても教室に戻ってくることができない子どももいますが,徐々に時計を気にして行動する子どもが増えてきます。また,授業の開始時刻が近付いているのに遊びに夢中になっている友達に対して,声を掛ける子どもも見られるようになります。ノーチャイムについては,時計を気にしすぎて行動が制限されてしまう子どももいますので,毎日ではなく,学期に2回程度,1週間という限定した期間に集中して取り組む方が効果的でしょう。


 ノーチャイムウィークにおいては,子どもたち以上に教師自身の行動が重要です。授業の開始時刻や終了時刻を守り,時間を大切にすることが子どもたちにもよい影響を及ぼします。


 ノーチャイムウィークの取り組みを終えて子どもたちのよくなった点は,以下の通りです。


・ 遊んだ後,チャイムが鳴る日よりも早く教室に戻れるようになった。
・ 時計を見て行動できるようになった。
・ 時間が前より守れるようになった。


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指導を広げるために
家庭での生活リズム 〜生活リズム表〜 
 「時間を守る」ことは,学校だけでなく家庭での日々の生活において大変重要なことです。夏休みや冬休みなど長期の休業中には「生活リズム表」を利用し,規則正しい生活を心掛けさせたいものです。
○ 「生活リズム表」のポイント
一日の生活時間を決める。起きる時間,寝る時間については,一日の生活のリズムを決めるので必ず決めさせる。
家庭においてどんな時間が一番守れていないか親子で話し合う。
起きる時刻 寝る時刻
勉強する時間 テレビを見る時間
ゲームをする時間 家に帰る時刻  等
守れていないことの中からめあてを決め る。
休業後は,親子で振り返り,めあての反省を行う。
拡大写真
 「生活リズム表」は,学校での活動がつながるように学級で使っているキャラクターを登場させたり,学級便り等で事前に保護者へ協力をお願いするとよいでしょう。

「時間を守る」に関する道徳の時間の資料
学年 資料名 出典
1年生 べんきょうがはじまりますよ 『どうとく 1年』 東京書籍
よりみち
どうしてかな 『どうとく 1年』 日本文教出版
2年生 チャイムが鳴ったんだよ 『どうとく 2年』 東京書籍
いろいろなきまり 『どうとく 2年』 日本文教出版
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